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【レビュー】パーゴワークスFOCUS Lはpeak design captureに並ぶ、登山におけるカメラ携行のもう一つの最適解だった!

パーゴワークスは良いぞ!

昨年に日帰り登山に30Lザックって大き過ぎるのでは?と疑問を持ったことをきっかけにパーゴワークスのBUDDY22というザックを購入したのですが、これがすこぶる気に入ってすっかり同社のファンになってしまいました。

↓過去記事

www.mount-road.com

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peak designのcaptureが最強だと思っていたけれど

上記の記事でも書きましたが、BUDDY22はショルダーハーネスがかなり幅広のため、私が元々登山中のカメラ携行に使用していたPEAK DESIGNのcaptureが使えなくなりました。正確には取り付けられるのですが通常のザックに比べかなり高い位置に来てしまうので使い勝手が悪くなってしまい、これがBUDDY22の数少ない悩みの種でした。

BUDDY22とcaptureの組み合わせ。かなり高い位置になってしまう。

そんな中、スイッチXLを購入し胸元に取り付ける「カンガルースタイル」が予想外に快適だったので、同様のスタイルで運用できるカメラバッグのFOCUS Lを購入してみました。欠点も多少ありますが、captureに明らかに勝っている部分もあって今のところむしろこっちがメインで良いのでは…と思っています。それくらい、登山におけるカメラ携行方法の新たな最適解の一つだと感じたので紹介します。

FOCUS L 外観・容量

FOCUS Lは同社のスイッチシリーズと同様の、カンガルーポケット型の小ぶりなカメラバッグです。両サイドのカラビナでザックに取り付けられるようになっている構造も同じです。公式サイトによると容量4Lで重量は300gです。

パッド付きのショルダーが付属しているので、アタックザック的な使い方も可能です。また下山後や前泊時の街の散策時には肩がけの小型カメラバッグとして使用できます。

背面にはメインコンパートメントと別のチャック付きの収納スペースとチャックなしのスペースがあります。チャック付きの方はiPad miniが横向きでピッタリ収まるくらいで結構広いです。手前のポケットはマチはありませんが深さがあるのでチケットやお札などを入れても落としづらそうです。

正面にはマチ付きのポケット、両サイドには伸縮性のあるポケットが付いています。さすがにカメラバッグとして作られているだけあって、そこまで極厚ではありませんがしっかりとしたクッション性があります。胸の高さから落としたくらいなら大丈夫そうな安心感です。加えて素材にはカーボネート加工が施されており、止水ジップが採用されているため高い防水性が確保されています。

メインコンパートメントには下記のカメラ+ズームレンズ、交換レンズ1つを入れてピッタリです。

・カメラ:Olympus  OM-D EM1 mark2

・ズームレンズ:M.ZUIKO 12-100mm F4.0

・交換レンズ:M.ZUIKO 7-14mm F2.8

ちなみに写真の通りレンズフードを逆さにせずともこの組み合わせだとメインコンパートメントのチャックを完全に閉めることができます。

違うカメラを使っている人向けに。上記の組み合わせのカメラの全長は約24cmで

横幅はボディ端端で15,6cmです。フルサイズ一眼レフの場合は同じような運用は難しいかも知れませんが、フルサイズミラーレスの場合はOM-Dとボディサイズが遜色ないモデルもあったりするので、レンズによっては交換レンズを含めた運用も可能かと思います。

これが実際にカメラと交換レンズを入れた、フル装備の状態です。前述の通りこの状態でチャックを閉めて完全に閉じることが可能です。

メインコンパートメントにはクッションの仕切りが付属していて、M.ZUIKO 7-14mm F2.8はちょうど良く収まります。

さらにカメラとレンズを収めた状態でもフロントポケットはマチありなのでグミ、一本満足バー、ブラックサンダー4つ+αが収められるくらいの余裕があります。

使用した図

BUDDY22と組み合わせてカンガルースタイルで運用している状態です。みぞおちより下、ちょうどお腹のあたりに来るのでとにかくアクセスが容易です。ちなみにスイッチXLはこの時は行動食用のサイドポケットとして、ウエストポーチのように直接腰に巻いています。

BUDDY22はショルダーハーネスにスイッチやFOCUSシリーズと組み合わせる専用の丸カンが付いているので着脱がスムースです。とはいえ一般的なザックでもこのあたりは色々ぶら下げられるようになっていると思うので、パーゴワークスのザック以外でも同様に運用可能だと思います。

ちなみに首に巻いているのは超貴重品。私の最推しのヤマノススメのひなたBUFFです。定価の2倍くらいで手に入れましたが後悔は全くしていません。さらにちなみに推しは2次元にしかいないマンです。

