山と自転車

登山や自転車をはじめとした多趣味ブログ

【RIDE&FISH渓流編】ウェットウェーディングスタイルによる自転車×渓流釣り実践

こんにちは、つい先日上司と飲んでいたときに「俺は20~30代は仕事の記憶しかないけどお前は記憶に残る過ごし方をしていて羨ましいよ」というお褒めと羨望の言葉をいただいた男、上社です。

とはいえさすがに加齢とともに趣味への情熱が下がっていき仕事に打ち込むようになる…なんてことは一切なく、むしろどんどん趣味と呼べるものが増えていって収拾がつかなくなってきました。

自転車×釣りという遊び

そんな最近増えた趣味の代表が釣りです。行動力がカンストしてるオタクなんで例によってアニメの影響なんですけどね、へへ。

www.mount-road.com

ただし私はがっつり釣りだけする、というよりは自転車旅の途中でちょっと釣りをする、とかサイクリングやハイキングを兼ねて山で半日ほど釣りして帰って来るとか、他の趣味と組み合わせて出来る釣りをメインにしたいと思っています。

前置きが長くなりましたが、今回の記事は自転車と渓流釣り(フライフィッシング)を組み合わせた実践編です。

※今回の舞台はあきる野市にある養沢毛鉤専用釣場という管理釣り場です。管理釣り場といっても釣り堀タイプではなく、全長4kmの自然渓流を使ってた釣り場なので概ね一般的な渓流と環境は同じです。よってここでできれば自然フィールドでも同様の手法でできるだろうと考えての実践です。

渓流釣りは自転車と相性が良さそう

渓流釣りは海釣りに比べ使う道具が少なくシンプル、そしてコンパクトなので自転車に積載、もしくは背負ってライドするのが容易です。自転車であれば釣りに付きものの駐車場問題から開放されるので、アプローチできる最低限の走力さえあればとても理にかなったスタイルと考えます。

ウェットウェーディングスタイル

なんとかしてウエーダーを外したい

そんな渓流釣りですが唯一かさばる装備がウェーダーです。ウェーダーとは川に入ったときに濡れないようにするつなぎみたいなものです。

わざわざ川に入らなくても岩の上や陸地を歩けば良いのに…とまず思うでしょうが、渓流では地形的に水中を歩かざるを得ない場所のほうがむしろ多いです。

こことか

こういうところとか。

しかしウエーダーはかさばるので自転車ではできるだけ外したい…と考えていたところにウェットウェーディングという手法を知りました。

濡れても良くない?むしろ濡れようぜという発想

逆転の発想で沢靴と保温性のある素材のタイツを履いて濡れながら軽快に釣りをするというスタイルで、最近は主流になってきているそうです。

具体的にはこんな感じの普通のサイクリングの格好と靴で、現地についたら沢靴に履き替えポリプロピレンの保温兼プロテクターを装着します。

浅瀬ですがこんな感じで普通にじゃぶじゃぶ濡れながら釣りをします。よく考えれば流されたりしないなら濡れても別にいいですよね、暑い時期にしかしないし。

装備品

ウェットウェーディングって結局なにを揃えれば良いのか、この季節はどの程度保温性が必要なのか、とか調べてまくっても結局よく分からんので下記の道具で臨みました。

沢靴:モンベル サワーシューズ

沢登りをする後輩も使っているという、コスパに優れたフェルト底の沢靴です。軽くてかさばらずフィット感も素晴らしかったです。内部が足袋の構造なので親指が分かれているソックスが必要です。

webshop.montbell.jp

プロテクター:モンベル サワークライムレッグガード

この手のモノの中ではちょっとお高めですがモンベルダイヤモンド会員を目指しているのもありモンベルで揃えました。ウェットスーツみたいな素材で保温性が高く怪我を防ぎます。高い分あってずり落ちにくいと好評のようです。

webshop.montbell.jp

ソックス:モンベル トラベルスプリットトゥソックス

サワーシューズは素足で履くと皮膚に良くないそうです。誰かのブログで見かけたままに下記ソックスにしましたが普通に濡れるのでここはまあなんでもいいのかなと思います。より速乾性の素材のものが良いかも。

webshop.montbell.jp

タイツ・ハーフパンツ

タイツはワークマンの普通のタイツ、ハーフパンツもどっかのキャンプメーカーの普通のやつです。今回はハーフパンツが濡れる深さまでは入らずに済みましたが、それを想定するならより薄くて速乾性の高いものが良さそうです。

バックパック:モンベルアングラーパック25

胸ポケットが巨大なトレランザックという感じ。釣り竿とリールとフライに加えて上記沢靴とプロテクター、そして魚を持ち帰る後述のクーラーボックスがこれ一つに入ります。

webshop.montbell.jp

魚を持ち帰る:モンベル ロールアップクーラーバッグ3L

自転車釣りで一番問題になるのが釣った魚をどう持ち帰るか。バックパックに入るクーラーボックスがないかなと探していてドンピシャだったのがこれです。ここに自宅から保冷剤を詰め込んでおきます。30cm以下くらいの渓流魚なら10匹とかいかない限りは十分な大きさです。

webshop.montbell.jp

実際の自転車釣行図

ライド中の服装は自転車旅のときや無積雪期登山と全く同じ、ワークマンのタイツ+ハーフパンツにジオライン+Tシャツです。靴はモンベルのSPDシューズ、クロスバイカーを履いています。

www.mount-road.com

道具は面倒なので車載せず、上記装備を詰め込んだアングラーパックを背負って走ります。基本的に車載して快適さを重視する私ですが、こういう時はこだわらず背負っちゃうのが手軽で良いです。どうせ上記の装備では大した重量にもなりませんので、50~60km程度のライドなら特に負担もなく、輪行も非常に容易です。

