山と自転車

登山や自転車に関することを綴っています

【登山】半日くらいの軽い山歩きがしたかったので高尾山から小仏城山まで歩いてきました

世界一人気な山、高尾山

10月の3連休中日に新しく買ったザックの使い心地を試すべく近所の高尾山へ向かいました。パーゴワークスという先進的な日本のメーカーの日帰りザックです。良ければ別記事を見てみてくれると嬉しいです。

www.mount-road.com

高尾山は東京都八王子市にある標高599mの低山で、タイトルの通り世界で一番登山者の多い超人気の山です。日本じゃなく世界ですよ、WORLD。

その理由は都内からのアクセスの良さ&登りやすさで、登山口の高尾山口駅は京王線で新宿から乗換なしで来られてしまう上、登山装備は不要どころか普段着で登れてしまう、難易度も低いということでいつ行ってもものすごい人の数です。子供の頃や大学生の頃と比べても明らかに訪れるたびに人の数が増えていると感じます。

今回のルート

高尾山口駅をスタートとして高尾山〜小仏城山まで縦走し、小仏城山から日影バス停に下山して高尾駅に戻りました。

登山口 高尾山口駅

自宅の最寄り駅からは乗り換え1本、高尾山口駅までは1時間かかるかどうかくらいのアクセスです。紛らわしいですがJRの高尾駅は登山口ではないので京王線に乗り換えて高尾山口駅が正解です。

夜勤明け&例によって朝一番では帰れなかったので12時過ぎに降り立ちましたが非常に賑やかです。駅からロープウェイ駅までは両脇にお土産屋さんや飲食店が立ち並ぶ神社の参道のような道のりです。

ロープウェイ駅

相変わらずの長蛇の列。こうして見てもやはり普段着とデイパックくらいの人が目立ちます。トレッキングパンツよりジーンズの方が合うかもしれない山です。体感的に3割くらいアジア系の外国人で、全体では半数近くが外国人な気がします。

高尾山は非常に多くのルートがありますが、今回はザックの試しの要素が強かったので一番ベーシックな1号路にしました。ほぼ全域が舗装もしくは木材で作られた道であり非常に歩きやすい…というか登山道ではありませんもはや。

道は広いもののそれを凌ぐ人の海なので追い越しに苦労する場面が多かったです。後述しますが高尾山は子供と初登山するとか恋人とアウトドアデートするとか草木に触れのんびり歩くべき山なので私のような人間がソロでファストハイクするのは場違いです。高尾山以深の奥高尾から入山するべきです。

激坂な1号路

そしてこの1号路を歩くのは大学1年生の大晦日以来、ずいぶんと久しぶりでした。友人たちとファミレスでレポートを仕上げながらどう年越しするか考えていた際に、何がどう転んだのか高尾山でご来光を見る話になり、パソコンが入ったリュックにジーンズダウンジャケットスニーカーという冬の低山舐めプセットで登って汗冷えで死んだのを鮮明に思い出します。

余談ですが、あの頃(2010年代前半)は年越しまで飲んでそれから向かうくらいでも山頂で御来光待ちできていましたが、年々人が増え今ではそんなプランでは文字通り足の踏み場もないもとい身の置き場がないそうです。

しかし1号路、結構な激坂です。舗装路なので急登というよりは激坂という表現の方がしっくりきます。思ったよりキツいなというのが正直な感想で、これは運動習慣のない人が高原散策くらいのノリで来ると普通にギブアップするくらいだと思います。都内のロードバイク乗りの方には和田峠くらいと言えば伝わるでしょうか。斜度自体はもう少しきつい印象ですが。

展望台は気持ちが良い

途中の展望台より八王子市街地方面。写真で見ると平凡でつまらないと思いますが現地で見ると意外にも高度感と視界の開けた感じが相まって気持ちが良いです。

そして高尾山は商売の山観光地な山なので補給場所が無限にあります。毎回買い食いをすると余裕で消費カロリーを上回る摂取カロリーが得られるくらいには無限にあります。

高尾山にはこれまた不思議なことに神社とお寺が共存しています。山梨の久遠寺を一瞬思い出す長階段が現れます。この手前に階段を避ける迂回路もあるので全年齢あらゆる身体状況の人に対応しています。

