山と自転車

登山や自転車に関することを綴っています

【ロードバイク積載】自転車旅の装備、持ち物をまとめてみる。【バイクパッキング】

ロードバイク旅の装備は難しい

登山の道具の選別やパッキングについてはある程度洗練されてきて定型的に準備できるようになりましたが、私の持論としては自転車旅の方が登山よりも制約が大きくて準備がシビアです。その理由は「積める体積に制限があるから」。登山で培ったノウハウは自転車旅にも大いに役立ちますが、自転車は登山に比べて積載できる体積が圧倒的に小さいことに気づきます。

・登山では重量が致命的。体積はどうにかなる。

・自転車では体積が致命的。重量はどうにかなる。

自転車でもリュックを背負ったりバイクパッキングのアイテムをフル活用すればもっと簡単になるんだとおもいますがなるべくミニマルなスタイルで走りたい。そんな試行錯誤で旅していた中でようやく一つのゴールに辿り着いた気がしたので備忘録的にまとめてみました。

バイクパッキングした図

先日の旅、2023年春の4泊6日のロードバイク旅は過去最長の旅で、これまで以上に荷物については頭を悩ませましたが、いつもの何も身に着けず走るスタイルで旅をしました。

カメラの携行について

ライド中の基本スタイルは一眼カメラたすき掛けです。何も身に着けないと言った前言は撤回します。カメラ好きに取ってカメラは体の一部なので忘れていました。

私はカメラも趣味にしているので、登山でも自転車でも基本的にはミラーレス一眼(OM-D EM1mark2+M.ZUIKO 12-100mm f4.0)を携行しています。ロードバイクにおける一眼カメラの携行方法は先人達が試行錯誤を繰り返し、様々なTipsが存在しているところですが、私は最終的に紆余曲折していわゆる速写ストラップを用いた、シンプルなたすき掛けスタイルに行き着きました。絶対落車できないマンです。

速写ストラップはどこでも手に入りかつ安価なHAKUBAのもの。NinjaストラップやPeak designのストラップなど色々試して来ましたが比較的体積が小さく纏められることと長さ調節のスムーズさからチョイス。安いのとメジャーメーカー過ぎることから何となく敬遠していましたが結構良いものです。

ただ、実際はライド中の撮影でストラップの長さを変えることがあまりないことに気づきつつあるので、そろそろ長さが固定の普通のストラップに移行するかもしれません。

使用したバッグ類

フロントバッグ:Rapha バーバッグ

みんな大好きRaphaのバーバッグは発売直後にすぐ売り切れになって、再入荷待ちで買ったもので、現在は割と普通に買えるようになっています。ハンドル2点とヘッドチューブの3点固定のシンプルなバッグで、型がしっかりしていることと、ウインドブレイカーに輪行袋にモバイルバッテリーに行動食にマスクに…と結構な収納力があるのが使い勝手が良く、ブランド抜きでもオススメできます。あと肩がけ用のストラップが付属していてショルダーバッグとして使うこともできるのが旅向きです。

トップチューブバッグ:ROCKBROS フロントチューブバッグ

安価ながら品質が良く、かゆいところに手が届くアイテムを作っている印象のROCKBROS。トップチューブバッグは過去に使っていた時に左右に揺れて膝に当たって非常にストレスフルで避けていましたがやはりアクセスが便利な場所なので入念に下調べをしてこちらを購入しました。同じく型がしっかりしていることと、トップチューブの長軸方向に長く高さが低い構造からか、ストラップをキツく締めると左右の揺れが非常に少ないのが特徴です。横幅6.5cmというのが絶妙で、これ以上幅広だと膝に当たりやすくなり、スリムだと逆に横揺れしやすくなるので容量と実用性のちょうど良いバランスが取れています。

収納力としては見た目以上で、ABUS BORDO 6055CにiPhone12mini、あと隙間に小さい行動食が収まります。

フレームバッグ:Blackburn アウトポスト フレームバッグ ミディアム

ジッパーを開けると前三角いっぱいに広げて容量拡張ができるフレームバッグで、両サイドのポケットや内部仕切りなど、小物の収納もしやすいのが特徴です。アピデュラに比べるとやや重量がかさむのと完全防水でないために雨の中ライドすると普通に浸水します。

サドルバッグ:オルトリーブ サドルバッグ2 4.1L

言わずと知れたサドルバッグの王道。完全防水&アタッチメント式なので脱着しやすくてサイズの割に安定感があり横揺れが少ないのが特徴です。容量も大きいので1泊分の衣類+αくらいは飲み込んでくれます。

