ロードバイクのバラ完に挑戦編第一弾。約1年間の構想を経て先日ようやく完成した、自転車工房エコーの唯陸奥男さんに制作いただいたtadaフレーム。いよいよ組み始めます。
自転車を組んだことはありませんが機械いじり好きだし自分でメンテ出来るようにしたいし、今の時代情報は手に入るからなんとかなるやろ、と楽観しています。
今回の作業は下記の内容です。
①ボトムブラケット(BB)の取り付け
②クランクの取り付け
③シートポスト、サドルの取付
①ボトムブラケット(BB)の取り付け
SRAM DUB、BSA(JIS)68mmのねじ切り式
BB(ボトムブラケット)とは
BBというのは自転車のクランクの回転に関わる重要なパーツで、簡単に言うとクランクのシャフト通すための筒状のもので、内部にあるベアリングによってスムースな回転が実現しています。(これがないとシャフトとフレームが直接接してペダルを回す度に摩耗してしまう)
非常に様々な規格が存在もとい乱立していて、バラ完泣かせなパーツでもあります。基本的にはクロモリやアルミフレームではネジ山が切ってあるねじ切り式が多く、カーボンフレームではネジ山が切れないため、専用工具で押し込む圧入式が主流になっています。SRAMはDUBという新たな規格を生み出しておりまた混乱の元…と思いきや、このDUBはあらゆる規格に対応できる万能規格として生み出されていて、今回のBSA68mmはもちろん、圧入式などさまざまなBBが純正で用意されているのでフレーム側の規格さえ分かっていればあまり難しくありません。
tadaフレームは伝統的なねじ切り式のBSA68mmという、一般的な規格を採用しているのでSRAM純正のBSA68mmに対応したDUB BBを使用します。付属品はインナースペーサー×2、アウタースペーサー×3(2mm, 3mm, 4.5mm)。
SRAMのBBを締め込む工具はSHIMANOのものは使えないというので、AmazonでSRAM DUB対応のものを1300円ほどで購入しました。グリスは手持ちのSHIMANOプレミアムグリスを使います。
SRAM DUB BB BSA68mm
左右の記載があるので間違えないようにしながら、公式マニュアルに従い左から装着していきます。中央にある2つのリングはインナースペーサーで、BBの規格によって使用したりしなかったりします。後述しますがロードバイクでは基本的に使用しません。
スペーサーの取り付け
公式マニュアルに従い、スペーサーを確認します。Road-Wideってなんだ???と早速躓きましたがこれはクランク側の話のようです。主にグラベルロードやMTBに対応しているのがRoad-Wideのクランクで、オプションという位置付けで存在しています。
ロードバイクに組み込む上では通常のRoadクランクと考えて問題ありません。私の46/33と10-33の組み合わせでももちろん通常のRoadクランクなので、スペーサーは右側に3mmのもののみを使用します。私はミスしましたがインナースペーサーは使用しません。購入時のDUBはアウタースペーサーと異なり、インナースペーサーは軸に通った状態だったため使用するものと勘違いしていました。
BBの締め付け
図に従い左側のカップを装着します。浸水&外れなくなるの予防でねじ山にグリスをしっかり塗りつけます。
24ノッチの、この場面だけのために買った工具の出番です。どれを買えば対応しているか分かりづらいですが下記リンクのもので無事使えました。指定トルクは54Nmです。
手持ちのトルクレンチは30Nmまでしか測れないしそもそもこの工具とは連結できないので困りました。トルクレンチに装着できるタイプの工具も売ってはいますが6000円くらいしたので諦めます。You Tubeとかでバラ完してる人を見るとまあ力いっぱい締め込めば良いでしょう、くらいのノリで取り付けている人が多いので先人に倣うことにします。フレームがカーボンではないので厳密に守らなくてもいいかな...という気持ちです。
右側(ドライブ側)の取り付け。こちらは逆ネジになっています。
BBだけだけどそれっぽくなってきました。
そしてスペーサーを取り付けます。どれが何mmやねんとキレながらメジャーで測っていましたがそよく見たら表面の方にちゃんと数字が書いてあります。厚い方から4.5mm, 3mm, 2mmです。
アウタースペーサーはdub, 3mmと文字が彫ってあるほうが外側になるように取り付けます。内側は段差になっていて、BBカップの溝にパチンとはまるようになっています。
②クランクの取り付け
SRAM RED etapクランクセット 46/33T
Bikeinnで注文し3ヶ月ほど待って納品されたSRAM RED etapクランクセットです。チェーンリングは46/33Tで、クランク長は今のバイクが172.5mmなので変化を試すべく170mmにしてみました。
自転車の顔とも言われるチェーンリングです。わざわざ高いREDをBikeinnを使ってまで買った理由は圧倒的にデザインが好みなのとFORCEグレードに比べ大幅に軽量だからです。
このクランクには「プリロード調整機能」が付いています。クランクとBBの隙間を調整しがた付きをとるためのアジャスターで、上位モデルのクランクに付いているようです。といっても原理は非常にシンプルで、このアジャスターを矢印の方向に回すとBB側(写真では左側)にアジャスターが寄っていくので、がた付きがなくなったところでボルトで固定しがた付きを取るだけです。クランク取り付けの際には回しやすいように少しだけ緩めておきます。
