完走するだけがしまなみ海道ではない
やたらと仕事に時間を取られたり、こどもの出産予定日が近づく家庭状況から忙しくなり、時間を作る天才を自称する私でもついに遊びに行く頻度が落ちてきている今日この頃。ふと3連休に大きな予定がなく一応仕事も休みっちゃ休みということに気が付いたので、急遽現実から逃げるように1泊2日だけですがしまなみ海道へ行ってきました。
大三島に泊まって2日目は瀬戸田から船で尾道まで戻りまた別の地へ。走り抜けるだけがしまなみの楽しみ方じゃない、のんびり島で過ごすだけでも幸せになれる。 pic.twitter.com/nestrVznJM
— かみやしろ@山と自転車のひと (@kamiyashiro_i) March 21, 2026
もう何度も行っているので必ずしも完走する必要はないなと思い、島に滞在することを目的として、自転車はあくまで移動手段として釣りをしながらゆるーい旅にしました。
プラン
私の住む湘南エリアは新幹線へのアクセスが良いので早朝の電車であれば10時半くらいには尾道に着けますが、前日仕事終わりに出て前泊を挟むことにしました。
day0 新横浜→福山(前泊)
day1 福山→尾道→しまなみ海道→大三島(1泊)
day2 大三島→生口島→尾道(フェリー)→帰宅
福山で普通に起きて出発するとしまなみのスタート時間は結局同じくらいになるんですが、朝に余裕が持てるという大きな利点があります。特に福山は連休でも5千円以内で泊まれる場所が複数あるのは以前調査済み。
しまなみの滞在期間は1泊2日なことに変わりはありませんが、家を出た瞬間からが旅。トータルの旅の時間が長く取れるなら前泊の数千円には十分価値があります。
day0 福山前泊
新横浜から1本で来られて尾道までも近い福山。新幹線駅なので日中見ると想像より大きな駅ですが前述の通りハイシーズンの駅近でも安く泊まれるビジネスホテルが多いです。また駅から少し外れれば飲み屋街もあるので、理想的には仕事を早上がりして夕食くらいの時間に着けるとベスト。

今回の前泊安宿シリーズは福山駅からだいぶ離れた(自転車ありきなら現実的な距離)のグリーンホテルという宿。3階の部屋でエレベーターがないことを理由に割安になっているプランでした。

質の良い当直室という感じ。3800円にしてユニットバス付きなので十分です。自宅を出てはるばる4時間半の道のりでした。
day1 大三島ステイ

現地で旅のパートナー、最近ブロンプトンを購入した友人HT氏と合流します。

これまでGWや春休み、夏休みシーズンといったハイシーズンにも何度か訪れていますが今回はダントツに人が多くて向島への渡船の列がバス停にまで及んでいました。ピチピチジャージのガチローディの割合は極めて少なく、レンタサイクルの人が圧倒的に多かったです。

ブルーライン始点!じーんとしますね、約1年ぶり。



今年は冬の残滓がしつこい年で、一度暖かくなったと思ったらすぐにまた冷え込むという気候変化を繰り返していましたがようやっと春になりました。

ペダルを回すごとに心に溜まった澱が流れ出ていくような感覚でした。


因島のこの公園、なにげにいつも通り過ぎるだけだったので寄ってみました。

はっさくんとともに。ポルノグラフィティのお二人の出身地ということで過去にはこの公園で地元凱旋ライブが行われたとか。すごすぎる。


今年の冬は仕事も忙しかった上、隙間を縫って行っていた釣りでも討ち死に続きであまり良い思い出がありませんでした。しまなみの菜の花と桜がそんな灰色の季節を一気に上書きしてくれました。

