HEXER UL4
先日の自転車旅&登山で使用して良い感じだったので紹介します。
HEXER UL4は「冒険者たちへ、高性能を限りなく小さく軽く。」というコンセプトで開発された登山用LEDランタンです。とあるネット記事でその存在を知ってからすぐに気になってしまい気付いたら手元に届いていました。
スペック・仕様
より軽量なUL3とバッテリー容量の多いUL4の2種類が展開され、カラーバリエーションはいずれもブラックとホワイト。縦向きにも横向きにも自立する六角形の棒状のスリムボディにIP66の耐暴噴流&粉塵性能、厳冬期の雪山でも動作する対応温度、とアウトドア環境においては死角なしのスペックです。さらに底面にはマグネットと折りたたみ式のカラビナが搭載されていて、様々なシチュエーションで光源として利用可能です。発光モードによりますがUL4では最長380時間という超ロングランに加え充電端子はUSB-Cとなっており現代的なスペックです。
そして面白いのが発光モードのカスタマイズです。発光パターンが複数あるのはヘッドライトにせよランタンにせよ珍しいことではありませんが、UL3&UL4はデフォルトの7パターンの発光モードのうち使わないものを削除することができます。
外観
気付いたら家に届いていたUL4です。ブリスターで製品を見せつつひと目でスペックが分かるようになっていて、色使いも含め非常に好みのパッケージです。
HEXER UL4本体と保護キャップ2種類、収納袋。写真にはありませんが充電ケーブルも付属しています。写真は保護キャップを装着している状態ですが、オレンジの保護キャップは虫が寄ってきにくくなる低誘虫キャップです。SOTOの虫の寄りにくいランタンと同じような効果があります。この収納袋はただの袋ではなく、モンベルのランタンシェードのようにUL4本体に被せることで光が散乱しランタンに早変わりする機能が備わっています。
iphone 12 miniとの比較。手のひらサイズで重量は実測で102g、ほぼカタログスペック通りです。手に持ち易い形状で、製品としてはランタンですが最大光量も十分明るいので行動中にも普通のライトとして使えます。
側面には電源ボタンと発光モードを切り替えるボタンが付いています。六角形なので横向きにしたときに安定し転がっていかないのが素晴らしいところ。
底面には折りたたみ式のカラビナと充電端子があります。
電源を入れると一定時間バッテリー残量を表すインジケータが発光します。
発光モードのカスタマイズ
前述のようにUL4には使わない発光モードを削除する機能が付いています。7種類も発光パターン使わないなと思っていましたし、発光パターンの切り替えはボタンを押して順番に切り替えていくしかないので届いた当初はめちゃくちゃ使いづらいのではと危惧しましたが、そこはちゃんと考えられています。私は1の全灯モード、2の前方1灯モード、3の側方全灯モード、5のオレンジ灯モード、の4種類のみにしています。
前方1灯モード。分かりやすいようにかなり露出を落として撮影していますが、実際の光量は夜間テン場からトイレに行くのに過不足ないくらいです。
側方全灯モード。白色灯とオレンジ灯が交互に配置されています。
全灯モード。非常に明るくテン場の歩行時には憚られる光量です。
電源ボタンを長押しすることで光量が無段階に調節できます。
ランタンとしての使用
付属の収納袋兼ランタンシェードを被せた状態です。
写真では分かりづらいかもしれませんが、シェード内で光が分散して全体が淡い光に変化します。
使用例
先日の利尻島キャンプで実戦投入です。
ベンチ近くで設営し、ベンチに座りながら食事を摂りました。UL4の底面はマグネットになっているので金属の手すりにくっ付けて食卓の灯りとして利用しました。純粋な自然環境の中でマグネットが生きる場面はあるのかなと思っていましたが、意外なところで役に立ちました。あとはオートキャンプで車にくっ付けたり、炊事場で柱に付けたり、役立つ場面は結構ありそうです。
また別の日、軽食を摂る際にカラビナを使って自転車に引っ掛けています。ザックにせよテント内にせよ、この使い方がちょっとした場面で非常に役立ちました。
HEXER UL4を使用した感想
良いところ
・スリムな形状が良い
手に馴染むスリム&棒状の形状なのでランタンというよりも普通のライトの感覚です。寸胴のランタンはパッキングにおいて邪魔になりがちなので嵩張らないのは良いところです。
・カラビナ&マグネットが便利
使用例のように、この機能があることで助けられるシーンは多そうです。特にマグネットは他に例を見ないので、面白い使い方ができる予感がしています。ザックにぶら下げておけばある程度はヘッドライトの代わりになりますし、自転車に乗る時にはメッセンジャーバッグやサドル下にぶら下げて点滅させればかなり目立つので夜間のライドにも役立ちます。
・白色灯とオレンジ灯が切り替えられるのがGood
登山中は視認性の高い白色灯が良いですがテント内で過ごすなら暖色系が良いので、この切り替え機能はありがたいです。ヘッドライトではテン場での移動用の赤色灯モードが備わっていることもありますが、白色灯と暖色灯が両方使えるもので登山ユースに許容できるものはあまり例がありません。
・発光パターンのカスタマイズはナイスアイデア
ボタンで切り替えるシステムは最初に戻るのにボタンを何度も押すことになるのがネックですが、発光モードを絞ることで一般的なヘッドライトと同等の操作感に近づきます。
・ライト兼ランタンとして優秀
ヘッドライトをランタンとして代用するのは多くの人がやっていると思いますが、進む道を照らすことに重点がおかれたヘッドライトはランタンとしては使い勝手がよくありません。UL4はランタンとしての使用が元々想定されて暖色灯モードまで付いているので、1つで複数の役割を担う点でまさにウルトラライトの理念にマッチしています。
悪いところ
・遠くを照らすのには向かない
良いところの裏返しになりますが前方を遠くまで照らすのはヘッドライトには及びません。ただし光量が多いので実用的に困るかというとそんなことはないと思います。あくまで比較すれば、という話で登山時に先の路面状況を確認するくらいなら十分です。
・意外とずっしりしている
100gという数字だけ見れば軽量なのは間違いありませんが、コンパクトなボディゆえに思ったよりずっしりと重さを感じます。ザックにぶら下げた時にも重量を感じるほどではありませんが、良くも悪くも存在感があります。ヘッドライトの代わりという役割が薄い&ランタイムがもう少し短くて問題ないのであれば40gほど軽量なUL3が良いかもしれません。
・ボタン操作を忘れる
これはまだ慣れていないだけかもしれませんが、2つのボタンで電源オンオフ、発光モードの切り替え、点滅モードの切り替え、光量調整、使わない発光モードの削除、といった操作があるので最初は戸惑いました。特に点滅モードの切り替えの電源ボタンダブルクリックがどうにも慣れません。長押しで光量調整というのもイマイチ馴染みません。
※というのを記事に書いたら記憶に残るかなという意図も込めて書いています。
まとめ
荷物を取捨選択するのが本質となる自転車旅や登山においては、1つで複数の役割を担ってくれるのが理想的な道具です。光源は安全とQOLに直結する部分なので、荷物の隙間に忍ばせておけるUL4はとても理にかなった製品だと思います。