ブロンプトンで利尻島一周サイクリングをした後にフェリーで礼文島に渡り、最北限のスコトン岬に宿泊して1泊2日で礼文島を巡ってきました。
↓利尻島サイクリング編
巡ったルート
初日:礼文島上陸(13:15鴛泊港→14:05香深港)→路線バスで香深フェリーターミナルから船泊病院前まで移動→ブロンプトンでスコトン岬(民宿スコトン岬に宿泊)
2日目:スコトン岬→澄海岬→礼文空港→香深フェリーターミナル→礼文島温泉うすゆきの湯(全てブロンプトンで移動)
初日は利尻島一周の疲労があったため路線バスを利用しました。北端のスコトン岬まで通っているのですが、ちょうど良い時間のバスは船泊病院前というバス停までしか行かない便だったのでそこから7kmほどは自走しています。2日目はゆっくり起きて澄海岬まで自走した後はバスを利用する予定でしたが、早朝に目が覚めてしまったので自走でフェリーターミナルまで帰りました。
ちなみに礼文島は道路が走っているのが主に東側のみなので利尻島のように島一周サイクリングというのは不可能です。島の西側は道路がなくトレッキングルートのみなので自分の脚で辿り着くしかありません。
礼文島へのアクセス
空路がある利尻島と異なり、礼文島に渡るには稚内もしくは利尻島からフェリーを使って上陸します。稚内からは約2時間の航海、利尻島からは鴛泊(おしどまり)港と沓形(くつがた)港の2ヶ所ありますがいずれも40-50分程度です。
詳しくは過去記事にめちゃくちゃまとめましたので見ていただけると幸いです。
利尻島から礼文島に渡りスコトン岬を目指す
利尻島一周後は13:15分の鴛泊発のフェリーに乗って礼文島に渡りました。フェリーは自動車やオートバイを乗せる場合には予約が必要なようですが、自転車・徒歩では必要ありません。
ブロンプトンは大型キャリーケースなどを置く場所に案内されました。追加料金はありませんでした。
船内は横になれるようカーペットが敷かれています。他にも普通の座席になっている場所や、指定席や個室などもあります(要予約)。
利尻島のペシ岬を後にします。今回の旅ではもう利尻島には戻って来ないので悲しいです。
香深フェリーターミナルからスコトン岬へ
45分程の船旅を経て14時頃、礼文島に到着しました。事前計画ではここから久種湖畔キャンプ場まで自走してキャンプする予定でしたが、翌日が曇りの予報になっていたので晴れているうちにスコトン岬に行くべく、一気に移動するよう計画変更しました。久種湖畔キャンプ場を早朝に出てスコトン岬に行くのもアリでしたが、利尻山登山→キャンプ→利尻島一周サイクリング→礼文島と来て、とてもキャンプなどしたくねぇという気持ちになっていました。事前計画では実際に生じる疲労を考慮していない自転車旅あるあるです。
そこで急遽宿を確保します。スコトン岬に民宿があったのを思い出し、楽天トラベル経由で見てみると素泊まり9500円で空きがありました。9500円でキャンプが回避できて布団で寝られるなら迷う余地はありません。楽天経済圏で蓄えたポイントを解き放つ時が来た。
路線バスを利用しスコトン岬へ
礼文島内には信じられない&ありがたいことに路線バスが走っています。南端はフェリーターミナル、北端はスコトン岬まで島の南北を繋ぐバスです。意外と本数があってバス停も多いので時間さえ把握しておけば徒歩でも十分に島巡りに使えます。4番目の便はスコトン岬までは行ってくれないことに注意です。
スコトン岬行きの最終便を待っても良かったのですが、どうせならスコトン岬でも日没を見たかったので4番目の便に乗り行けるところまで行って、そこからスコトン岬までは自走することにしました。
荷物はコインロッカーにデポ
またまた当初の計画から急遽変更です。荷物を全て積載して行く予定でしたが、最低限の着替えと電子機器のみ残してフェリーターミナルのコインロッカーにデポすることにしました。
食事の確保が死活問題 事前調達がオススメ
すみません、大事なことを書き忘れていました。礼文島先端、スコトン岬周辺には民宿スコトン岬が営む島の人というお土産店を除き、飲食店や食料を調達できる場所がありません。いやいや観光地だから何かしらあるっしょと思っていた時期が私にもありましたが本当にガチでありません。
民宿も現在は食事の提供をしていないため事前に調達しておくか、島の人の営業終了17時までに辿り着いてお土産品を買うほかありません。私はお土産品を買いましたが、正直言って高いしご飯になるものは約2000円のイカ飯くらいなので事前調達すべきだったと思いました。頼りのセイコーマートは当然礼文島にもあるのですが南側の香深店1店舗のみです。そのためセイコーマートで食料を調達→その比較的近にある手然(てしかり)バス停からバスを利用するのがオススメです。
