山と自転車

登山や自転車に関することを綴っています

【ディストピア】波崎ウインドファームに行ってみたら完全にSFの世界だった。

波崎ウインドファーム

波崎ウインドファームは茨城県神栖市の海岸線にある風力発電施設で、海辺に一直線に並ぶ巨大な風車が特徴的な観光スポット(?)です。

カメラ、はじめてもいいですか?

私がこの存在を知ったのはみんな大好き国民的登山アニメことヤマノススメの作者、しろ先生が手掛ける「カメラ、はじめてもいいですか?」という作品。同作は内気な女の子がとあるきっかけでカメラを手にし写真の世界に脚を踏み入れていく話で、ヤマノススメで隠しきれずにじみ出ていたしろ先生のカメラ趣味嗜好が全面に出ている、最近実写ドラマ化を果たしたホットな作品です。

www.shochiku-tokyu.co.jp

そんな同作の記念すべき第1巻第1話に登場するのが波崎ウインドファームで、第1巻の表紙にもなっています。車があればアクセスが困難な場所ではないのですが、海こそあっても観光地というわけでもないのでなかなか行く機会を見つけられずにいました。

つくば霞ヶ浦りんりんロードから片道30km

茨城県といえばつくば霞ヶ浦りんりんロードというナショナルサイクルルートにも認定されているあまりにも有名なサイクリングロードがあります。この霞ヶ浦の南東端から波崎ウインドファームはわずか30kmでしかも平坦道なのでりんりんロードを走るついでに行ってみました。

霞ヶ浦から波崎ウインドファームまでの道のりは特記すべきことはありません。道中の景色も特に良くも悪くもない地方の国道で、心を無にしてペダルを回していれば着きます。

まるでSFの世界

波崎ウインドファームのある海岸に並走するシーサイド道路にて。人気の無い一本道を走っていると巨大風車が現れます。

浜辺の方に入っていく道がいくつかありますが、浜辺全域が開放されているわけではないようで立入禁止の看板が立っていたりゲートが封鎖されている場所もあるので気をつけましょう。

世界の果てのような景色

風車の方を目指してどうにか道を見つけて進んでいくとディストピアが現れました。そこにあるのは荒廃した浜と巨大な風車、そして聴こえてくるのは波の音だけという世界です。浜はゴミが多く荒れ果てているのですが、それがまた人類が滅んだ後の世界のような雰囲気に一役買っていました。草が無秩序に生えているのも何とも言えない雰囲気があります。新海誠作品が好きな方なら雲の向こう、約束の場所の雰囲気に似ていると言えば伝わるでしょうか。

伊豆や沖縄で風車自体は何度か見たことがあるものの、巨大な風車がいくつも規則正しく並んでいる景色は初めて見るもので、巨神兵が隊列しているような畏怖の念を覚えました。

周りには人はおろか生き物の気配すらしないので世界に一人になったような錯覚を覚えました。人類が滅びた世界を自転車で巡るSF漫画とかどうっすかね。

風車と反対側の浜には見渡す限りのソーラーパネルが並べられていました。パネル設置エリア内は関係者以外立ち入り禁止と書かれた柵で覆われています。

周りに観光地があるでもなく、道中で立ち寄れるような場所があるでもなく、何かのついでに来られるような場所でもないのでなかなか行く機会がないかもしれませんが、ここはぜひ実際に訪れてみることをおすすめします。あの退廃的な雰囲気や人類が滅びた後の世界に来てしまったかのような孤独感はこの地に立ってみないと感じられないと思います。

一方で霞ヶ浦からは比較的近いので、サイクリストであれば私のようにつくばりんりんロードついでに訪れるのがおすすめです。