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「命をかけて君のものになる」
何の作品かすぐに分かる人はきっと私と同じ世代、世間から虐げられていた頃からのオタクです。当時の電撃文庫の代表作の一つ、伊勢が舞台の「半分の月がのぼる空」という名作からの引用です。伊勢といえば半月。半月といえば伊勢。ずっと訪ねてみたいと思いつつ機会がなかった伊勢の町を訪ねてきたので記憶新しいうちに書きました。
気づけば高校以来16年目になる付き合いのフリー素材ニキとの二人旅。同じ自転車乗りとして絶対にブロンプトンを持っておいた方がいいと説得し続けていましたが、その甲斐あってようやく購入したというのでお披露目も兼ねて今回の旅が生まれました。
1日目 半月と伊勢神宮参拝とおかげ横丁と

集合場所は伊勢市駅。関東からのアクセスは名古屋駅で近鉄に乗り換えて1本と比較的良好です。新横浜から3時間半くらいの道のりでした。
ニキのブロンプトン

ニキの納車したてのピカピカブロンプトン、C lineのLowハンドルリアキャリアなし外装4段変速モデルです。このレーシンググリーンはブロンプトンの伝統的なカラーですが、2026年モデルから史上初めて廃盤になるそうです。
現在のブロンプトンのラインナップ
情報アップデートも兼ねて調べたのでついでに書いときます。
現行モデルはフレームの素材によってC line(スチール), P line(一部チタン), T line(チタン)、G line※があり、詳細な仕様はLowハンドル(従来のSハンドル)とMiddle(従来のMハンドルに近い)、リアキャリアの有無、変速が4段(外装4段)と12段(内装3段✕外装4段)という展開です。(※G lineはかなりゴツくなったグラベル仕様で上記3モデルとは完全に別物)
私の2✕3の6速モデルの時代と比較するとクランクやシートポストがブラックパーツになっているのも特徴です。T lineとG lineの試乗記でも書きましたが、ブロンプトンはスポーツサイクル路線に舵を切っており、今後は外装変速・多段化が進むと見込まれています。
しんみち商店街
脱線しました。伊勢市駅からすぐのしんみち商店街。

ここは半月に登場するアーケード街のモデルです。地方のシャッター街化した商店街は寂しさを感じますね…。

伊勢図書館

ここはほぼそのままの姿で登場します。裕一が里香にパシられる図書館ですね。アニメのカットと合わせるなら道路の反対側から撮影します。
宇治山田高等学校

30過ぎの身からすると毎日この坂はしんどいなと思うくらいの丘の上に立っています。里香をこっそり学校に連れてきてあげる名シーンです。眼下のグラウンドでは野球部が活動していて、モロ不審者な我々なので30秒ほどの滞在で切り上げました。日曜だから許してもらいたい。
伊勢神宮外宮




伊勢神宮参拝も初めてなんですが、ドドーンと一箇所巨大な神社があるというイメージと異なり広大な範囲に社がいくつも点在しているようです。どこにどの神様が祀られているのか、そもそもどんな神様なのか…等々、教養があったらより面白いんだろうな。
そういえば今回はいつものアウトドア用のカメラOM-D E1mk2dではなくNikon Zfと最近買ったばかりの大三元24-70mmf2.8Ⅱを持ってきました。Zf買った時は単焦点レンズだけで運用しますとか言ってましたが見事に沼落ちですね。ま、予想通り。
ニキを撮るには勿体ないスーパーハイエンドレンズですが、今回の記事の写真は是非その色味や背景のボケ具合なんかに注目して御覧ください。
まんぷく食堂
伊勢神宮外宮から内宮、駅で言うと伊勢市駅から五十鈴川駅方面に移動する途中、半月聖地巡礼として一番行きたかったまんぷく食堂です!



団地の中の商店街のような一角にそれはありました。おそらく徐々に拡張したのでしょう、複数のテナントに座席が展開されていたので回転が早くお昼時でしたがさほど待つことなく席に付けました。

橋本先生のサインはなんと20年前の日付。さすがに価格は改定していましたがそれでも十分安価です。


通された席は映画のセットのようなこちら。こういうシーンで広角24mmあると便利ですね、もう早くも単焦点運用に戻れない気がしてきました。


これがからあげ丼だ!残念なことにアニメ版では全く登場しませんが原作内では何度も登場する半月メシです。そのボリュームの恐ろしさが詳細に語られますが実物は普通のサイズでした。こっちの方は味噌汁といえば赤味噌なんですね。大好きです私。

ただのからあげ卵とじ…と思いきやこれがなかなか、何か独自の味付けに胡椒が効いていてさいっっこうに美味かったです。いやー本当に美味かった。


内宮に向かって移動します。外宮と内宮は約4km離れていますが駐車場渋滞が酷いのでやはり自転車が最強です。この道中にも参拝場所が点在しています。
月読宮

「月読ってカッコいい名前だ」というミーハー丸出しの理由で参拝に寄りました。


伊勢神宮内宮


教養がなくてもこういう場所で厳かな空気を感じたり気が引き締まる思いを抱いたりするのは日本人の血なのでしょうか。そういえば東京の寺社仏閣に比べて日本人の比率が高いように思います。


