山と自転車

登山や自転車に関することを綴っています

【登山】秩父の百名山、両神山日帰り登山。八丁峠(上落合橋)ルート 2024.05.05

こんにちは、皆さまGWはいかがお過ごしでしたでしょうか。私は今年のGWは奇跡的に仕事が暇で5連休もいただけて遊ぶことしか考えずに生きていました。これが1ヶ月くらい前に分かっていればガッツリ遠征して縦走するなり自転車旅をするなりできたんですが、直前になって休みが確定したので遠征はせず、行きたい場所やりたいことリストを複数クリアする作戦にしました。

というわけでロードバイクでのヤビツ峠ヒルクライム、磐梯吾妻スカイラインに続き最後はちょっと久々になってしまった登山です。このブログは登山と自転車の二刀流・趣味界の大谷翔平を目指し運営しているのですが、一度心を登山に切り替えることで自転車への過度な熱の集中を防ぐとともに、細君に締められる前に機材への投資額を抑える戦略です。そして最近色々思うところがあり、日本百名山の制覇を目指すことにしたので都内から日帰りでアタックできる百名山の中から行き先を探しました。

秩父の百名山、両神山

両神山は秩父の山深くに位置する標高1723mの日本百名山の一座です。埼玉県に位置しており同県唯一の日本百名山となっています。もう70kmほど西に進むと甲府盆地に辿り着くので埼玉と山梨の間くらいに位置しています。

名前の由来

神の名が付く山は日本神話の神々を祀っていることがその由来であることが多く、この両神山はイザナギ・イザナミの両神が祀られています。しかし、深田久弥の日本百名山によるとこの両神山は面白いことに順番が逆だそうです。下記は日本百名山からの引用です。

この山の一番元の名は八日見山(ようかみさん)であって、それが竜神山となり、両神となったのだろう。イザナギ・イザナミを祀ったのは両神山と呼ばれるようになってからであって、それ以前にはこの二神には何の関係もなかった。

アクセス・ルートについて

両神山は7つもの複数の登山ルートが存在していて、初心者向けから上級者向けまで難易度も様々です。最もポピュラーなのが東側から入る日向大谷ルート(距離約10km、獲得標高1300m)ですが

日向大谷ルートキツくない?

確かにシーズン初だしもう少し落とすか

八丁峠ルートは上級者ルートだけど短め

ということで今回は西側から入る八丁峠ルート(上落合橋スタート、距離6.4km、獲得標高約1000m)を選択しました。浅はかな考えでした。数字は穏やかですがちっとも穏やかなルートではありませんでした。

東京郊外から下道で2時間半ほど。高速を使っても北側から遠回りする形になり、下道とあまり変わらないようです。ちなみに下道は1車線なので運転嫌いにとっては苦行です。

八丁峠ルート

八丁峠ルートは距離は短めですがアップダウン続きかつ岩場鎖場が多いため上級者ルートに位置づけられています。登山口は①八丁トンネル登山口②上落合橋登山口(下図のハートマーク)の2つで、両者はルート途中で合流します。

2024年5月現在、上落合橋以北は通行止めになっていたので秩父方面からのアクセスでは必然的に上落合橋スタートになります。ヤマレコ等で記録を見ると2020年にも同様に通行止めになっていたようなので、事前の情報収集が肝要です。

Googleマップで上落合橋と検索しても何故か表示されなかったので、ストリートビューを駆使して見つけました。上図のポイントが上落合橋です。

山行記録

今回の相棒は大学時代の同期のKW氏。東北遠征から北ア縦走まで、我々登山隊のスタメンです。彼は静岡住みで当日合流だと北アアタック並の朝活になってしまうので前乗りしてもらうことにしました。

東京は宿が高すぎて前泊キツいンゴ

もしもし 細君?

山のためうちに泊めて良い?

