山と自転車

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【ブロンプトンM6Rレビュー】ブロンプトンを導入して2年が経って レビューと現在の仕様について

私がママチャリ以外の自転車に興味を持ち始めたのが中学2年生の時で、当時は第一にクロスバイクが欲しくて、次に欲しかったのがコンパクト折りたたみ小径車の代表、ブロンプトンである。

ワイズロードとかで何度か実物を見たことがあったけれど、信じられない程のコンパクトさ、そして折りたたみ機構の美しさにずっと惹かれていた。

 

社会人2年目、それなりにお金が使えるようになったところにコロナによる10万円給付が後押しとなり、実に10年越しの恋を成就させるに至った。そんなブロンプトンのある生活が2年経ったので一度感想と現在の仕様をまとめておこうと思う。

ブロンプトン M6R

購入したのはブロンプトンM6R 当時の価格で23万円ほどだったと思う。

当時は湘南に住んでいたので、横浜みなとみらいエリアにあるミニベロ専門店として有名な「Green Cycle Station」で購入した。

ここの店長が非常に気さくな方で、試乗も「好きに乗ってってください〜」という感じで、書類の記入やコースの指定など一切なく乗らせてもらえた。あまりにアバウトで大丈夫なのかと心配になるくらい。

↓GREEN CYCLE STATIONでの試乗記

www.mount-road.com

でもおかげで走行感を味わうことができて、最初の印象はミニベロなのに安定する(それでも最初多少はふらつくけれど)、よく進む、ギアが重い、であった。(のちにフロントチェーンリングは44Tに交換している)

一度試乗して、頭の中の大半をブロンプトンが占めるようになった頃、二度目の来訪で購入した。(旅行中もブロンプトンのレビューを見漁るくらいになって、買わない方が生活に支障が出ると分かったので旅行帰りにお店に向かった)

お座りスタイル。この状態にするのには2秒くらい。

GREEN CYCLE STATIONでのやりとり

店長は購入を勧めてくるような、いわゆるセールストークは殆どしてこないが、自身もブロンプトン愛好家ということでエピソードを聞いていると非常に参考になった。

 

お店に入る時には基本的に中に入れさせてもらっています。自転車を入れていいですかと聞くと怪訝な顔をされるけど、畳んだ状態を見せてこれ置いておいてもいいですかと聞くと置かせてもらえますね。普通の飲食店のほかにも居酒屋やカフェなど、今の所断られたことはないかな。考えてみればスーツケースより小さいくらいだからよっぽど汚れていたりしなければスペース的には困らないはずですよね」

 

「最初は目立つから恥ずかしく感じることもあったけど、すぐに慣れました。意外と周りの人は自分のことを見ていないものですよ。さすがにショッピングモールで押しながら歩くのは気恥ずかしくて、そういう時は外に停めておくこともあります」

 

駅のロッカーの一番大きいところはギリギリですけど入ります。駐輪場より安心できますね。京都とか観光地ではよくロッカーを使っています」

 

実は宅急便で送ってもらうことができる大きさで、よくメンテナンス依頼で送られてきますよ。僕も旅先で急に具合が悪くなってどうしようもなくなったときにコンビニから送ってもらって自分はタクシーを呼んで帰ったことがあります。本当に、使い方が無限大なんですよね」

 

納車の日にはこうしたブロンプトンユーザートークを聞きながら、1時間ほどかけて丁寧にレクチャーをしていただいた。

折りたたみ自転車とは思えない安定性

ブロンプトンの折りたたみ機構の最大の特徴はメインフレームが折れない=剛性が上がる、ということで、よくある折りたたみ自転車のようなフレームが軋んで力が逃げる感じや挙動が不安定になる感じが少ない

そして折りたたんだ状態から想像するよりも大きい自転車なので、ホイールベースが長く直進安定性に繋がる。この2点がこれまで乗った一番良く見かけるタイプの折りたたみ自転車と大きく異なるところだった。

圧倒的にコンパクト

横から見るとほぼ正方形に収まる。1泊用のスーツケースくらいのコンパクトさ。

アイコニックなお座りスタイル

2秒でお座り=ブロンプトン特有の駐車スタイルだが、リアキャリアに荷物を積んでいるときもあるし、目立つので盗難リスクが上がる気がして(まあ分かる人が見たらお座りしてなくても遠目でブロンプトンってすぐ分かってしまうけれど)、店長にも勧められたミノウラのスタンドを付けた。

悲しいけれどお座りさせるよりキックスタンドの方がより気楽だし、基本的にはマストアイテムだと思う。あと自立写真を撮るためにも。

豊富なフロントバッグ Cバッグを愛用

バッグは当時ディスコンになりたてのCバッグをチョイス。ショルダーパッドのブロンプトンの刺繍と全体的なカラーリングがとても好みだったのでメルカリで中古品を探した。

今はラインナップが一新され、現行のメッセンジャーバッグは黒一色でより都会的で高級感のある仕上がりになっている。

Cバッグの利点としてはバッグ上部からフレームの取手が飛び出す(写真には偶然写っていない)ので転がす時の持ち手にできること。あとはブロンプトンの刺繍(重要)。

デスクの下に収納可能

ブロンプトンは通勤に使っていて、ABUSの鍵で駐輪場に停めることもあったけど落ち着かないのでデスクまで持ち込むことにしている。一般的なデスク下にこの通りすっぽり収まる。

