カリマーリッジ30の紹介
私が4年間愛用している超優秀なザック、カリマーリッジ30を紹介します。これは壊れても同じものを買うだろうと思えるくらい非常に気に入っているザックです。その名の通り30Lのザックで一般的に日帰り〜小屋泊くらいまで対応します。
このザックは超定番品で登山初心者に最初に勧められるザックの一つで、登山専門店はもちろん、一般的なアウトドアショップであれば基本的にどこでも売っています。現在は詳細の仕様が変更されたリッジ30+(プラス)というモデル名ですが、基本的なスペックは同一です。
一般的には日帰り〜小屋泊の容量ですが、このザックは良い方向に容量詐欺なのでタイトルの通りテント泊も可能です。
推しポイント
①1気室でトップは巾着式
②トップリッド付き
これは登山用ザックとして非常に基本的な構造で、メイン収納部を巾着で絞り、その上からトップリッド(もしくは雨蓋)を被せるようにしてバックルで固定します。この構造の優れている点は荷物が増えた・体積が増えた場合に+αの収納ができることです。巾着と雨蓋の間に衣類や丸めたテントを挟むのはよくあることで、雨蓋を止めるバックルベルトを最大まで長くするとここにかなりの収納力が生まれます。
これは以前10月に八ヶ岳青年小屋に1泊のテント泊をした時の装備です。
装備内容は上記の写真の通りで、写真には50Lのテラフレーム50が写っていますが、試しにリッジ30に詰めてみたら普通に入ってしまったのでリッジ30で決行しました。実際にはここに食料とビール500ml缶に四合瓶1本が加わりましたが、それでもパッキングは可能でした。
この装備は特別ウルトラライトを意識したものではなく、テントも寝袋もマットも普及価格帯の入門寄りの道具ですが、それでもパッキングは可能でした。山行記録や道具の詳細は過去記事を見てみてください。
③大きなフロントポケット
見づらい写真ですが、上記のテント泊時にフロントポケットに衣類+ビールを入れている写真です。このフロントポケットはしっかりとマチがあり、さらに上部の左右がバックルベルトになっているため、メイン収納部がパンパンでもフロントポケットの収納力がスポイルされない作りになっています。この時はメイン収納部にテント、シュラフ、マット等パンパンに入れている状態でしたが、この通りフロントポケットのマチが十分にあるためさらに収納力を稼ぐことができています。
ちなみにこのフロントポケットはさらにサイドにジップが付いていて第2の収納ができるようになっています。出し入れが非常にラクなので撮影機材や防寒具を入れることが多いです。
④サイドアクセスあり
1気室の弱点は底の方の荷物が取り出しにくくなることですが、それを補うべくザックの右側にサイドアクセスが設けられています。開口部はそれほど大きくないのでちょっとした小物の出し入れくらいが現実的かなと思いますが、私はパッキングの際にレインウェアを右底の方に配置してサイドアクセスからすぐに取り出せるようにしています。
⑤ピッケルループあり
このクラスの本格的な登山ザックであれば標準装備ですが、ザック底部に2箇所ピッケル用のループが付いています。少し工夫するとトレッキングポールを取り付けることもできます。
⑥収納力の高い腰ポケット
ここまでハイスペックなザックだと知る前の私がリッジ30を選んだ決め手がこれでした。実際登山用品店で話を聞いているとこの大きなポケットに魅力を感じる人は多いようです。
これは私が使っているミニ三脚、Leofoto MT-03+MBC20とGoPro shoryを入れている状態です。ほとんどのザックではサイドのドリンクホルダーに指すしかなかったのですが、このザックでは腰ポケットに入ってしまうので撮影が非常に捗ります。
サブカメラのSONY RX100 M3を入れた状態です。ご覧の通りスペースは非常に余裕があり、もう一台くらい入りそうな勢いです。
私は片方に三脚類、もう片方に行動食を入れています。行動食としては1本満足バー2本、コンビニのグミ、カリカリ梅、ブラックサンダー1つ、を入れてちょうどくらいです。黒戸尾根日帰りアタックの時にはSサイズのジップロックにポテトチップス、ナッツ、チョコ類を入れたトレイルミックスも収められました。
欠点
①軽量ザックではない
