自分の趣味の主軸であるロードバイク、そしてカメラについて思うところを綴るだけの自分語りです。
写真・カメラという趣味
私はロードバイクに乗り始めてだいぶ経ってからカメラを始めましたが、カメラを趣味にしてからは写真を撮るために出かけるようになりました。普通は出先で良い景色にであったから写真を撮るわけですが、写真を撮るために良い景色を探しに行くようになるのです。そういう目線を持つようになって、必ずしも有名な場所でなくとも、誰も写真を撮っていないような場所であっても、自分の感性にハマる景色が現れることが増えました。正確には今まで素通りしていた景色の中でも「良い写真が撮れそうな場所はないか」とアンテナを張るようになったのだと思います。
日常の景色を見る目が変わる
上手いとか下手とかいう話は置いておいて(予防線)。日常が非日常に、なんて大げさなことではありませんが、自分がいいなと思う景色は意外と身近に転がっていたりします。そういうことに気がつくことができたのは、間違いなく写真・カメラという趣味を始めてからです。
空の美しさを意識するようになる
私見ですが空というのはそれ自体が素晴らしい被写体だと思っています。見上げればいつでもそこにあるので景色の一部として認識されることが多いと思いますが、刻一刻と変化していく空模様は眺めていて飽きないものです。
また時に現実の世界とは思えないような色を見せてくれる空。陽が高く登るまでは布団から出ない健全な学生生活を送っていた私は朝焼けの空を見ることは滅多にありませんでしたが、釣りや登山に誘われて偶然目にした時には衝撃を受けました。
登山と自転車に打ち込むようになると、さらに違う世界に来たかのような信じられない朝の空とたくさん出会いました。そして登山をするようになって、山に泊まって稜線上から日の出を眺め視界いっぱいに広がるモルゲンロートの世界があることを知りました。こればっかりは自分の脚で山に登らなければ決して見ることのできない、まさしく絶景です。
(遊ぶ時限定で)朝型になるのはアウトドア、特に登山家あるあるだと思いますが、こんな景色に出会えるならばと、早朝に起きる辛さを忘れられます。
マジックアワー
カメラを始めると必ず耳にするようになるマジックアワーという言葉。日没前後の空がグラデーションに染まる刹那的な時間のことで、誰がどこを撮っても良い写真になるということでマジックアワーと呼ばれています(諸説あり)。
私は自分のロードバイクを夕焼けの空のグラデーションカラーでオーダーするくらい夕焼けが大好きなので、近所の高台に行って夕焼け空を撮ったりしていましたが、登山を始めて山頂から眺める日没を、ロードバイクに乗って超えた峠から見るマジックアワーの空はやはり格別でした。
スマホのカメラが進化した時代だけど…
登山も自転車もできるだけ無駄なものは持たない、軽量化が切っても切れない世界なのでカメラを持っていくとなれば大変です。特に一眼カメラになると軽量なミラーレスとはいえレンズと合わせて1kgはありますし、一眼レフに高性能なレンズとなると2kgを超えてもおかしくない訳です。
「スマホでいいじゃん」というのは本当にその通りで、手のひらサイズの薄型軽量端末で超広角から手持ち夜景撮影まで対応できる時代なので、山でも自転車でも一眼を持っていてもスマホのカメラを使うことは多いですし、正直90%くらいはスマホも良いのかもしれません。
それでも10%の劇的な出会いを自分の思うように写真に収めるため、カメラはどうしても必要なのです。ほぼオートで撮るしかないスマホのカメラで記録するのとは異なり、写真を撮るためだけの機械を使って自分のイメージする写真を撮る。
結果としてスマホで撮った写真と大差ない、後から見返して見分けがつかないことがあっても良いと思います。登山もロードバイクも共通する部分があって、例えば〜〜岳の山頂に一瞬でワープして景色を見たいか、というと私はそうではありません。山頂の景色という結果、旅の目的地という結果だけでなく、そこに至るまでの過程も楽しんでいます。写真も結果だけでなく撮るまでの所作やあれこれ考える過程が楽しいですし、カメラという機械を扱うのが楽しいという人もいます(私です)。