 

自転車通勤では折りたたみ&組み立ては最低でも1日4回することになるが(①家から出る時、②職場に着いた時、③職場を出る時、④家に帰った時)、全部で1分もかかっていないと思う。

工具も要らなければ手が汚れることもないのでこれは本当に苦にならない。というより無意識に変形させている感じ。MT車でだんだん無意識にシフトチェンジするようになるのと似ている。

一番気になるのは重量で、特に軽量化は意識していないので12,3kgはあると思う。職場のデスクは2階なので階段がつらい。

 

私のモデルはリアキャリア付きなのでこの状態で転がすことができる。リアキャリアなしのモデルでは600gほど軽量化が期待でき見た目もシンプルになるが、3輪になるので折りたたみ状態での安定性が悪く、転がすのも難しくなる(できないわけではない)。

ブロンプトンのカスタム沼

世の中にはブロンプトンを軽量化することに命を懸けている人々がいるようで、7kg台のブロンプトンというのを見たことがある。

その重量なら世界がさらに広がりそうだなと思うけれど、ステムやメインフレームをサードパーティーのチタン製のものに変えたりする必要があるようで、なかなか大変そう。(最近では公式からチタン製の40万円くらいする軽量ブロンプトンが出たみたいだけど)

個人的にはブロンプトンは最初から完成している自転車だと思っているので、小物以外のところは純正から離れないようにしている(という体で、カスタム欲求を制御している)。

小物編

ライト類

フロントライトは「KiLEYビンテージライトV2」

リアライトは「busch&mullerの2C permanent」に交換した。

KiLEY(キーレイ)「ビンテージライト」 V2 フロントkiley-japan.com

「KiLEYビンテージライトV2」はこの見た目で300ルーメン、連続10時間使用可能、USB充電式、という実用性十分なスペック。

定価11000円と高価ではあるけれど、クラシカルな見た目がブロンプトンにこれ以上無いくらいマッチしているし、実用性もスポイルされていないので買ってよかった。

ハンドル周りがゴチャ付くのも避けられる。

 

「busch&mullerの2C permanent」は純正のリア反射板とほぼ見た目は同じで、ドレスアップというよりリアライト機能を後から付けるだけのカスタムという感じ。

点灯のみで点滅できないのが玉に瑕だが、ブロンプトンの使用シーンを考えれば視認してもらうには十分だろう。

サドル BROOKS B17 SPECIAL

そしてサドルは定番of定番のレザーサドル「BROOKS B17 SPECIAL」 。

Specialというちょっとお高いモデルにしているのは、全体のカラーが好きなのと職人が手打ちしているというロマンを買ったから…。

はじめ車体が赤と黒なのでサドルも黒と考えたが、装着してみると少し地味に感じてしまったのでブラウンにした。

黒は取り付け後に女性向けモデルのショートタイプだったことに気づき、お店側のミスだったので返品し、ブラウンを買い直した。黒を試せたのは怪我の功名。

黒BROOKS装着の図。まとまっていて良いと思う気持ちもあるけれど「せっかく交換したのに地味…」という気持ちが勝ってしまった。

まだ100kmくらいしか乗っていないのでカチコチ。

レールもブラウン。

キャリアのホイール SON イージーホイール

キャリアと本体のホイールは「SON イージーホイール」に交換した。

これは純正ホイールが壊れてきたため。

購入当初、電車内で折りたたんだ状態でサドルだけ伸ばして腰掛ける、なんてことをしていたら(雑誌で見たことがあった)、タイヤが曲がってしまったから。

よくよく考えればキャリアの耐荷重は10kgなのでホイールに負荷がかかり軸が歪んでしまったのだろう。

ブロンプトンが居る人生

ブロンプトンを購入して2年が経ち、主に通勤と休日のポタリングで頻繁に乗っているが、心の底から買ってよかったと思う。

 

走行性能に優れ(特に優れた走行性能ではなく、多くの折りたたみ自転車でスポイルされるところが守られている)、積載システムも優れ、そして輪行や車載のハードルを限りなく下げてくれる完成された折りたたみ機構を持つブロンプトンはやはり唯一無二の存在。

重い代わりに得られる堅牢さは人生のお供にふさわしい。

 

疲れるまで走ってお酒を飲んで輪行で帰ってくる、なんてことが超簡単になる。

思いついたままにチェアリングしたり、キャンプツーリングに出かけたり、車に積んでおいて旅行先を巡ったり。

 

そして23区内など、徒歩ではちょっと遠いけど電車じゃたった1駅というような微妙な距離が多い都市部においてはさらに真価を発揮すると思う。

どうしてもロングライドの機会があるとロードバイクに乗ってしまうけれど、そろそろブロンプトンツーリングなど更に乗り込んでいきたいと思う。

きっと生活を豊かにしてくれるブロンプトン、一生モノと思えば実質無料。