ブロンプトンにザックを背負わせたい
夏休みに北海道の利尻島に行って登山と島一周サイクリングをしようと目論んでいるのですが、プランを立てたところ拠点に荷物を置いて走り回るスタイルは難しそうなので登山ザックを積載する方法を考えなければなりません。
輪行旅はザックがあるとラク
ブロンプトンは優れた積載システムがあるので、フロントバッグとリアキャリアを使用すれば40~50Lほど積載し自転車キャンプツーリングを実現するのは容易です。わざわざ登山ザックを持ち出す必要はないのですが、輪行を伴う場合には話が変わってきます。輪行時には重たいバッグ類を別で持つ必要があるので、大荷物を伴う輪行においてはザック一つにブロンプトンを肩がけするのが最もスマートに思えます。
ブロンプトンにザックを背負わせる方法
調べるとちょっとした改造を施してザックを積載する方法や、伸縮ロープを用いて固定する方法などを試しているブログが散見されました。私は面倒くさがりなのでなるべく改造は少なく、特殊な道具を使わず、脱着に手間がかからない方法を考えていて、ザックとブロンプトンを眺めていてふとひらめきました。ワンチャン無改造で固定できるんじゃないかと。
これがブロンプトンにザックを背負わせた状態です。ザックはどんな登山用品店でも売っている超定番のカリマー、リッジ30です。
サドル後部とリアキャリア後部のイージーホイール部2ヶ所、4点で固定しウエストベルトはシートポストに抱きつくようにしています。
リアキャリア後部のイージーホイール部です。ザック下部の左右にあるピッケル装着用のループを最大まで伸ばし、ホイール部に引っ掛けます。ザックに荷物をパンパンに入れていると少々きついですが、一度ザックを後ろに傾けると割と余裕を持って通せます。
ブロンプトン標準装備のポンプを使う
続いてサドル後部。この手のカスタムでよくある、鉄パイプをサドルレールないしシートポストに取り付けてショルダーベルトを背負わせるやり方です。
ここで前述の通り、なるべく無改造で手間を減らすためブロンプトン標準装備のポンプを利用します。私が使用しているサドルはBROOKSのB17 SPECIALというモデルで特に苦労なくサドルとサドルレールの間に通せます。もしかすると純正サドルではスムースに通らないかもしれません。
完成図
ピッケルループの2ヶ所と肩ベルトの2ヶ所がちょうど対角線上にあるのでかなり強固な固定になります。また、上下2ヶ所ずつの固定なので左右へのズレがほぼありません。腰ベルトもシートポストに巻きつけるようにして一番短く絞りますがピンピンにはなりません。腰ベルトがなくとも固定は先の2ヶ所で十分そうでした。
実際にサドルに跨ってみるとやはり腰ベルトがペダリングの妨げになります。固定に寄与しないのであれば脚に当たらないところでまとめてしまうのが良さそうです。
実際に走ってみて
実走で確認すべく家の目の前を軽く走ってみます。ザックの中にはテントとマットとシュラフ、あとは衣類を適当に詰め込んで総重量7キロほど。実際の自転車旅の際はもっと重いと思われますが、体積はほぼ同等の状態です。
ポンプの固定は不要か?
ポンプはレールの上を通しているだけで固定はしていないのですっぽ抜けてしまいそうですが、サドルとポンプの隙間にショルダーパッドを挟み入れるとほとんど動かなくなります。
またポンプの接続口側はレバーを起こすことで(写真左側)ストッパーのように働き、ポンプのプッシュ側は伸ばすと軸が細くなるのでサドルとの間にショルダーパッドを差し込みやすくなるので案外ここは無固定でいけるかもしれません。
少し走ってみた感想
結論から先に言うとこれだけでいけそうです。おしりにショルダーパッドが少し当たりますがペダリングには悪さしませんし特に不快でもありませんでした。敢えて前輪荷重を抜かずに段差を超えてみたりしましたが、ザックの揺れはほとんど感じませんでした。激しいダンシングをすれば動くのでしょうが、ザックの四隅を固定しているので容易にはズレないと思われます。無課金無改造の割には驚くほど快適で、ザックを背負うことを想定したスケールなんじゃないかと思うレベルです。
問題点
問題点は腰ベルトの干渉によるペダリングへの影響ですが、やはり腰ベルトはシートポストに巻かない状態でもしっかり固定される(というより、腰ベルトは締め込んでも長さ的にテンションがあまりかからないので固定に寄与しない)ようでした。
そのため腰ベルトはシートポストに巻き付けず後ろでバックルを止めてまとめてしまうか別途ゴムバンドなどでザックに止めてペダリングに影響しないようにすれば解決です。
あと重心的にヒルクライムではかなりネガティブな影響が出そうです。が、私はそもそもブロンプトンではヒルクライムと呼ばれるスポットには行かないので問題ありません。
あとは実戦にて
実験段階では意外にも問題らしい問題はなさそうでした。この装備で最初に走るのは今夏予定している利尻島・礼文島サイクリングですが、トータルでは100km以上走ることになるので実戦に耐えうるかどうか評価したいと思います。もしこれでブロンプトンに簡単にザックを背負わせられることが分かれば、バックパッカースタイル+ブロンプトンというフットワーク抜群な旅スタイルが実現します。サイクリングメインでないとしても自転車は旅先の移動手段として非常に有用性が高いですし、飛行機輪行の敷居がさらに下がるので旅の幅が劇的に広がる予感がします。
以上、ブロンプトンにザックを背負わせる実験でした。
追記 実走後のレビュー
実際にこの方法で旅してきました。問題点や改善点などをまとめています。