クランクは左から入れていきます。マニュアルにしたがいまずはBBの青いO-リングを確認します。
ありました。これが左右とも付いているのを確認したら、左側からクランクを入れていきます。このときもネジ穴にグリスを塗るのを忘れないようにしましょう。
SHIMANOの場合は左右のクランクが180反対になる向きでしか取り付けられないようになっていますが、SRAMはこのように猟奇的な向きにしても取り付けができてしまうので、左右のクランクがちゃんと正反対を向くことを確認します。チェーンリング中央に8mmの六角ボルト穴があり、こちらも指定トルクは54Nmです。
クランクの固定・プリロード調節
マニュアルによると左右のクランクをしっかり固定したあとにチェーンリング側をゴムハンマーで叩いて「所定の位置に完全に設置する」と記載があります。チェーンリング側のクランクが浮いているとがた付きが出るので押し込みましょうということなのですが、完全に設置されたかどうかは見ただけではよく分かりません。ポイントはチェーンリング中央のボルトを仮止めではなくちゃんと締めて、左右のクランクを完全に接続させてからハンマーで叩くことです。
最後はプリロード調整でがた付きを取ります。矢印の方向に回らなくなるまで回す、とあるのですが最初から全く回らない状態で、しかもクランクの回転が重い気がします。しかしクランクのがた付きもありません。
スペーサー取り付けのミス
正常なのか異常なのか判断ができず困り、You TubeでSRAM DUBクランクの取り付け動画を見ると、やはりもっとクランクは軽快に回っていたので作業で間違えたかパーツの規格を間違えたか、何かしらのミスがありそうです。調べてもなかなか出てこないのでマニュアルを見返してミスに気づきます。
前述のインナースペーサー不要のくだりです。繰り返しますが殆どの規格でインナースペーサーは不要です。インナースペーサーを使うのは基本的にはMTBの話です。
つまり私は左右のインナースペーサーを誤って取り付けた分だけシェルが厚くなり、本来プリロード調整をするべきクランクとBBの間の遊びがなくなってしまったということでした。必要以上に締め付けられている状態になったのでクランクも重かったというわけです。
というわけで一度BBを取り外し、左右のインナースペーサーを外してやり直しました。
すると先ほどと異なり明らかに左クランクとBBの間に隙間が生まれ、プリロード調整器が回るようになりました。あとはマニュアルに従ってがたがなくなるまでプリロード調整を行い、2mmのボルトでプリロード調整器を固定します。
プリロード調整器は樹脂製で簡易的な部品なので、この2mmボルトによる固定はあくまでプリロード調整器が回らなくなりさえすればよく、目一杯締め付けると割れてしまうので注意しましょう。目安は締める部分の上の端が接するくらいとありますが、プリロード調整器が手で回せなくなるくらいに固定できれば良いです。
そんなこんなでようやく装着完了しました。知識がないと上手くいかなかったときにいちいち調べまくる必要があるから大変です。
③シートポスト・サドルの取り付け
サドル fabric SCOOP PRO shallow
おまけでシートポストとサドルの取り付けです。サドルはfabric SCOOP PRO shallow。
DOMANE用に軽量サドルを探していたときに、ワイズロードオンラインでセールで1万円で売っていたfabric SCOOP PRO flatを購入し、そのフィーリングが良かったので、今度はよりロングライドに適した座面のshallowを購入しました。
国内での正規取り扱いが終了した疑惑があるのでまたまたBikeinnで購入しました。このサドルは神楽坂つむりさんが100kmまでならレーパン要らずとまで言っていたくらいなのでロングライド性能もお墨付きです。
シートポスト THOMSON masterpiece
続いてシートポストは高級品のTHOMSON masterpiece、330mm、27.2mm。THOMSONはアルミ加工技術に定評があり、航空機の部品も手掛けているようでアルミシートポストの最高峰と言われている製品です。
もう少し軽量かつ若干安価な「KCNC Ti-pro lite」と非常に迷いましたが、最高峰という肩書とTHOMSONのロゴのカッコ良さでこちらを選びました。
今年の夏頃は普通に買えた気がしましたが軒並み法外な値段になっていたので、今度は海外通販Probikekitで購入しました。ところでこの収納袋は何に使えばいいんだ…。
あともう一点。SCOOP PROはカーボンレールなので、付属のヤグラ7×7mmではクランプできないためカーボンレール対応のヤグラを購入する必要があります。DOMANEでもこのトラップに引っ掛っかかりました。ヤグラは意外と高くて3000円くらいしますが、THOMSON純正のカーボンレール対応の7×11mmのヤグラ多少は良心的でAmazonで2200円で購入できました。
シートポスト、サドルの取り付けは日常的に行う範囲の作業なので特に難点はありません。注意するのはネジおよびシートポストとフレームの間にもグリスを塗って防水・錆止めを忘れないくらいです。
とりあえず平日仕事後ということもあり第一弾は簡単なところで終了しました。ブレーキのブリーディングとディレイラー周りが心配で仕方がないです。
to be continued...
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