新宿駅くらい人がいる高尾山山頂

三連休中日の山頂の様子です。山頂標識がもはや人で隠れてしまうくらいならまだ可愛いもので、この写真右奥の奥高尾縦走路まで通り抜けるのが困難なくらい人の海です。

毒を吐きますが高尾山に来る人の99%は登山マナーナニソレオイシイノなので、我々が山中で自然と行う譲り合いなどは一切なく、満員電車内や週末の新宿駅の改札内のように殺伐とした空間です。

奥高尾縦走路

さて、今回は体力と時間と天気次第で最大で陣馬山まで歩こうと思っていたのでここからがスタートです。ほとんどの人は高尾山をゴールに下山していくので、地獄の高尾山頂を抜けると一気に人が減ってようやく思い描いていた山歩きが始まりました。

この高尾山〜陣馬山までの縦走路は中央高速道路をなぞるように進みます。全て歩くと18km、獲得標高1300mくらいになる本格的な縦走路です。途中エスケープできる場所も多いので北アルプスに挑戦したい初心者の方のトレーニングなんかにちょうど良い感じです。

この看板の大垂水峠は相模原市と八王子市の間にあるヒルクライム入門的な峠で、以前山梨から湘南までライドした時に通過した場所です。

小仏城山

高尾山から30分も歩くと小仏城山に到着します。この茶屋が目印です。

山頂というよりは縦走路の一つのピーク、くらいなのでパノラマとはいきませんが、都心方面は広く見渡すことができます。テーブルやベンチもたくさんあるのでゴミゴミし過ぎずのんびりできるので結構好きな場所です。

写真はイマイチですがこの日は雨予報の割には遠くまで見渡せて、スカイツリーが見えました。ここで休憩をしていたら封印していた夜勤明けの疲労が急に花開いてしまったので、ザックの使い心地も試せたしここをゴールに下山することにしました。

ソロ登山・旅はこうやって自由に決められることが一番の魅力だなあと最近よく思います。予定より頑張ってみてもいい、ダラけて序盤でリタイアしてもいい。何かと予定を詰め込みがちな現代人、意外と自分で好きに決められる場面って多くなかったりします。そういうことの喜びを見出だせるのも登山や自転車旅の大きな魅力です。

小仏城山から下山するのは想定していなかったので茶屋でルートを確認します。茶屋の下の方にあるトイレの左側に車が停まっている舗装路があり、これを道なりに下っていくと日影というバス停があるので、ここから高尾駅まで帰ることができます。

この道はほぼ舗装路続きで登ってくる人はほぼ居ませんでした。ここから入山する人はおそらく陣馬山方面へ縦走すると思うので、少なくとも午前中のうちには登らないと時間が厳しくなるからでしょうか。

眺望はなかなか。

日影バス停へ

下り始めてまもなくの場所に日影バス停を示す看板を発見。

下ること1時間ほどで日影バス停に降りてきました。頭上には中央高速道路が走っています。バスの本数は20分間隔の時間と40分間隔の時間帯がありますが、一般的な時間内で利用する分にはあまりナーバスになる必要はなさそうです。

感想

ザックの試用目的でしたが、山歩きとしての満足感が思ったより高くて良い山行でした。低山とはいえ山頂の眺望がありある程度の運動強度もあり、公共交通機関のみでアクセスできるため「午前中用事があって午後軽く運動したい」とか「丸一日は使えないけどプチ登山したい」みたいな需要にぴったりだと思います。

歩き足りなければこの先の景信山まで行ってもいいし、あるいは陣馬山まで行くならガッツリした登山と言えるでしょう。急に予定を変えたくなってもエスケープルートが多数あるのも気軽に思いつきで行くのにぴったりです。山に行くか迷って行く場合は途中で気分が乗らなくなることもあるので。

ただし「高尾山に登る」という目的がないのであれば日影バス停から入山する方がストレスフリーです。縦走路コンプリートとか理由がなければ高尾山は避けたほうが良いです。慣れた登山者的には登山的な面白みはありません。

 

半日使って軽い山歩きをしてきた話でした。おしまい。