いざ実践へ

この日は午前は仕事してたので行きは輪行で時間を稼ぐことにしました。立川から拝島まで自走、そして武蔵五日市駅まで輪行です。非常に自然豊かで心地の良い駅前です。関東の自転車乗りにおなじみ都民の森のスタート地点でもあります。

www.mount-road.com

</

武蔵五日市駅から養沢毛鉤専用釣場までは軽い登りで30分かからないくらい。冬場に通ったのでもはや見慣れた養沢の景色です。

今見えている事務所下は川を区切った釣り堀感がありますが、ここから遡行していくと普通の渓流になっていきます。↓の写真は昨年初冬、事務所下のエリアです。

まずは針が小さめのドライフライ(カゲロウなどを模した、水面に浮かせて流すフライ)を何投かしてみたところ幸先良くヒット!養沢は水がきれいなので魚がフライに向かって突撃して反転していく様が見えました!

練習のため通っていた冬場はウェットフライ(幼虫を模した、水に沈めるフライ)じゃないと全く反応なかったので夏が始まりつつあるのを感じました。

今日はウェットウェーディングスタイルの実践がメインなので行けるところまで釣り上がることに。一歩目から完全に浸水し靴の中に常に保水していましたが、心配していた寒さは全く感じませんでした。むしろ気持ちいいくらい。

子供の頃のウェーダーは水圧を強く受けて歩きづらかった覚えがありますが、めちゃくちゃ歩きやすかったです。

フライフィッシングはドライじゃなければ!みたいなコダワリは一切なければ技術もなく、釣れれば何でも良い私なので、最初の1匹以来アタリがなくなったところでウェットフライに変えました。

すると立て続けに2匹!周りの人はみんなドライでやっていたので、魚的には新鮮だったのかもしれません。

このウェットフライはダイソーの羊毛フェルトと鳥の羽で出来た猫じゃらし的なやつで巻いた自作のテキトーニンフフライですが、今のところめちゃくちゃ釣れます。

フライを自分で巻くなんて究極の趣味すぎる(引)と思ってたんですけどね、こだわらなければ難しくはないしそもそもフライフィッシングはマニアックな世界=割高なので、自作した方が圧倒的に安上がりです。買うと1つ100円以上しますが自作すると10円くらいですからね。

自然渓流を使ってるとはいえ管理釣り場…という認識がありましたが遡行してみて考えを改めました。子供の頃釣れてってもらってた道志川の上流とかと遜色のない、普通の渓流です。

しかし、そうは言っても管理釣り場なので魚影はめちゃくちゃ濃いです。半日投げてればボウズはまずないです。うーん、なんだか当面ここだけでも良い気がしてきましたw

釣りしながら上がっていくのでペースは遅く、17時半頃で遡行は終了し道路に上がって事務所まで戻りました。5時間近く釣り上がりしたものの、多めに見ても全体の1/3も歩けていない位置で終了しました。朝イチから入っても十分持て余しそうです。

今回わかったこと・感想など

ウェットウェーディング、手軽で動きやすくて素晴らしい!

まず一番はこれです!自転車に乗る格好以外に沢靴とプロテクターのみというシンプルさとコンパクトさが抜群に気に入りました。とりあえずでウエーダー買わなくてよかったです。なんならもう少し気温が上がったらプロテクターすらなくて良い気がします。すぐ乾くしなんなら別に乾かなくても良いし。

私が買った沢靴は登山靴ほどカチッとした靴ではなくある程度畳めるため、なんなく25Lのバックパックに収まります。よって、登山のときにも流用できそうです。

自転車×渓流釣りは天才的発想

渓流釣りなんて車が必須、そんなイメージがあるので自分の脚でアプローチできるというのがそれだけで高揚感を覚えます。テント泊で衣食住すべて背負って歩いているあの快感に近いです。

川の上流にアプローチということは帰りは概ね下って帰れるんですよね。今日楽しかったなぁなんて思い返しながら。その感覚が体育のプールの次の時間に教室で授業を受けている時の心地よさに似ていました。私見ですが。

特に養沢から立川までは下りと平坦しかないので帰路はむしろ自走の方が早いくらいです。

シンプルに沢登りがめちゃくちゃ楽しい

これは新たな発見でした!滝登りをしたり全身濡れるような遡行ではないので沢登りなんて言って良いのか分かりませんが、普通ならここは行けないねという道を気にせず進んでいく楽しさ冒険感が非常に強い遊びでした。

むしろ後半はただただ川の中を歩くのを楽しんでいるだけの時間だった気がします。ああ、また新たな山の扉を開いてしまいましたね。眺望がなくても楽しめる山のカタチなんて最高じゃないですか。

私はたまたまフライフィッシングというマニアック釣りを選びましたが、テンカラ釣りやルアー(養沢はルアーは使えませんけども)でも釣具自体の体積や重量は大して変わらないので応用できると思います。

これは山と自転車と釣りが複合した新たな遊びだ!