山と自転車

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【レビュー】CYCPLUS AS2 Pro 液晶表示と空気圧設定ができる最強の携帯電動ポンプを手に入れた!

久々に革新的なすげープロダクトを買ってしまいました。クラウドファンディングスタートで2023年に発売され、自転車界隈で大いに話題になった携帯サイズの電動ポンプ、CYCPLUS CUBEの上位機種です。

いやー、これは凄い、凄すぎました。結論を先に言っておくと2024年序盤にして今年買って良かったものNo.1になる可能性が非常に高いです。携帯ポンプとしてはもちろん自宅の据え置き用のフロアポンプもさよならしようという勢いなうです。

 

私がロングライド・自転車旅に携帯する道具選択には紆余曲折ありまして…

①一般的な小型フロアポンプ→高圧まで入れられないため実用性が低い

②CO2ボンベ→失敗のリスクとコスト問題。ボンベ複数本持つと嵩張る問題

③例のポンプ→①と異なり実用性高い、②と異なり使用回数無制限

 

とひとまずは例のポンプことローディTTに落ち着いていたわけですが、上記すべてにおける完全上位互換、かつ自宅用フロアポンプも不要になるハイテク機材が今回紹介するAS2 PROでした。

CYCPLUS AS2 PROレビュー

AS2 PROに関してはまだレビューブログが多くないので開封の儀から。

外観・付属品

外箱は初代CYCPLUS CUBEと同様のデザインです。

箱の中身は

・CYCPLUS AS2 PRO本体+シリコンケース

・防水袋

・延長バルブ、アダプター類

・取扱説明書

となっています。シリコンケースはあらかじめ装着された状態でした。CUBEではオプションとして別売されていた"お助けチューブ”が付属するようになったほか、アダプターにより英、仏、米式各種バルブに対応するのはもちろん、サッカーボールやバスケットボールに使えるアダプターも含まれていました。

スペック

販売代理店のワールドサイクルより公称値です。

重量:120g(本体のみ)、140g(シリコンケース込み)

サイズ:70×49×28mm(本体のみ)、73×49×30mm(シリコンケース込み)

バッテリー:420mAh 7.4V

最大空気圧:120psi(約8.3bar)

バッテリー持ち:700c、28cで0-5.5barまで60秒、5本まで使用可能

充電時間:30分

充電端子:USB-C

 

USB-C採用はもちろん、最大8.3barと以前の23cタイヤの高圧時代でも対応可能なスペックですが、昨今の太く低圧なタイヤに対しては十分過ぎるほどです。充電時間も短くモバイルバッテリーで復活させられるためまさに自転車旅向けです。

本体レビュー

本体+シリコンケース。使用時には本体が熱くなるのでシリコンケース装着が推奨されています。

バルブ接続部。このまま直接バルブに差し込めるようになっています。付属の延長ホースを装着することで通常の金属バルブのみならずTPUの樹脂バルブにも使用可能になります。

初代からの最大の進化点にして私が購入を決めたポイントです。空気圧やバッテリー残量が表示される液晶が搭載されました!さらに本体のバッテリー容量も300mAh→420mAhと大幅アップし連続使用回数が増え、実用性がさらに向上しました。初代CYCPLUS CUBEは「小型電動ポンプは確かに凄いけど1万円もするポンプで空気圧が分からないのはいかがなものだろうか」と躊躇っていたので、これでもう買わない理由が完全になくなったという感じです。

サイクリストに一番馴染みのあるサイクルコンピュータとサイズ比較してみます。私のサイコンはガチレース<<<ロングライド、ホビーライダー向けのルート表示に注力されたモデル、GARMINのEdge Explore2です。大きさとしてはEdge 540と概ね同じくらいです。

比較するとCYCPLUS AS2 PROの方が厚みがありますが、ひと回り〜ふた周りほどコンパクトです(公称70×40×28mm)。

実際に使ってみて

操作が簡単

側面には電源と数値設定のプラスマイナスの3つのボタンがあり、電源ボタン長押しでオンオフ、空気圧設定をしたら電源ボタンを押すと空気入れ開始。と非常に直感的です。写真ではpsi表示ですが、プラスマイナスボタン同時押しでbar表示に切り替えることも可能です。

空気入れが超ラク!

ひとまず家で本体そのままの状態、そして延長ホースを用いて試運転しました。私のタイヤはGP5000, 700c, 28cで空気圧はいつも6.0barにしています。bar表示の場合空気圧は0.5barずつ設定できるので6.0barに設定し、出先のパンクを想定して空気をすべて抜いて膨らませてみました。

感動。感動の一言です。一度ボタンを押したらあとは勝手に膨らませてくれます。しかもリアルタイムに空気圧が表示されるので進捗具合もひと目で分かります。買う前は「ボタンを押しておくだけで膨らませてくれるのか〜」なんて寝ぼけたことを考えていましたが、当然膨らませる間ボタンを押しっぱなしにする必要などありません。装着してスイッチを押したら後は機械に任せて工具の片付けをしていれば良いのです。

ちなみに完全パンク状態→6.0barまでかかった時間は50秒ほどで、公称と同じかやや速いくらいです。家用のフロアポンプで手動で入れるのに及びませんが、体感的には速くも遅くもない、実用上問題にならない速度だと思います。

バッテリー持ちは十分

液晶にはバッテリーが3段階で表示されています。公称ではフル充電の状態で0→5.5barまでのポンピングを5回できるそうで、実際前後2本を膨らませたら(0→6.0bar)バッテリーが3から2になりました。ここも公称通りかもう0.5回分くらい余分にできそうです。