自分の目線から見た図。この距離感が近過ぎると出し入れしづらく遠過ぎると脚に当たったり岩場でガンガンぶつけてしまうのでよく考えられた絶妙なバランスです。

さらに同じく自分目線から見たサイドストレージとしてのスイッチXLを見た図です。

観光地で1日過ごせるくらいの荷物が入るスイッチXLなので、行動食用のストレージにすると何でも入ります。袋が嵩張るグミやチョコレートなど何でも詰め込めます。

別の時の運用図。この時はもう完全にこちらに移行しているのでcaptureは外しています。この運用はアクセス一等地にカメラと行動食が収まるストレージができ、さらに両ショルダーハーネスのポケットが使えて痒いところがかけまくりです。このポケットも伸縮性があるのでスマホはもちろん、手袋とかネックウォーマーとか頻繁に着脱するものがサッとしまえて超便利です。

登山中のカメラ携行法としての感想

私はカメラは道具だと考えている人間なので、カメラ愛好家の中では扱いが雑な部類になると思います。それゆえ多少過酷な環境で雑に扱っても壊れにくいNikonやOlympusのカメラが好きで愛用してきました。そんな私にとっては登山時のカメラはとにかく撮りたい時に即座に使えることが何よりも大事なので、冒頭でも書いた通りショルダーハーネスに直接カメラをマウントするpeak designのcaptureが最強だと思っていました。しかしFOCUSでの運用を何回かしてみて、もしかするとこちらの方が良いかもしれないと思うようになりました。captureを使い始めてから実に5年ぶりのパラダイム・シフトです。

良いところ

・とにかくアクセスが良い

上記の写真で伝わるかどうか分かりませんが、実際に使用するとカメラの取り出し、収納が本当にストレスフリーです。撮りたい時にサッと取り出し撮ったらすぐしまう。具体的には後ろに登山者が居る状況の細い登山道で道を譲るほど停滞しなくて済むくらい、一連の動作がスムースになります。

・カメラが保護される

カメラは道具だガシガシ使うぞ派の私ですが、captureでの運用はカメラむき出しなのが気になる時もありました。ボディに傷が付くのは良いですがレンズ面が傷付いたり汚れたりすることがあったからです。captureは必然的にレンズが地面を向くので転倒したり藪こぎをした時にはどうしてもレンズが周囲と接触します。FOCUSの場合は逆にレンズが底に来るため最も傷や汚れが付きにくくなるので、家に帰って写真を見たらレンズ汚れによる映り込みがあった、ということが少なくなりました。

・カメラ以外の収納が可能

メインコンパートメントに隙間なく機材を詰めていてもフロントポケットには一般的な日帰り登山には十分な行動食を入れることができますし、私は使っていませんがサイドポケットにはミニ三脚や車の鍵などを入れておくこともできます。

・1台複数役なのが良い

私は主にカンガルースタイルで運用していますが、登山口に着くまではショルダー付きのカメラバッグとして使うことも多いです。通常の旅行でも私はカメラは同様の装備で十分なのでカメラバッグを使わずFOCUSだけを持っていくこともしばしばです。あとは遠征時のカメラ保護目的のバッグとしても優秀です。

気になるところ

・ザックを背負う・下ろす動作が一手間増える

これは完全なるトレードオフですが、両ショルダーハーネスと接続するということはザックを下ろすためには少なくとも片方を外す必要があります。今までのザックであれば気にならなかったと思いますが、BUDDY22を導入したのには「腰ベルトを無くして軽快に!」というコンセプトもあったので、ここがスポイルされる欠点は無視できません。特にBUDDY22の場合ザックが高い位置に来るため、背負ったままサイドポケットの水筒を取るのが難しいときがあり、結果として片腕だけを抜くのも含めザックの荷下ろしが増えたので、その分ストレスが生じることになります。

・揺れる

カンガルースタイルで運用する場合、上部2ヶ所で接続しているだけの状態なので下山時に走ったりすると揺れてお腹にバンバン当たります。登山行程が100だとすると95はこのようなことは生じないため個人的には欠点として挙げるほどでもないのですが、例えばトレランやファストハイクのようなスタイルの人には無視できない欠点だと思います。

あとは極端にお腹が出ているような体型の人だとFOCUSが上を向いてしまい使い勝手が悪くなるかもしれません。

まとめ

ザック変更によりcaptureが使えなくなったことでとりあえず代用、というつもりで導入してみましたが思ったよりずっと気に入りました。最近山でカンガルースタイルの登山者をよく見るようになったのも納得です。もちろんcaptureによる運用のほうが軽量、かさばらないというメリットもあるので荷物の量などによって使い分けても良さそうです。

登山時のカメラ運用に悩んでいる方、capture信者の方もそうでない方もおすすめです。

※記事作成時点では様々なサイトでLサイズの方が売り切れていました。購入時は注意してください。