山と自転車

登山や自転車に関することを綴っています

【レビュー】ソロストーブが大好きなので日本未発売のソロストーブMESA XLを個人輸入した話。焚き火×チェアリングのススメ。

前章:キャンプと焚き火の話

今回はキャンプ道具・焚き火台の紹介です。一応自転車に関連するっちゃします。例によって自分語りの駄文なので読み飛ばしてください。

山ヤの私にとってはキャンプは勿体なく感じてしまう

私は登山にがっつりハマる前、ちょうどゆるキャンの影響でじわじわと世にキャンプブームが訪れ始めた頃にキャンプにハマっていました。

登山にどっぷり使ってからはキャンプで1泊2日できる時間があったら泊まりの山に行けるじゃんという発想になってしまいました。寝て起きた日は撤収して終わりになるキャンプは誤解を恐れずにいえば勿体ない。そんな風に感じるようになりました。なのでキャンプはしたいけどその時間が確保できたら日帰りじゃ厳しい登山体験や自転車旅を選んでしまい、キャンプからは遠ざかってしまいました。

では日帰りのデイキャンプならどうかって?キャンプで酒を飲まないのは不可能なので寝るしかないだろ。

でも焚き火はしたい

しかしキャンプで一番好きだった焚き火は他に代えが効きません。じっと焚き火を眺めながら酒を飲んだり本を読んで過ごす楽しさといったら…ハァハァ。しかしキャンプとなると上記。

alu.jp

そこで私は閃きました。チェアリング×焚き火。チェアリングは酒抜きでも楽しいことはもう知っているので、これなら私にとってのキャンプのデメリットをクリアしつつ一番のメリットが確保できます。この発想、天才のそれ。

SOLO STOVEについて

焚き火がしたくてキャンプをしていた頃、様々な焚き火台を調べているなかで炎の美しさに魅了されて行き着いたのがSOLO STOVEでした。SOLO STOVEはもともとはキャンプ用の焚き火台ではなく、ハイカーが携帯できるサイズかつ現地の枯れ木などの燃料を使用して野営ができるようにと開発されたネイチャーストーブです。

ネイチャーストーブ自体は様々なメーカーから出ていますが、SOLO STOVEは独自の構造により極めて高い燃焼効率と二次燃焼による美しい炎を楽しむことができる唯一無二の存在です。現在では他メーカー製の類似製品があり、さらにあのモンベルが折りたたみ式ながら同様の構造により二次燃焼を楽しめる焚き火台を発売したことも話題になりました。

ソロストーブの燃焼効率は凄まじく、薪をくべてもくべてもほぼ全てが灰になります。不完全燃焼が起こりづらいので煙が圧倒的に少ないことも特徴です。

SOLO STOVE 二次燃焼による美しい炎

solostove.jp

初代:SOLO STOVE TITAN

私が初めて購入したSOLO STOVEはTITANという、二番目に小さいサイズでした。

SOLO STOVE TITAN

サイズ感はコーヒー豆のキャニスターくらいの大きさで、薪をそのまま入れるには小さいものの携帯性に優れており、付属のゴトクを使えば調理も可能なバランスの取れたモデルです。当時1万円ちょっとだったと思います。サイズが小さい分中断したければすぐに中身を全て捨てて鎮火できるのも扱いやすいポイントでした。欠点は上記の通り中身が溢れてしまうので、美しい二次燃焼の炎を楽しめるのは終盤になり内腔が空いてきてからというところでした。

TITANによりSOLO STOVEにすっかり魅了された私は、薪をそのまま投入できる大きさのSOLO STOVE RANGERを購入することを決意しました。

2代目:SOLO STOVE RANGER

ということで社会人3年目の時に購入したSOLO STOVE RANGERです。薪がそのまま打ち込める、持ち運びは胸の前に抱えるくらいのサイズです。

SOLO STOVE RANGER

SOLO STOVE RANGERは携帯性を大きく犠牲にすることで薪を割らずにそのまま飲み込む器の大きさを実現し、あの美しい炎はそのままにド派手な焚き火が楽しめる最高のギアでした。ちなみにこれでも3番目に大きいモデルなので流石のアメリカ。これ以上大きいサイズのBonfire, Yuconになると重量は10kgを超えてくるので持ち運びという発想はなくなり、自宅の庭に据え置きにするような使い方になります。

SOLO STOVE RANGER ド派手な二次燃焼

非常に気に入っていたRANGERでしたが、唯一にして最大のネックはそのサイズ。折りたたむことも分解することもできないのでとんでもなく場所を取ります。転勤族が終わり拠点を構えられることがあったら買い直すことにし、東京への引っ越しに合わせ手放しました。

3代目:SOLO STOVE MESA

RANGERを売ったお金で、TITANとRANGERの中間のCampfireというサイズのものを買おうかと久々にSOLO STOVEのことを調べた時に出てきたのが今回紹介するMESAというモデルでした。