CO2ボンベ派からするとフル充電でライドに出かければボンベ5本分に相当するのでこれ一つでまず問題ないでしょう。夜に宿で充電すればまた5本に復活するし、最悪モバイルバッテリーがあればその場で復活させることもできる、これは相当とんでもないことです。ロングライドや自転車旅をする人なら分かるはず、この凄さ。私もこれまでロングライドの3回に1回はパンクに見舞われてきたので「あのときこれがあればボンベ分のフロントバッグのスペースが空いて代わりに諦めたあれが入れられたなぁ」という具体的な回想ができます。

音は結構うるさい

基本は外で使用する&室内でもまず日中に使用するため、私は音に関してはどんなにうるさくても構わないと思っています。が、やはり結構うるさいと思います。音量自体は掃除機くらいだと思いますが、掃除機の音より音圧があるというか野太いというか、少なくとも集合住宅では夜間に使用するのは非常にためらわれます。掃除機の「ブオー」に対してこちらは「ブイーン」という感じ。あれだ、音質は電マとかのそれに近いです。

とはいえ屋外で使用する分には何の問題も無いと思います。夜に空気を入れる習慣さえなければ自宅内での据え置きポンプと置き換え可能です。

ツールケースに入る

私は普段、パンク修理キットその他の工具はツールケースで運用しています。使用しているのはGORIXの全長22.5cmの標準的なサイズのツールケースです。

ポンプ本体と延長ホースを入れてみます。

ご覧の通り、極めて自然に収まりました延長ホースどころか付属するアダプター類すべて入れられそうな勢い。この状態で携帯ツールに新品のチューブ1本、あとパンク修理パッチが入っているので万全な装備です。ちなみに右側にあるのは例のポンプの代表格、ローディTTです。あまり意味はありませんが工夫すればローディTTも入りそうな勢いです。

おまけ 君は適切な空気圧を知っているか?

私が初めてロードバイクに乗り始めた頃は21~23cの細いタイヤ&8bar以上の高圧が当たり前でした。高圧タイヤが舗装路の上を転がる「コォー」という音に特別感を感じていた名残で、今だにタイヤの太さの割にはちょっと多めに空気を入れたくなったりしますが、現代の適切な空気圧は思っているよりずっと低いです。

ざっくり言うと転がり抵抗が多少増えたとしてもイコール遅くなるとは限らず、低圧による振動吸収性の向上、路面への追従性の向上によりかえって速くなる、というような話みたいです。今思えば23c, 8.3barで乗っていた頃は舗装路でもやたらガタガタ振動を拾っていたし、振動がなく快適に走れる路面は真新しい舗装路とか白線の上とかに限られていた気がします。あとちょっとした凹凸でバイクが跳ねたし、歩道との段差で上手いこと体重移動しないとハンドルに置いた手掌に強烈な痛みが走りました。

SRAMのタイヤ空気圧ガイド

そこで活用できるのが我らがSRAMのタイヤ空気圧ガイドです。ライダーの体重やバイクの情報を入力すると適切な空気圧を測定してくれるというものです。無料で使えます。

axs.sram.com

試しに自身のデータを入力してみました。私は筋トレと酒の蓄えによる重量級ライダーで、さらにtada車はクロモリ×ディスクブレーキ車なのでこれまた重量級です。前述の通り普段は6.0barにしていますが…

SRAMによれば私の適正空気圧はさらに低くまさかの4点台。もちろんこれをベースにお好みで調整するようにと表示されているので「私はやや硬めの乗り心地が好みなので少し多めに」という調節の余地はありそうです。しかしそれでも私の場合5.0barほどで良さそうです。軽量バイク&軽量ライダーであればさらに低圧が推奨される可能性があります。最近ではロードバイクと言えども28cのタイヤも決して太い部類ではなくなりつつあるので、さらに低圧の流れは続きそうです。

低圧で済むのは出先のパンク修理を考えれば良いことづくしです。5.0barくらいであればローディTTでもそれほど体力を使わずポンピング可能ですし、CYCPLUS AS2 PROであれば1分もかからない上にさらにバッテリーの余力が生まれます。

まとめ

CYCPLUS AS2 PROのレビューでした。電動かつ液晶表示付き、空気圧設定可能ということで現行の据え置き用&携帯用のどんな空気入れと比較しても劣るところが見当たりません。自宅用のフロアポンプもだいぶ年数が経って古びてきているので、大掃除の機会に処分してこれ1つにすることに決めました。電動ポンプが気になっていたところでこのモデルが登場してくれて良かったなあと思います。

唯一のネックはその価格。2024年2月購入時点で16300円、これもどんな空気入れと比較してもぶっちぎりで高価だと思います。現在はワールドサイクルのみの取り扱いで、Amazonでの取り扱いはまだなさそうでした。(記事作成時ではSOLD OUT)

高価、かつタイヤを低圧で運用しているのであればぶっちゃけ例のポンプでも十分実用性があります。また液晶表示&空気圧設定の機能がない初代でも出先での応急処置と考えれば十分です。しかし、業界最強の(しかも今ならまだ最先端)プロダクトを持つ理由は必要だからではありません。気になったから欲しいから凄そうだから、そのへんで十分です。短い人生で、自分の趣味の領域で一般人にも手が届く金額で実用性に秀でた最先端のプロダクトが登場する機会はそう多くはありません。

あと個人的には値上げ値上げのご時世、欲しいと思ったものを検討し終えた頃には記憶の値段より上がっているご時世なのでどうせ買う(可能性が高い)なら早く買うに越したことはないと思います。次の入荷でぜひその手に掴んでください幸せになれます。

www.worldcycle.co.jp