もっとも、写真を趣味にしたからといって大きくて重い一眼レフ、ミラーレスでなければいけないわけではありません。ロードバイクでも荷物にならず一眼カメラのような自由度で写真が撮れる高性能なコンデジもたくさんあります。
少なくとも旅先でスマホでたくさん写真を撮るタイプの人ならば、カメラを買っても後悔することにはならないんじゃないかと思います。
ロードバイク✕カメラは最高の組み合わせである
私は行ったことのないところに行きたい、見たことのない景色が見たいと常々思っていて、それが仕事そっちのけで登山とロードバイクに打ち込む原動力になっているのですが、旅は多くの場合は初めて訪れる土地であったり、普段目にしない世界なので、目的地だけでなくその道中にも意外な出会いが溢れています。そんな名もなき道中のワンシーンを切り取るのに、自転車という移動手段はもうこれ以上なく相性が良いわけです。
カメラさえなければもっと疲れず快適に走れるのに、と何度思っても私はカメラを持って走ります。ロードバイクの魅力はもう語り尽くせないほどというか言語化不能なほどたくさんあるのですが、一番の魅力は自分の脚で信じられないくらい遠くに行くことができること、そしていつでもその場に止まれることだと思っています。
過程を楽しむのにベストな移動手段
ロードバイクは速いと言ってもせいぜい時速30~40kmくらいなので、旅の過程そのものを楽しむのに一番良い手段だと思います。通常なら通過するだけの場所やふと目に止まった何気無い景色を、すぐその場で立ち止まって堪能できるというのは自転車ならでは。オートバイも車に比べればそういった柔軟さはありますが、例えば一車線の峠道でどこでも止まるというわけにはいかないし、道中のスポットへの立ち寄りも駐車場を考えなければならないし、名もなき場所でその辺に車両を置いて川に下りてみようとか森に入ってみようというのが叶わないことも多いでしょう。そして走行速度も速いので、やはり自転車に比べれば移動手段の要素が強まってしまう気がします。
大通りでも、なんか良いなと思った景色ですぐに立ち止まって写真が撮れるのは自転車の強みです。
自転車でしか入れない場所は多い
また、距離的な問題はあっても「車や電車でなければ行けない場所」というのはよくよく考えてみると少ないことに気づきます。公園内や寺院、田舎にありがちな車が入れる幅の道がない場所など、むしろ徒歩や自転車でしか踏み入れられない場所の方が多いです。(私には高速道路をロードバイクで走ってみたいという叶わぬ永遠の夢がありますが)
自転車は景色が近い
外界と仕切られて涼しく暖かく快適に移動できる車と違って、自転車では自分の身体がむき出しなので夏は焦げ付きそうなくらい暑く、冬は乗るのが嫌になるほど寒くなります。装備品も限られるため工夫が必要な一方、旅においてはその土地を味わう手段としてやはりベストだと思います。気温や風、匂いや空気感といったその土地ならではの雰囲気を全身で感じられるというのは自転車の大きな利点です。前述しましたが所詮は徐行の車くらいの速度なので、景色があっという間に過ぎ去って記憶に残らない、なんてことはありません。不思議と随分と昔の旅でも自転車の旅は道の雰囲気や気候の感じを覚えています。
まとめ
とりとめがなくなってしまいましたが、まとめです。
写真を趣味にすると景色を見る目線が変わります。自分のお気に入りの景色が見つけられたり、写真を撮るという目的のため色々な場所や事柄に関心を持つようになります。写真を撮るのに特化されたカメラは自分のイメージした写真を撮るのに最適な道具で、あれこれ試行錯誤する過程自体も楽しめるものです。
そんな目線を持つと登山、自転車の趣味がもっともっと楽しくなります。「見たことのない景色を見に行く」「自分の脚で遠くまで行く」という趣旨に写真はあまりにも相性が良いですし、車や電車では通り過ぎるしかない場所でも自転車ならばすぐその場で脚を止め、気が済むまで写真に収めることができます。
カメラと登山、カメラとロードバイクは最高にいいぞ。