SOLO STOVE MESA UPI ONLINE STORE 商品ページよりhttps://store.upioutdoor.com/products/solo-mesa

・サイズはTITANと同等

・カラーバリエーション展開になった(4色+スティール)

・底部の外気取り込み穴が細かく複数配置されている

・卓上で使えるスタンドがセットになった

・底部に目が細かいロストルが標準装備されペレットが使用できるようになった

外観の好みの差はあれ、スペック的には通常モデルの完全上位互換と言えそうです。さくっと手軽に焚き火を楽しむという目的にはペレットが使えるのは大きく、これにしようかと思ったものの一度サイズの不満で手放したTITANと同サイズというのが引っかかります。まあ素直にCampfireにしようか…でも目新しいMESAが気になる…

そして私はそんなMESAについて調べていたら知ってしまいました。CampfireサイズのMESA XLというモデルが存在することを。そして同時にそれは日本未発売であることを。

SOLO STOVE MESA XL

そうだ、個人輸入しよう

日本未発売ということは海外、本国アメリカでは売っているということです。しかもアメリカのAmazon.comで販売されているので個人輸入のハードルは極めて低いです。求めていたサイズCampfireの上位互換モデル、さらに日本未発売のSOLO STOVEという付加価値もあるMESA XL。迷わず個人輸入を決めました。ロードバイク乗りにとっては海外通販サイトから個人輸入するなど日常茶飯事なので何の抵抗もありません。

Amazon.com

Amazon.com

個人情報に関わる部分は黒塗りしてありますが、Amazon.comの画面はこんな感じです。そう、見慣れた日本のAmazon.co.jpと殆ど変わりません。日本語翻訳こそできませんが、他国語に変換することもでき、素晴らしいのが日本円に変換して表示してくれること。

Amazon.com 商品ページ

商品ページです。記事作成時点で日本円で13026円。右側に輸入するための関税等の追加費用2468円が加わることが明記されています。最終的に購入ページで両金額が合算されるので、手元に届く際に関税を払ったりする必要がありません。支払いの段階で総額が分かります。MESA XLは私が購入したときで総額15000円ほどで、国内でCampfireを買うのと大差ありませんでした。個人輸入したものを高額転売している(3万円ほどで)出品が散見されますが、個人輸入のハードルが低いのでそれらには手を出さないようにしてください。

やることはAmazon.comのアカウントを作り(日本のAmazonとは別)、通常通り注文するだけです。配送のおおよその時期も記載されています。さすがに日本Amazonのように数日では届きませんが、2,3週間程度と思っておけば良いです。発送される段階になってカードが引き落とされるようなので最初は処理されないと思います。

ちなみに配送状況の照会は可能ですがガバガバです。ずっと発送されないと思ったらある日カードが引き落とされ、確認するとすでに国内に着いていたりします。この辺はむしろ日本が几帳面過ぎるんだと思うようになりました。

SOLO STOVE MESA XL 開封の儀

前置きが長過ぎました。陳謝します。ようやく本題のMESA XLのレビューです。

注文からちょうど3週間ほどで手元に届きました、これが日本未発売のSOLO STOVEです!!

いつものペラペラ収納袋とステッカーになっているタグ。

中身は本体、整流リング、そしてMESAから付属するようになったスタンドです。気持ちばかり折りたたみ機構が着いており、MESA本体内に収納できるようになっています。

中身です。前述の通り目が細かいロストルが標準装備されているのでペレットが使えます。といっても今はサードパーティ製・個人制作ののペレット用ロストルが各サイズ用に作られているので、これを目当てに買い替えるのであれば対応サイズのロストルを買うんで良いと思います。

組み立てた図。このスタンドのおかげで卓上、木製テーブル上でも使用できるということでした。アメリカ人の言うことなので正直信じていませんが。

サイズ感

500mlペットボトルと並べるとこんな感じです。3台使ってきた私がようやくたどり着いた最適解です。

SOLO STOVE MESA XL火入れ

いよいよ火入れします。ブロンプトンにHelinoxのチェアワン、SOTOのフィールドホッパー、SOLO STOVE MESA XLを積み込んで多摩川の郷土の森公園バーベキュー場に行ってきました。

多摩川サイクリングロード沿いにあり、無料かつ予約も不要で使える今どき珍しく非常にありがたい場所です。直火は禁止ですが焚き火台や火気使用は認められています。トイレと水道はすぐ近くにあり、ゴミは持ち帰りが必須です。