良かろう

登山口までの道のり 林道金山志賀坂線

さすが林道と名が付くだけあって一本道、基本すれ違いなど不可能な細い山道です。

めっちゃSIREN。絶対この廃屋を使って道路上にいる屍人をかわして終了条件達成エピソードクリアになるやつ。

すごいトンネル

大腸カメラって感じ

お父さん、大丈夫?

任せとけ この車は四駆だぞ

上落合橋登山口

ストリートビューで見つけた上落合橋です。

ちょうど上落合橋で通行止めになります。駐車場は橋の手前にだいたい15台分ほど、橋から徒歩1分ほど下ったところに10台分ほど。管理された駐車場ではなく広くなっているところに整列して停める感じなので多少は融通が効くと思います。GW後半、8時半頃の到着でしたがスペースにはまあまあ余裕がありました。

この上落合橋ルート、劇的ビフォーアフターでも太刀打ちできないレベルの垂直階段から始まり、尾根に出るまではずっと急登が続きます。

一見すると道が分からないレベルの斜面です。

登山道と言うより明らかに獣の類が駆け回るフィールド。

八丁峠

キツいツラい帰りたい何故連休にこんな目にエトセトラ。文句を言いながらも何だかんだコースタイムの2倍速近いペース、40分くらいで八丁峠に到着です。かれこれ6年ほど高強度登山を定期的にやっているので心はともかく脚はそれなりに鍛えられています。

ちなみに八丁トンネル登山口から登り始めてもここで合流することになります。

ここからは尾根歩き。普通は快適で楽しい時間ですがここからが核心部です。

さっそく くさりば が あらわれた !

さくら が さいていた !

八丁峠を過ぎるといきなり鎖場が始まります。ここは鎖を使わずともルートが見えるのでまだまだ序の口。

早くも視界が開けました。実際の現場は写真より視界が広く、序盤にしてかなりの開放感があり気持ちええです。

急降下したと思ったら

すぐ同じくらい登り返します。

今のところ多少岩場慣れしていれば技術的には大したことありませんが体力が…

ピークの度に多少なり眺望が得られるので心はそんなにキツくなりません。

まだピースする余裕を見せるKW氏。

西岳

両神山山頂までには西岳→東岳という2つのピークを経ます。ここまで八丁峠から800mしか進んでいないらしいです。嘘だろ。

目指す山頂はあの右側のピークです。西岳と東岳の間はガッツリ下降してほぼ壁を登る要所です。

細君および義両親の山は危ないスイッチが入りかねない写真ですが、一般的な岩場に慣れている人ならば鎖を使わなくても上り下り可能なくらいには足場も掴む場所もあるので安全です。コースタイムが短い分焦らずに済むのもバランスが取れています。

ここは一瞬間違えたポイントです。このまま直進した方が良さそうな雰囲気の道ですが、看板通り下に下るのが正解です。直進しても同じところに合流できますが、草木をかきわけながら無駄にアップダウンする羽目になります。

いよいよ鞍部に来てしまいました。見えないものを見ようとしても道らしい道が見えないと思いますが、写真の上の方まで登っていきます。

崖!!!!!

天然ボルダリング!!!!!

シーズン初めの足慣らしのつもりがやべえところに来ちまった!

時折振り返るとこの有り様。いつもと違う意味で帰りたくねぇな…

 

西岳から東岳まではずっとこんな感じです。

振り返るとノコギリのような稜線。これ森林限界超えてればほぼ西穂-奥穂高です。

ようやく核心部を抜けた雰囲気です。

山の上から遠くに見える山座を同定するのが好きな私ですが、この両神山はむしろ途中途中の山深さを感じさせる眺望に震えました。人間が太古の昔から抱いていたであろう自然への畏怖の念を感じました。3000m級の山々で感じる自分のちっぽけさとはまた違った種類のちっぽけさを感じます。

東岳

山頂まであと1.0kmの表示とともにようやく東岳にたどり着きました。正直まだ1キロもあるのかよという気持ちです。

東岳と両神山の間も、これまでに比べればマイルドですがアップダウンがあります。本当に八丁峠から先は均等にアップダウンしている感じです。

さんちょうが ちかい ようだ !