船泊病院前から自走
スコトン岬まで行ってくれない4番目のバスの終点は船泊病院前という、久種湖の近くの停留所でスコトン岬までは7kmの位置です。
目指すはあの島の先端です。ちなみに写真の一番右端に写っているのはトド島という無人島です。
なんだ、あのヒルクライムは…
スコトン岬直前にクライムスポットがあります。疲労が溜まりきった身体が全力で拒否を示しています。
写真を撮るために仕方なく脚を付きます。写真のためにね、仕方なくね。
登り切って一枚。ちょっとした高台でも一気に視界が広がります。
無人島、トド島。写真左の屋根のある建物が目指しているスコトン岬です。
日本最北限 スコトン岬
絶望のヒルクライムを制するとスコトン岬までは目と鼻の先です。
売店「島の人」。17時閉店ですがギリギリ間に合いました。民宿の受付はこちらで済ませます。
最北限独り占めです。ちなみに最北端ではなく最北”限”です。かつては日本最北端を名乗っていたそうですが、のちの測量調査で宗谷岬が最北端であることが判明したためスコトン岬は最北限を名乗るようになったということです。
この前日の利尻島でサイドが裂けていることが判明し応急処置をしたフロントタイヤです。見るたびにチューブの飛び出し量が増えていてサドンデス状態です。こわすぎ。とりあえず3Barくらいまで下げてお茶を濁します。
↓初日走行ログです。
民宿スコトン岬
スコトン岬から階段を降りた崖の下のような場所にあるのが民宿スコトン岬です。宗谷岬にも民宿があるので残念ながら日本最北端の民宿ではないのですが、こちらの方がよほど北の果ての雰囲気があります。
玄関です。
玄関から続く廊下、マッサージチェアが2台あります。
部屋は玄関から見て右の方向の崖側でした。この窓の正面には…
なんと利尻富士が見えます。
本日の部屋です。ああ、畳に布団!最高!ツエルトで狭苦しく所持品に囲まれて寝なくて良いんだ!ストレッチできるんだ!冷蔵庫やトイレ・風呂は共同で、部屋にはエアコンはありません。外は涼しいのですがこの部屋は風通しがあまり良くなかったので少し暑かったです。
下のフロアには食堂と
共用キッチンがあります。食器や調味料は自由に使えます。また写真中央の米も好きに食べて良いとのことでしたので、最悪米を炊いて部屋にある梅昆布茶でお茶漬けが作れるので食料確保に失敗していても飢え死ぬことはありません。
食堂の外に出ると風呂の小屋があります。
風呂はこの通り、開放感しかない。男女別に分かれていて、浴槽の大きさ的に同時に入れるのは2人が限界です。あ、もちろん窓は目隠しできるようになっています。
スコトン岬から夕焼けを見る
民宿のさらに先には
水平線と日没を眺められるポイントがあります。
利尻富士も見える
利尻島に居る時はなかなか姿を現さなかった利尻富士ですが、この日はよく見えていました。スコトン岬は礼文島の西側なので利尻島全体は見えませんが。
本日の夕食は島の人で購入したイカ飯とトド肉の缶詰です。ビール込みでこれで4000円くらいです。食料を事前調達した方が良いと言った理由です。
このトド肉缶詰は肉の臭みを抑えている書かれていましたが、臭みを抑えてこれか…という感じです。やっぱ豚とか牛って優秀だなぁ。
2日目 澄海岬を目指す
礼文島の朝
せっかく宿を確保したので9時くらいまで惰眠を貪る予定が、5時頃に目が覚めてしまいました。普段8時間くらい寝ているのですが、環境が変わると長時間眠れなくなる残念なサガです。
あれ、今日曇予報じゃなかったっけ?
海の水平線から登る太陽なんて見たことがありません。晴れるんじゃ夜明け前に起きておけばよかったな。
早朝の利尻富士です。登山でも利尻島一周でもロクに見られなかったのでこれでもかと写真を撮ります。
鮑古丹方面の道に寄り道すべし
再度天気予報を見るとどうやら10時頃から曇り始めるようです。もしかすると晴れた状態で澄海岬を見ることができるかもしないので7時前に宿を発ちました。澄海岬は来た道を下って戻れば良いのですが、鮑古丹方面への道が舗装路だったので寄り道してみました。少しアップダウンがありますが最終的には元来た道に繋がるので、ここはぜひ寄り道するのをおすすめします。走ったコースは↓の画像の通りです。
ある程度進むと鮑古丹方面の道はトレッキングコースになります。
登り切ると視界が開けスコトン岬とトド島がよく見えます。
う…
うひょ〜
超景色!!!!!
