山と自転車

登山や自転車をはじめとした多趣味ブログ

女神に会える秘境の百名山!雨飾山日帰り登山2025.07.05

こんにちは、転職に伴い7月から湘南に移住した上社でございます。

この度、名前が素敵でずっとずっと登ってみたかった雨飾山に登ってきました!長野というかほぼ新潟もはや日本海に位置する関係でなかなか一人で行く気にはならず、仲間たちもあまり食指を伸ばしてくれなかった雨飾山ですが、安曇野で働く後輩のおかげでついに夢が叶いました。

雨飾山

この素敵な名前の雨飾山は新潟県と長野県の県境に位置する日本百名山の一座です。標高1963m。名前の由来は雨乞い祈願の山という説やいつも雨に見舞われる山だからという説、様々な説がありますが、日本海側の山という気候からは後者の方がしっくりくる気がします。

いずれにせよ雨を飾る、雨に飾られる山、なんと趣のある風流な名前でしょうか。

しかし、遠すぎィ!

雨飾高原キャンプ場ルート・コースデータ

おそらく最もメジャーなルートである長野県小谷村の雨飾高原キャンプ場を登山口とするピストンルートで登ってきました。このルートでは獲得標高約1000mで標準CT6時間と日帰り登山としては非常にちょうどいい塩梅です。

このキャンプ場はこれほど山奥の秘境に位置しながらきれいな水洗トイレがあるどころかウォシュレット付き、さあにシャワーもあるとあってキャンプと組み合わせるのが最も幸せな気がします。我々もキャンプ前泊をするつもりでしたが前日朝の予報で急遽ズラしました。

というわけで仕事終わりに松本行くから迎え来てちょ

かしこまりました。お迎えに上がります

すまん、仕事長引いて一本遅い電車になった

あずさが小動物を引いて40分遅れになった…

お気になさらず!

相棒は学生時代から礼儀正しく仕えてくれる系後輩のKY氏。前日23時過ぎに彼の安曇野の自宅に泊めてもらい、翌朝5時に出発しました。関東から見ると気が遠くなる最奥の地ですが、安曇野からは登山口まで約2時間なので一般的な登山の感覚になってしまいます。長野住み最強すぎか?

雨飾山 山行記録

雨飾高原キャンプ場

ポツンと一軒家でしか見ないような道幅の山道をうねうね走り続け、これぞ日本の原風景だと心のふるさとに思いを馳せていると、降ってきたんですよね、雨が。

は 

さすが雨飾山ですね…

こうならないために日ズラしたんだが?

小動物の犠牲も…

ゴミ捨て以上に出歩くなら傘さすレベルの結構絶望的な雨に降られる朝6時40分。しかしながら師匠イチオシのWindyによれば30分後には雨が止むらしかったので、雨が止むまで車内で待とうという名目で束の間の仮眠をもらいました。新居づくりと新職場の慣れない疲れで最近いつでもどこでも寝られるのび太くん状態な私です。

すると…

お、止んだ…?空も明るい…

この会話、日光白根でしましたねw

こちらは雨飾高原キャンプ場受付。この空の感じ、逆転の目は望み薄ながら雨はなんとか…というイマイチテンションが上りきらないこの感じでのスタートでした。

とはいえ到着直後の絶望からすればなんとか最低ラインの”雨が降っていない”状態になっただけでも感謝すべきです。我々は山に入らせてもらっているのです。

密林?

スタート直後は植物のこの茂り具合。久々に登山道が大自然に侵食されている道を歩きました。夏の始まり、雨上がりとあって植物が生き生きしている感じがしました。

木道!

続いては尾瀬を思わせる湿地帯と木道。こちらも人為的に整備された道が自然に取り込まれている感じで、SF的な美しさを覚えました。

むせ返るような植物のにおい、視界を埋め尽くす緑。最近ちょっと色々あって心が参っていたのですが吹き飛ばされました。ああ、俺、生きてる!!!!!

全部は撮っていませんがこのように距離の目安を示す看板がところどころに立っています。比較的短い登山道の割に親切な印象です。

こういう景色、本当に心が踊ります。

あ、青空だ!

これは日光白根よりイケそうですね!!