寒い日でしたがファミリーからソロキャンパーまで賑わっていました。

ほとんどチェアリングと変わらないスタイル。SOLO STOVE MESA XLはブロンプトンのフロントバッグ(Cバッグ)に収まるサイズ感です。

燃料のペレットは途中のホームセンターで買いました。「燃料用」と銘打っているペレットは都内のホームセンターではなかなか見かけませんが、ペットのトイレ用のペレットはだいたいどこにでも売っています。気持ち的に若干の抵抗感が無きにしもあらずという感じですが、モノは一緒です。5kgの米くらいの大きさで900円ほどとお手軽。

ペレットは今回初めて使うのですが、着火に非常に手間取りました。ライターと枯れ木くらいですぐ火がつくかと思いきや焦げるだけで全然火が上がりませんでした。ポケットバーナーを持ってきていたので、辛抱強く当て続けていたらガスが切れる頃にようやく火が立ち上がってきました。ペレットを使用する場合は着火剤ないしバーナーは必須です

この日使ったのは先輩にもらったSOTOのマイクロトーチという、バーナーながらZippo2つ分くらいの超コンパクトサイズ、そしてガス充填式でCB缶から充填できるという経済性も併せ持つギアです。初めて使用しましたがとりあえず忍ばせておくには非常に優秀でした。

使っているテーブル、フィールドホッパーはソロ「キャンプ」にはさすがに小さいですがチェアリングくらいではぴったりです。ウルトラライト系のテーブルに比べると重量はありますが日帰り登山なら許容できる程度の重量、1秒未満で展開でき、2秒で畳める手軽さでとりあえずコンパクトテーブルを持っておきたい人におすすめです。

炎とブロンプトン。特撮みたいです。

しかしペレットは薪のように飛び出すことがないので二次燃焼による炎を遮ることがなく、最初からこの美しい炎を見続けることができます。内側の空気取り込み口の真下まで、いっぱいにペレットを入れた状態で燃焼時間は1時間強くらいでした。

うーん、えっちだ…ハァハァ…

見てくださいこの美しい炎を!!!!!私を魅了して3台も買わせたSOLO STOVEの魅力を!!!!!

写真で見ると小さく見えますが、大きさの割に非常に暖かかったです。暖かさは想像以上でした。SOLO STOVEは真上は暖かくても周囲がそれほど、というのが定説でしたが本体の半分より上の範囲は側面でも暖をとるのに十分暖かかったです。

地面の上ですが実験的に一応スタンドを使っています。熱を伝えないという意味でもさらにロー・インパクトなのでこれは結構良いかもしれません。

恐る恐る底面と地面の間に手を入れてみました。

アッツ…………くない…だと…!?!?

信じられないことに、ほのかに暖かいのみで、全く熱くありません。これは木製テーブルどころか冷凍したもも肉の上でも使えるレベルです。アメリカ人ってだけで疑ってごめんな、USAは素晴らしいぜッ!!

ちなみにペレットを追加する時は少しずつ追加しましょう。火が立ったことに甘んじて初期状態と同じところまで大量に投入したら不完全燃焼で白煙が立つだけのクソ有害な鉄壺が爆誕しました。隣人にCB缶を借りてバーナーをチャージして再着火する羽目になりました。ご注意を。

感想・まとめ

SOLO STOVE MESA XLについて

SOLO STOVEの理想のサイズはどれか論争は様々な意見があり議論が活発な世界です。正解はもちろんありませんが、TITAN, RANGER, Campfire(MESA XL)と3サイズ使った私としてはCampfireサイズが最適解だと革新しました。そしてペレット、着火に思ったより火力が必要でしたが持続時間が長く補充も容易なのでSOLO STOVEの炎を楽しむにはこれ以上ない燃料だと思いました。

(ぶっちゃけペレットを使うなら「すぐ燃料が燃え尽きてしまう問題がカバーできるから一番小さいLITEやTITANでも良いのでは」「その意味ではTITAN相当のサイズで国内で普通に手に入るMESAが最強なのでは」という邪念が浮かんできました。)

まあサイズなんてなんでもいいからSOLO STOVEの炎を一度見てみてください。

チェアリング×焚き火について

これは半日程度でできるものとしては最高の外遊びです。発想が天才のそれでした。気分はしまリンです。

alu.jp

ロードバイクでは格好や積載量の問題で現実的でないかもしれませんが、ブロンプトンなど普段着で乗る自転車である程度積載ができれば(カゴがあるくらいで十分です)この神の遊びは目の前です。サイコーです。2024年始にして素敵過ぎる野遊びを見つけてしましました。良い年だなぁ。

MESA XLの記事ですが携帯性を考慮すると初めてのソロストーブならばTITAN相当でペレットが使えるMESAがおすすめかなと思います。自転車やハイキングで持ち運ぶ気持ちでいるとCampfire、MESA XLは大きいと感じると思います。

SOLO STOVE TITAN

SOLO STOVE Campfire

SOLO STOVE RANGER

SOLO STOVE MESA