しまなみに来る度に欠かさず立ち寄って食べるはっさく大福。皮の甘さとスッキリしつつジューシーなはっさくが極上のマリアージュを呈します。

今回はカフェオレ大福なるものもいただきました。ハンドメイド雪見だいふくって感じで素晴らしかったです。

新車を買ったら連れてくる場所大山神社。

彼も購入したばかりのブロンプトンを連れてきてようやく入魂です。余談ですが帰り際に小型2輪のモンキー125というバイクが停めてあって一目惚れしました。小型2輪って自転車と同じルート走れるので釣り×しまなみには相性良さそうですね。


次第に青空が広がって私の心はますます浄化されるのでした。瀬戸内海のこの青が見たくて来てますからね。
大山神社の帰り道に釣具屋に寄ってアオイソメなど釣りエサを購入しました。道中はそこら中にクロダイが泳いでいるのが見えて、気持ち的にはもう走るのはええから釣りがしたい。その一心でした。


生口島の岡哲商店は数年前にブロンプトンを購入した両親を連れてきた時以来寄ったことがありませんでした。さすがに無補給で走ってきたので小休止。

ここは確実に寄ったほうが良いですね。どう考えてもうますぎますもの。

そして昼食はいつものしまなみロマン。来る度にお店の子どもが成長していてもう高校生くらいでしょうか。可愛らしい小学生が接客してくれたのが懐かしい。
ところで私の頭ではしまなみロマンは生口島に入ってすぐと記録されてしまっているのですが、生口島ってなにげに15kmくらいあるので結構走らないと着きません。あといつも必ず向かい風に遭うよなぁなんて話しながら漕いでいましたが、やはり偶然ではないようです。
こちらの記事によればしまなみ海道エリアは基本は東からの弱い風が吹いていることが多いものの、強風時の風向は殆どが南西風なんだそうです。つまり尾道スタートでは「うっすら追い風〜風を感じない(非強風時)」もしくは「酷い向かい風(強風時)」になります。

ラストは多々羅大橋をわたり、大三島の西側まで行ってゴールです。
ゲストハウスOHANA

さすがの3連休ということで空いている宿がほとんどなく、何とか予約できたのがこちらのゲストハウスです。

4人まで同一料金のドミトリーを2人で貸し切りました。ゲストハウスは一期一会の出会いだとか国を超えた交流を楽しむのが本来の楽しみ方なのかもしれませんが、そういうバイタリティは持ち合わせておりませんゆえ貸し切りです。


こちらが本日の寝床。普通に考えてこの部屋で知らん人と寝るのはきつすぎませんかね。セキュリティ的にも心配なので私はここはお金で解決します。
島で過ごす


その後は近くの漁港に行って釣りをしたり(アタリもなく魚が居る気配なし)




大三島ブリュワリーで幻のビールを飲んだりして過ごしました。

近隣にだいぶ年配のおばあちゃんが1人で営んでいるお好み焼き屋があったので夜ごはんはこちらで。あとは海水風呂に入れる入浴施設が1kmほど離れたところにあったり、500mくらいの距離にコンビニがあったりするので意外と何にも不自由しませんでした。大三島は東のしまなみ海道側も今回泊まった西の大山祗神社側も結構栄えているので、島泊としてはベストな場所です。ちょうどしまなみ海道の中間地点くらいになります。


食後はコンビニでアテを買い出し、共用スペースで飲み会です。ペットボトル詰めのビールは先程大三島ブリュワリーでテイクアウトしたIPAです。嬉しいサービス。
day2 釣りと観光
もう初日で走ること自体には満足してしまったので2日目は釣りを中心に動きます。生口島まで自走してフェリーで尾道に戻るプランです。自走する時間があるなら他に充てたいと考えていたところ、生口島から尾道への航路を見つけたのが突破口になりました。
大山祗神社

旅先では早朝行動に限ります。その方が心理的に一日が長く感じられるし旅の自由度も増します。あといくらメジャーな観光地でも早朝は空いているものです。

ここ大山祗神社は山の神、海の神、戦いの神を祀る格式高い神社です。戦国武将が武具を奉納したり、船に関わる人々が航海の安全を祈願しに来たりするそうです。そんなに人でごった返すような場所ではありませんが、早朝は貸し切り状態でした。