両神山山頂

スタートから3時間弱でようやく山頂にたどり着きました。

標高は2000m未満ながら360度パノラマです!

南側には富士山。甲府盆地以上に山頂付近しか見えませんが…

中央アルプス

八ヶ岳

そういえばこの日はやたらと埼玉県警のヘリが飛び回っていて、登山者への注意喚起を行っていました。

山頂からみた東岳、西岳方面。

写真のど真ん中の岩肌がこれまで歩いてきた登山道です。うん、分からない。

下山・山行データ

今回のルートはピストンルートですが、ここまでアップダウンが非常に多かったので八丁峠までは往路と似たような感じです。さすがに復路の方が下り基調ではありますが、特に東岳から西岳までの下降は難易度が高めです。あと小石が多いため気をつけていてもいくつか下に落としてしまったので、前の人とは普段以上に間隔を空けた方が良さそうです。

道の駅 大滝温泉

下山後は道中にあった道の駅で温泉につかります。秩父市街地と上落合橋との中間地点くらいにあり、土日祝日800円と良心的。

おまけ 「あの花」聖地

秩父…あの花……橋…

行けるか?

10分くらい遠回りすればおk

めんま見つけちゃうぞ

旧秩父橋

というわけであの花キービジュアルの橋、旧秩父橋に寄り道しました。「あの花」ってわかりますよね…?「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」という涙なしには観られない、当時大学1年生だった私の情緒を破壊した名作アニメです。当時軽音部で地底人Tシャツを着てライブをして誰にも伝わらず滑った覚えがあります。

最近ではあの花と調べると「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」の方が上位に表示されるのが時の流れを感じるというか俺の知ってる世界じゃない。

はい鳥肌鳥肌

ここが…めんまの…溺……(涙

はい、10年ぶりに脳が破壊されました。

この写真で心が叫びたがったら間違いなく同世代。すみません作品ごちゃ混ぜですね。

じんたんガチ再現

あの花キービジュアル。願わくば男女6人で来て完全再現したかった…

めんまを再現すると炎上するから5人だね

そこのカップルに協力してもらうか…?

てかめんまコスしたい

そこはじんたんじゃないんだ

ゆきあつのおかげで公式に男がめんまになれる

あの花マンホール

路上にはあの花をはじめ秩父が舞台となったアニメ作品のマンホールがあります。興奮して橋ばかり見てると普通に見落とすのでちゃんと下も見ましょう。

初代キービジュアル

ああやばい、今年の夏は久々に観よう。

10年後の8月ver

あなるが落ち着いたお姉さんになりつる子が女スパイみたいになってると評判のやつ。

がはっ(恍惚)

心が叫びたがってるんだ。

空の青さを知る人よ

秩父つながりの2作品。

感想

山行記録の数字だけを見ると非常にライトな登山なんですが、上級者コースの名は伊達じゃありませんでした。岩場・鎖場慣れしていないと途中で進めなくなると思うので技量をよく見極めましょう。道考えても滑落したら命に関わる怪我に直結するので安易に挑んではいけません。

では岩場慣れしてさえいればラクかと言うとさんざん書いてきた通りアップダウン地獄ですので心して挑んだ方が良いです。ちなみに森林限界上でこれを10時間続けられる体力と精神力があれば西穂-ジャンダルム間の破線ルートが視野に入ってきます

秩父は眺望が良いイメージがあまりなかったのですが、今回で覆されました。眺望に関してはさすがの百名山で非常に気持ちの良い山頂でした。途中途中の展望ポイントでは山域の広さを感じられて山頂とは違った良さもあり、コンパクトな登山ながら非常に満足しました。

ヤマレコに往復4時間の猛者がいるけど何者なんだ

ヤマレコ使う猿もいるんだなぁ

おしまい