雪渓

そして本当に段々と雲の切れ間が広がっていき

概ね中間地点の雪渓に出る頃にはさすがに優勝の予感がしてきました。これが晴れ間のピークだったときもあれば優勝の前兆だったこともあるのでまだ油断はできませんが、なんとなくいける感じがします…!

夏の雪渓は白馬岳に始まり鳥海山劔岳…かなり久々です。さすが天然のクーラーだけあってめちゃくちゃ心地よく冷やしてくれました。

山頂手前の急登

そしてこの雨飾山、雪渓を越えたあたりからが上りの本番です。距離はそれほど長くありませんが、合戦尾根くらいの傾斜でしょうか。

そして森林限界を超え、ようやく視界が広がってきました!

今日拝めるとは思わなかった、本当の青空がここに!

ここ雨飾山は噴出した溶岩が固まってできた山で、周りの山々もごつごつした山容が目立ちました。

外界の方まで視界が晴れて、スタート地点が見えるようになりました(写真中央)

こうして山の上からスタート地点を見て、こんなに遠く高いところまで来たんだって思うの、良いですよね。登ってきたとき広がる世界は小さいほど気持ちいい

女神の稜線

ここまで来てようやく山頂が見えました。つまり今立っているここは例の女神の横顔の道ということです。

相棒もこの喜びよう

合戦尾根よろしくの急登を終え女神の稜線に出て、最後の最後で頂上直下の登りが待っています。だいたい20分くらいでしょうか。

雨飾山山頂と女神の横顔

大逆転優勝!!!!!

そしてこれが、かの有名な女神の横顔稜線です!

鼻が高く首元がシュッとしていて美しい美人系の横顔ですね。

横顔に見惚れる相棒

そして私

西の方角には雪渓をまとった高山が見えていました。

拡大すると白山のような山容。地図で見るとおそらく朝日岳のようです。

相棒の健脚に引っ張られ2時間強で登頂したので食事を摂りつつかなり長時間山頂に滞在しました。40分ほど。

すると次第に昇り龍が如く上昇気流に伴って雲が発生してきました。これぞ愛する夏山の風景です。

花と女神

こちらは中間地点に相当する雪渓エリア。こうしてみるとこの短距離で一気に高度を稼いだことがわかります。

帰路では女神の鼻の形がよく分かりました。今彼が居るのは口元あたりでしょうか。

ずいぶんと晴れたので帰りは雪渓から山頂がよく見えました。なかなかの絶望感です。

晴れてきたからかさらに緑が生き生きして見えました。

脇の小川を何の気なしに眺めていると…

なんとイワナが!この距離で拝めることはなかなかありません!

よく見つけましたね

一応釣り人だからね

そういえば自分は半分山梨の人なのであれっ?と思ったのですが、このあたりでは寄って”かし”というらしいですね。

下山後…

本日は登山に加えて松本の厨十兵衛に行くというのが楽しみの49%を占めておりました。4月のAACRで松本に来た際、せっかく十兵衛のために電車を遅らせていたのに臨時休業で訳の分からない店で飲む羽目になってしまったリベンジです。

そば茶屋 松花

とはいえ下山が早い上に超空腹だったので、後輩おすすめのデカ山賊焼きのお店にやってきました。

松本から上高地線を数キロ行ったところ、たぶん山ヤはまず見たことがあるんじゃないかというこの字面のお店、巨大山賊焼きが食べられるらしいです。

ということで山賊焼き定食(1750円)です。ご飯(並盛)、そば(0.8人前という感じ)にクソデカ山賊焼きのセットです。ちなみによく見ると分かるんですが山賊焼きは2枚重なっている感じなんですよね。間違えて盛っちゃったのかな?

厨十兵衛

これまで散々記事で書いたのと「勝手に写真撮影したらこっちも勝手に1000円取るぞ」という張り紙があったので日和って写真撮影はしませんでした。(以前から断りを入れると快諾していただけるのでひとこと言えば問題ないと思いますが)

松本には行きたいお店マークが大量に付いているんですが、何度来てもやっぱりここに入りたくなってしまうんですよね。今回はなぜかどれほど飲んでも全然酔いが回らなかったので、ほぼ日本酒しか頼んでいないにも関わらず過去最高金額をマークしました。

雨飾山の感想

めちゃくちゃ遠いけれどそれに見合う価値はあります!できればキャンプとセットでぜひ登ってね!

おしまい