一般にポケットや収納の仕切りが増えるほど重量も増していきます。そのため同クラスでも軽量を売りにするザックは1気室のみであとはスタッフバッグとかで工夫してねというスタンスですし、昨今のUL系ザックも同様の構造が多いです。リッジ 30はサイズ(背面長)によって変わりますが1500g前後なので決して軽量な部類ではありません。ただし特別重量級のザックというわけではなく、昨今のUL系を除けば標準的な重量です。なのでUL思考の人以外は気にしないで良いと思います。
②荷物が少ない人は日帰りでは持て余す
これは夏の奥多摩、川苔山に行った時の写真ですが、低山かつ夏というと荷物が最も少なくなるのでかなりスカスカでした。トップリッドが前に垂れ下がるように、くの字になっているのが分かるかと思います。サイドのコンプレッションベルトを絞ってある程度は調整できますが、レインウェアと調理器具くらいの時には明らかに持て余します。
③人とかぶる
私は欠点とは思いませんが、超定番品ゆえ避けられないことではあります。ザックで個性を出したいという人には向きませんが、登山人口が増えていく中ではどんな道具を使っても人とかぶらないということはあり得ません。個人的にはニッチ・マイナーな道具でかぶるのは気になりますが、定番品でかぶるのは当たり前=気にならないというスタンスです。かぶらないために人を選ぶ道具を使うなら絶対に使い勝手に優れたものを使うべきだと思います。
外観・使用例
たまたま厳冬期の写真ばかりですが、シルエットは縦長のザ・登山ザックといった形で、この形が嫌いという人は少ないのではないでしょうか。トップリッドを拡張してパンパンにすると縦に伸びていく形になるので、テント泊の時には後頭部にトップリッドが触れる状態でした。
女性にも良いサイズ感
これは私の細君(身長157cm)が背負った図です。衣類や食料などかさばるものが多く入っているのでザックが一番かっこよく見える状態だと思います。私のメンズ用のリッジなのでやや大きめに見えますが、女性が背負っても違和感のないサイズ感・デザインだと思います。実際には背面長が女性に合わせられたWomen'sモデルがあるのでもう少し小ぶりになります。
おまけ 旅行・自転車旅でも活躍
登山ではありませんが、ブロンプトンという折りたたみ自転車での北海道旅の時にもこのリッジ30を使いました。ツエルト泊装備と衣類に撮影機材等々、やはり容量が多いので時間が迫る場面でもとりあえず荷物を突っ込んで出発する、という使い方ができたのに助けられました。
興味がある方はリッジ30をブロンプトンに装着する方法をまとめたので参考にしてみてください。
私は必ず片手を塞ぐスーツケースが嫌いな人間なので、旅行でもザックを使うことが多いです。リッジ30はテント泊をこなすポテンシャルがあるので、2,3泊の国内旅行程度であれば十分余裕を持ってパッキングできます。帰りにお土産が増えてもザック一つで帰ってこられることもよくあります。
実際リッジ30のレビュー記事を見ていると意外と登山ではなく旅行用として購入される方も多いようです。全体的に収納力が高く、1気室の割にはスペースの仕分けが多いので普通の旅行でも使い勝手が良いです。
まとめ みんなリッジ30を買えば幸せになれる
登山ザック何を買うか迷っている人はリッジ30を買えば幸せになれます、これは断言できます。デザイン・構造は癖がない一般的なモデルなので今後違うザックを検討するときの一つの基準になりますし、私のようにもうずっとこれでいいと思えるポテンシャルを秘めたザックです。どのお店でも、どの山でも必ず見かける定番品ではありますが、それゆえ万人が使いやすいようによく考えられたザックです。
最近は山と道をはじめとしたUL系のザックが流行っていますが、生地の薄さやパッキングの技術など使い手を選ぶザックなので、ある程度雑に扱えて使い手の未熟さもカバーしてくれる懐の深さがあるリッジ30の安心と信頼性を推したいです。
登山から旅行、ブロンプトン旅まで活躍の幅が非常に広いのでもし他のザックに買い換えても無駄にならない、という点で1つ持っておいて損はありません。いつでも2万円前後で手に入りますし、素材的にも寿命が長いので非常にコスパに優れた最高のザックです。カリマーリッジ30のレビューでした。