容量が大きく積載の要となるのはサドルバッグとフレームバッグです。そして最も嵩張るものは衣類なので、これらをどう運用するかで自転車旅の装備が大きく変わってきます。

また衣類については一番少なく小さくて済むのは夏場で、冬物はどうしてもかさばるのでパッキングに苦労します。ただし厳冬期の自転車旅をしない私にとっては春秋が一番衣類がかさばる時期になります。

最低限必要な衣類は

・走行中に身につけるジャージ上下
・降車時(ジャージを脱いだ状態)に身につける衣類
・下着類

基本的には予備の衣類はなしで毎日コインランドリーで洗濯をするのを前提にしているので、常に「今身に付けている服を脱いだら洗う、それと交代で積載していた服を着る」を繰り返します。

装備品一覧

①行動着(非ライド時の服)→サドルバッグ

・モンベル ノマドパーカ
・モンベル ジオラインM.W
・THE NORTH FACE アルパインライトパンツ

登山用の服を流用して、寒いよりは多少暑い方がマシだろうと考え常にノマドパーカを羽織ることにして中間の半袖シャツを省略します。

ノマドパーカは普段着で着ることが多いですが、内側の衣類によって秋〜初冬まで対応できる万能服で、多少嵩張るものの今回の春の時期にはぴったりでした。

パンツも同じ理由で汎用性を取って長パンツにしています。そして裾がフィットするタイプのパンツなのでペダリングに影響が出ることがなく、万一荷物が増えたりパッキングがギリギリ過ぎて再積載ができなくなった場合には履いた状態でバイクに乗ることができます。

 

 

②ジャージ類(ライド中の服)

・Rapha ブルベジャージ上下
・モンベル サイクルジオラインL.W.
・モンベル レッグウォーマー
・Buff

私は多趣味=モノがどうしても増える生活をしていますが、それでもモノを極力増やさないようにしたい気持ちが常にあるのでなるべく1つで複数の役割をこなしてくれる道具が大好きです。

ということで春秋の自転車ウェアはアンダーウェアを駆使して夏用ジャージを流用しています。(厳冬期ウェアは代用は難しいので1セットだけ保有)

ジオラインに関しては行動中、ライド中ともに着用するので2着、そしてM.W.とL.W.で一応気温に応じて多少調整できるようにしました。暖かさの割に嵩張らなくて乾きやすいので登山やロードバイクはもちろん、普段着としてもヒートテックよりも重宝します。

そして秀逸なのがモンベルのレッグウォーマーです。夏用短パンジャージがロングジャージに変身してくれる優れモノで、私の場合は1-2月の厳冬期以外はこれとアンダーウェア+夏用ジャージで走っています。

③電子機器類、ほか→フレームバッグ

・日焼け止めクリーム
・歯ブラシセット
・ミラーレス一眼(OM-D EM1mark2)、GoPro予備バッテリー
・GoPro shorty
・予備チューブ、レバー、携帯ポンプ(ローディTT)
・THE NORTH FACE サコッシュ
・iPad mini6
・Kindle Paperwhite
・モバイルバッテリー(Anker Powercore fusion 10000)
・ケーブル類(ライトニングケーブル、USB type B(2.0)、USB-C、apple watch充電器)

ここはなくてもどうにかなるけれど、あれば旅のQOLをグンと上げてくれるアイテム達。

Kindle Paperwhiteは軽い、薄い、電池持ちが良い、と登山や旅に欲しい要素をすべて満たしていて必需品です。漫画に比べ小説の方が読むのに時間がかかることも長旅に合っています。

同じカテゴリーでiPad mini6は必須ではなくとも電子書籍の雑誌を読んだり写真を振り返ったりと可能なら持っていきたいアイテムです。いずれも防水目的にジップロックに入れているのですが、横向きにするとフレームバッグ内にピッタリ収まるので意外に嵩張らず済みます。

モバイルバッテリーやケーブル類は基本的にAnkerから選んでいます。このPowercore fusionは収納式のコンセントの差込口が付いているため本体の充電が容易でACアダプターとしての使用も可能な旅行向きモデルです。少々重いのが欠点ですがバッテリー本体の充電がコンセントのみで出来るため自転車旅においては実質無限です。端子はUSB-AとUSB-Cを備えています。

サコッシュは後者時の小物携行用で、Kindle PaperwhiteとiPad、モバイルバッテリーの貴重品セットがまとめて入れられるサイズです。走行中は4つ折りにしてジャージのポケットに入れています。

 

 

 

 

④ウインドブレイカー、鍵、輪行袋→フロントバッグ

・鍵 ABUS BORDO LITE 6055C
・ウインドブレイカー
・輪行袋

鍵は防御力重視でABUS一択な私です。鍵の取り扱いが厄介なのでダイヤル式にしています。BORDOシリーズは防御力の代償に結構重いのですが、BORDO LITE6055はセキュリティレベル7を誇る割に拍子抜けするくらい軽くなっています。