樹齢2600年とされる神木。



しかし朝の神社というところは清々しい気持ちになりますね。日本人の心の琴線に触れる感覚です。訪日外国人には日本のこういうところを大事にしていただきたいところ。

大山祗神社で見たこの印。見覚えがあると思ったら因島の大山神社で売っているシールと同じではありませんか。愛車全てに貼っていながら何のマークなのか知りませんでしたが、どうやらここ大山祗神社の社紋だそうです。

ちなみに大山祗神社と大山神社の関係をPerplexityに聞いてみました。つまりは将軍と武将みたいな関係ってことですかね〜

朝コーヒーはコンビニでは味気ないので帰路の途中にあったBLUE ROSE COFFEEというお店に立ち寄りました。


ドーナツとコーヒーで余裕で1000円を超えるのは物価高の現代だからか観光地価格なのか。まあいずれにせよこの景色もセットなら許せましょう。
釣り!

大三島の釣具屋で餌を購入し、店主に聞いたおすすめの釣り場がここ井口港です。

多々羅大橋を正面に臨むめちゃくちゃロケーションの良い釣り場です。ここはかなり水深がありボトム近くでアタリが連発しました。一度だけ明らかにこの竿では抜ききれないくらいのデカい何かがヒットしました。1号ハリスでしたが結び目ができていたのをまあとりあえずいいかとしてしまったのが敗因です。負けに偶然なしと言いますが、釣りで大物をバラす時ってほぼ何かしら心当たりがあるんですよね、いつもより結びの巻数が1回少なかったとか若干ハリスが擦れていたような気がしたな、とか…。

2時間ほど釣りに興じて唯一の釣果はやはりこの子でした。

針を外そうとしたら怒ってまんまるになってたいへん可愛らしかったです。クサフグとしては大物でした。

13時過ぎのフェリーを逃すと次まで長いのでちょっと急いで生口島を目指します。前泊マジックを使ったとはいえ実質的には1泊2日なのであっという間ですね。優雅な島旅には丸3日は必要です。


生口島の瀬戸田港からフェリーに乗ります。驚くべきことにここは自転車を輪行形態にしても持ち込み料金がかかります。「自転車は輪行形態にすることでスーツケースなどと同じ扱いになるから持ち込み料金が節約できるのだ」というのはどうやら例外があるようです。小豆島や直島女木島男木島はもちろん、あとは北海道の利尻・礼文島あたりのフェリーですら通用したのに…令和のオイルショックが影響しているのでしょうか。



尾道までは1時間ほどの船旅で、途中小さな島を経由します。ブロンプトンならともかくロードバイクなら時間的には自走してもあまり変わらないと思います。
らーめんベッチャー



尾道ラーメンの中でも有名店だというこちらで昼食。最後は尾道観光です。



日中の尾道商店街を散策したのは2022年頃が最後ですが、当時の記憶と比べるとずいぶんと活気がありました。明らかに人が増え見覚えのないお店も目立ちました。歩けないほど人が多いのは困りますが地方の商店街が賑わっているのはなぜだか幸せな気持ちになります。


急遽思い立って仕事の隙間を縫うように計画した、弾丸とも呼ぶべきあっという間の2日間でしたが精神の健康に非常に良く効きました。自転車は常に全身で風と空気感を味わうことができるので、移動効率を考えなくて良いゆったりした旅には一番良い相棒です。
完走しない計画は初めてのことでしたが欲しいところだけ味わう感じでとても良かったです。せっかく航路が複数あるエリアなので自走にこだわらず活用していきたいところ。何度も行っていて「しまなみ海道を走り切ること」にこだわる必要がなければ走り以外に重きを置いたこんな旅も気張らず良いものです。