おかげ横丁




今回一番良かったのがおかげ横丁。日曜なのですんげえ混雑でしたがたいへん良かった。


なぜなら酒造直営店が点在しており至るところでこんなうんめえ酒を1合で1000円いくかどうかくらいで飲み歩けるからです。もう自転車旅初日はこれで終わった。

三重の代表銘柄の作も数種類飲みましたが一番印象強く残ったのはこちら、おかげさまのしぼりたて生原酒。これうま〜〜



あ〜



ああ〜
2日目 砲台山と志摩パールロード

2日目は砲台山を登ったあと、自走して鳥羽・志摩パールロードを目指します。
COFFEE ホットライン

伊勢市駅近く、救急隊から入電が来そうなこちらのお店で食事です。


昔ながらの喫茶店。この辺ではモーニングをやっているお店はそれほど多くないので貴重です。「モーニング…じゃないんかい、時間掛かるかもしれんけどええか?」「パスタ?そんなもんどこでも食えるやろ。ええの?」と気さくなおっちゃんでした。
砲台山
原作アニメともに最重要スポットである砲台山こと虎尾山。Googleマップで調べても出てきますがまず入口が分かりません。たどり着くためには「伊勢岡本ヒルズ公園」を目的地に設定します。

ここが岡本ヒルズ公園。公園と言っても忘れられたようなベンチがいくつかあるだけですが、このどう見ても入れなさそうなフェンスが入口になっています。鍵はかかっていません。

狭くて険しい登山道です。距離は短いのでスニーカーであれば十分。



5分くらいで階段が出てきます。



記念碑の裏には衣装ケースに入った半月ノート。記念に私もコメントを書いてきました。

裕一が大病を患う里香をこっそり連れ出して、里香はここである決意をする…という極めて重要な場所ですがまさか野郎と来ることになるなんて。16年前の私が知ったら未来に絶望して引き籠る可能性まである。
実際に砲台跡地ではあるようですが劇中とはかなり雰囲気が異なり眺望はありません。おそらく半分の月が昇っていても見えないくらいでしょう。


伊勢の町。どことなく見覚えがある気がするのは今回の旅に際してアニメ半月を再履修したからでしょうか。
夫婦岩
青看板に従い鳥羽方面に向かう途中にある夫婦岩。






なぜカエルなのか。これはもう少し歩みを進めると判明します。

そしてこちらが夫婦岩。磯釣り人としては水深こそ浅いけど魚が居着いてそうな良い根だな…という感想しかございません。



夫婦岩を過ぎると伊勢志摩国立公園に入ります。
鳥羽駅




駅前の道の駅的な鳥羽マルシェで昼食を摂ります。手こね寿司。Googleマップの口コミで1800円でビュッフェランチが楽しめると見かけたので来てみましたが、2025年末頃で終了してしまったようです。
パールロード

ここまではほぼ平坦でいよいよパールロードに入ります。展望台まで7km326mアップ、地図上ではちょうど良さそうな海沿いの道ですが正直に言って期待外れと言わざるを得ませんでした。

ところどころ景色が開けて高台から海が望めますが


基本はずっとこんな感じの眺望に乏しい道です。道中に牡蠣小屋がたくさんあるので好きな人はここで昼食を摂るプランを組むと良いです。


鳥羽展望台

仮にも自転車ブロガーを装っている身でありながら、昨年11月くらいを最後に通勤以外で自転車に一切乗っていませんでしたので久々にガッツリ走った感じでした。寒さに抗うすべを試行錯誤した結果寒さには抗わないことにしたのですが、乗ったら乗ったで楽しいもんです。




最近は釣りで狂ったように真鶴半島を訪れている私ですが、どことなく雰囲気が似ているように感じます。海はいいですよね、自転車の醍醐味は海沿いを走ることだと思います。

自転車に乗ってない関係で本当に久々のソフトクリームです。登山後の焼き肉が至高であるように、自転車乗りにはソフトクリームです。

来た道を戻るのはしんどそうなので、パールロードをさらに進み近鉄の松尾という駅から電車で戻るプランにしました。展望台から先はもう少し景色が良くなりました。


無人駅の松尾駅。なんとこの見た目でSuicaどころかクレジットカード乗車も可能という驚き。近鉄は時間と車両によってはサイクルトレインになっていてそのまま乗れるのですが、その辺の詳細は自分でしっかり調べないと分かりません。
ここに限りませんがサイクルトレインって時間や区間がきっちり決まっているどころか予約制のものすらあったりして、我々が求めてる「出先で思いつきで輪行する」のにはほとんど役に立たないんですよね。



最後はおかげ横丁最寄りの五十鈴川駅で下車しておみやげの日本酒を調達して締めくくりました。

昨年末の大山登山&出雲大社と同じく1泊2日のコンパクトな旅でした。あっという間のようで密度が濃い分意外にも満足度は高め。年に一度長旅をするよりも頻繁にこのくらいの旅に出るのが気負わず計画疲れもなく良い塩梅なのかもしれません。