ろんぐらいだぁすウインドブレイカーは自転車用なのでバックポケットが付いているのはもちろん、丸めると手のひらサイズに小さく出来て、さらに体温調整で脱ぎ着が多いのでアクセスが良いところに置いています。場合によってはトップチューブバッグに入れることもあります。

輪行袋について

pekoさんお手製輪行袋

輪行袋はTwitterでお馴染みpekoさんのお手製輪行袋(以下、peko袋)で、他にオルトリーブのダミーローター、MARUTOのホイール固定用ゴムバンド「りんりんバンド」、スプロケットカバー(不織布のキャップ)、ストラップはモンベルのコンパクトリンコウバッグに付属してたものを流用しています。

ちなみに私はエンド金具を用いない、横型輪行至上主義者です。以前はエンド金具が輪行への心の大きな障壁になっていたので、横型輪行という概念を知ってからはずいぶんと輪行の頻度が増えました。後述しますが嵩張るのが欠点とされる横型輪行でも縦に置くことは可能です。

 

輪行袋は使い勝手と体積、重量がトレードオフになりがちなので単一の正解はありませんが私の場合はひとまずは今回のこれで一つの正解に辿り着いたと思っています。

peko袋は私の雑な使い方ではすぐ小さな穴が空いてしまいましたが、そこから裂けていくようなことがないため使用には全く問題なく、生地が薄いのでかなりコンパクトに圧縮できるのが秀逸です。

ダミーローターとりんりんバンド

オルトリーブのダミーローターはゴムバンドと一体になっていてブレーキに固定できるので紛失の恐れが少なく使い勝手が非常に良いです。りんりんバンドはフック付きのゴムバンドでフレームと前後ホイールの固定に使用します。ゴムなので勝手にテンションがかかってくれるため一度固定するとズレにくいのが素晴らしいところです。

いずれも隙間に押し込むように雑にしまえるのが最大の魅力で、peko袋のスタッフバッグに難なく収納できます。オルトリーブみたいな平紐は上手く畳んでも結構嵩張るので使わなくなりました。ダミーローターとりんりんバンドはもう変える理由がないくらい洗練されたアイテムだと思います。

 

ディスクローターの養生は省略し、汚れとフレームの傷予防でスプロケットだけ簡単に養生しています。クッションがあるものは嵩張るので、100均のシャワーキャップや今回のような不織布のキャップを使ったり、基本的には薄くて小さくできるもので軽く覆っている程度です。

コンパクト&軽量な輪行セット

ショルダーストラップはある意味輪行の要となるので、丈夫で長さの調整が簡単なものを使います。流石にスタッフバッグに収納するのは困難ですがこのように巻きつけることを思いついて解決しました。この状態で350ml缶を一回りスリムにしたくらいの大きさで、実測値で240gです。この重量でホイールとフレームの固定、スプロケットの養生まで出来るので我ながらかなり優秀なシステムだと思います。

横型輪行でも自転車を立てられる

ショルダーストラップは駅構内の移動に関わるほか移動中の固定にも使えます。横型輪行はエンド金具不要な代わりに嵩張るというのが欠点とされていますが、ハンドルとフロントフォークを下にして立てると3点保持になるので縦に置いておくことも可能です。

そしてショルダーストラップが輪行の要となる大きな理由は、デッキの手すりやドア横に立て掛けた時に片方を外してこのように簡易的な固定ロープとして使えるからです。

この写真はサンライズ瀬戸のデッキに置かせてもらった時の写真ですが、ストラップを手すりに固定しているのでびくともしません。特急で一番後ろの席が取れなかった時もこの手を使いますが、人が多少当たっても倒れたことは一度もありません。

試行錯誤は必要過程

1時間半近く頭を悩ませた挙げ句、あとは行ってみるしかねぇ!と半ば見切り発車で決行したものの、今回の装備はほぼ過不足なくキャリアを用いずリュックを背負わないバイクパッキングスタイルの最小の形になりました。

強いて言えばウインドブレイカーがあればノマドパーカを省略できたかもしれないということと、いよいよとなればボトルケージを外し、フレームバッグを拡張して前三角全てを収納に使うことでさらに余裕をもたせることもできたのでまだ余力はありました。

登山と同じで、どんなに思考を巡らせても実際に山行や旅をしてみないと荷物をブラッシュアップすることはできないので、ある程度考えた後は経験を積んでみるしかありません。自転車旅は積載が難しいと感じますが、最悪コンビニでなんでも揃う時代なので思い切って装備を削って攻めてみるのも一つです。

紆余曲折したなかで辿り着いた一つの正解のまとめでした。