トド島展望台
ピークに当たるトド島展望台です。
こうして見ると昨日走ってきた道路とは結構標高差があります。
そして最後はこんな感じの舗装路を一気に下って下界の道路に合流します。
澄海岬へヒルクライム
スコトン岬から5kmほど戻ってくると澄海岬方面への分岐点が現れます。路線バスの浜中というバス停がすぐ近くにあるので、帰りはここからバスに乗って帰るつもりでした。別に一度バスの味をしめたからって走る気がなくなったわけではありません決して。
ここから澄海岬まではトレッキングコースだと思いこんでいましたが、澄海岬までちゃんと舗装路続きです。そしてまたヒルクライムです(怒)。休まずに連日山登りやサイクリングに興じているので登り抵抗がほんのわずかでも発生すると私の脚は極めて鋭敏に感知します。5%の坂でも全面降伏無血主義。登り抵抗がなくなるまでひたすら押し歩きます。
登り切ると澄海岬までダウンヒルです。帰りまた登らなきゃいけねえのか。
イメージとだいぶ異なりますがこれが実際の澄海岬です。嘘ですここから階段を登った先に澄海岬はあります。自転車を連れていけるのはどうやらここまでのようです。
澄海岬の礼文ブルー
ただでさえない脚を売り切れにしようやく辿り着きました澄海岬。名前が最高。なんてったってスカイ岬。早く出てきた甲斐があって晴れているうちに到達することができました。その名の通り非常に透明度の高い海が見られる場所で、夏は翡翠色のような通称礼文ブルーを見ることができます。
これが礼文ブルーだ!!!!!
自走でフェリーターミナルに戻る
目的の澄海岬まで制覇したのであとはバスで帰るだけ。しかし予定より早く宿を出たため浜中にバスが来るまであと2時間近くあります。どう考えてもちんたら漕いでも2時間経ったらフェリーターミナルに着くのは間違いない気がします。
日本最北端の空港 礼文空港
どうせ自走するなら礼文空港に行ってみよう。現在は休止中ですがここは日本最北端の空港です。休止した、いわば廃墟状態の空港なんて滅多に見られるもんじゃありません。まあまたヒルクライムなんですけど(怒)。
ハァハァ…ハー…ハー…澄海岬の往復で完全に脚を売り切ったので押し歩きすら地獄です。もう嫌だ帰りたい。
滑走路が見えてきました。もしかしなくても空港まで下り坂です。
また帰り登るのか(怒怒)。
しかしここまで来て引き返したりはしません。無人空港となった礼文空港前で一枚。
海に沿うように敷かれた滑走路です。ここ礼文空港は海路が断たれると孤島と化してしまう礼文島の弱点を補うべく約50年前の1978年、利尻空港開港の16年後に開港しました。礼文島と稚内を結ぶ空路として稼働していましたが、平均搭乗率30%という低迷により2003年をもって休止され現在に至ります。強い横風による欠航が多かったのがその理由と言われています。復活を願う礼文島民や北海道庁の人々が維持に努めているため「廃止」ではなく「休止」になっているそうです。
セイコーマート香深店
澄海岬と礼文空港を除きスコトン岬からフェリーターミナルまでの道は平坦で距離も25kmほどなので順調に戻ってきました。昼食はまたまたセイコーマートのHOT CHEFを利用します。今回はグルメを求めている旅ではないし私はウニが好きなわけでもないし、セイコーマートも北海道ならではなのでこれでいいんです。
これ”で”いいと言いつつ、セイコーマートの豚丼はわざわざ好き好んで食べる価値があります。
このポテトもやたら旨い。マックみたいな細いポテト派ですがそんなの関係なく旨い。
礼文島温泉うすゆきの湯
私には立派な脚とブロンプトンがあるので、乗ろうとしていた浜中10:37発、フェリーターミナル11:16着のバスより早く11時にフェリーターミナルに到着しました。フェリーターミナルから徒歩5分ほど、12時オープンの礼文島温泉うすゆきの湯を利用します。
ここも利尻山麓の利尻富士温泉と同じくサウナ水風呂ととのいスペース完備の素晴らしい温泉です。稚内行きのフェリーは14:20発なのでゆっくりととのいました
走行ログ
礼文島まとめ
・フェリーターミナルからスコトン岬へ路線バスがある。
・道路は基本島の東側のみ。
・スコトン岬周辺に飲食店は皆無。
・セイコーマートは香深に1店舗のみ。
・基本は平坦な道。
・スコトン岬、澄海岬、礼文空港はヒルクライムが待っている。
・民宿スコトン岬は唯一無二な立地でオススメ。
・トド肉は好き好んで食べる味ではない…かも。
・鮑古丹方面への道はぜひ寄り道すべき。
・澄海岬は晴れるタイミングを狙いたい
・道路は海沿いだが景色は利尻島の方が断然良い。
・礼文島温泉うすゆきの湯はサウナーも満足できる。
・礼文島はトレッキングコースがメイン
・トレッキング抜きならスコトン岬と澄海岬に絞るのがオススメ
利尻島→礼文島と宿泊して、自転車やオートバイで巡るのが適した利尻島に比べると礼文島はトレッキングをメインに楽しむ場所だと感じました。道路状況も島一周に張り巡らされているわけではありませんし、今回のスコトン岬と澄海岬は舗装路で到達できましたが島の南側の景勝地は基本的にトレッキングコースを経ないと行くことができません。全ての景勝地を自転車・自動車で一気に回ることはできないので、礼文島の北側と南側の観光は分けて考えた方が良さそうです。今回は自転車移動ということもあり北側のスコトン岬と澄海岬に絞りましたが、もしもう1日礼文島に泊まるならば次の日は南側のトレッキングをしていたと思います。
例によって長文になりましたが礼文島編終了です。