奥高尾縦走路
高尾山は東京都の西部に位置し、標高は599mの低山ではありながら交通の便が良く2時間程度で気軽に登ることができ、山頂からは富士山を望むことができるため多くの人に愛されている山です。登山口の高尾山口駅まで新宿から一本というアクセスの良さが人気の一因です。そして高尾山はなんと世界で最も登山者の多い山です。日本ではなく世界です。
そんな高尾山には奥高尾と呼ばれる、山頂から陣馬山までの縦走路があります。陣馬山も標高855mと決して高くはないものの360度の眺望が得られる人気の山で、この縦走路は20km近い歩行距離に加え獲得標高が1000mを超える本格的な登山道で、かねてから行ってみたいと思っていました。
今回は細君と2人で、高尾山口駅スタートで陣馬山まで縦走し、帰りは陣馬高原下バス停よりバスで戻ってくるプランにしました。
山行データ
高尾山口駅からスタート
スタートは朝8時。車を高尾山口駅に停めて登山開始です。人気の観光地でもあるためこの時間でも駐車場近くの道路は渋滞していました。
高尾山は複数の登山路があってそれぞれに特徴がありますが、今回はベーシックな1号路(表参道コース)で山頂を目指すことにしました。スタート直後にケーブルカー乗り場があり、今回は長丁場だから乗るつもりでしたがとんでもない渋滞だったので諦めました。
表参道コースは舗装路も多く歩きづらさを感じることはありません。学生時代にはよく大晦日に登って御来光を見たりしましたがヘッデンがなくても登れてしまうくらいには道が整っていて明かりも十分です。
高尾山薬王院
山腹には高尾山薬王院という寺があり、パワースポットとしても知られています。高尾山はパワースポットがたくさんあり、ヤマノススメでもあおいがパワースポットに釣られて登っていました。
くぐるとご利益があるという願叶輪潜。
せっかくなので細君にくぐってもらいました。
高尾山山頂
登頂開始から1時間10分、まずは高尾山山頂に到達です。山頂は非常に広くて売店や休憩用の椅子・テーブルも充実しているのでピクニックを楽しむ人々も多いです。
そんな山頂からは富士山が見えます。
ズームするとなかなか。
奥高尾スタート
高尾山に登るほとんどの人にとっては高尾山山頂がゴールなので、さらに奥の縦走路進はだいぶ人気がなくなります。私も高尾山は数え切れないくらい登ったことがありますがこちらに足を踏み入れるのは初めてです。
軽装・普段着の人も目立つ高尾山山頂までとは異なって、さすがに本格的な登山の格好をしている人ばかりになります。この縦走路はトレイルランナーからも人気なので、何度も走る人とすれ違いました。
縦走路は整地されていてどこも歩きやすいですが、さすがに高尾山までの道と比べるとだいぶ登山道らしくなっています。
視界が完全に開けているわけではありませんが基本は稜線上なので、木々の切れ間からは遠くの町並みが見渡せます。縦走路は中央高速道路に沿うような感じで、小仏トンネルの真上を渡ります。途中で高速道路も見えたりしてなんだか不思議な感覚です。
小仏城山 城山茶屋
登頂開始から2時間半、小仏城山の城山茶屋で休憩をとりました。
奥高尾縦走路だけでも高尾山、小仏城山、影信山、赤岩山…と複数のピークを踏むことになります。そして前情報通りアップダウンが非常に多くて
丹沢を彷彿とさせるこのジグザグ具合です。そして陣馬山近くになると尋常じゃないほどの杉の木が生えているので、ちょうど花粉が飛び始める時期ということもあり多くの登山者が苦しんでいました。製薬会社が杉を植えまくっているなんて都市伝説がありましたが、本当でもおかしくない気がします。
私は花粉症ではないのですが、さすがにここは花粉の濃度が濃すぎたのかいつもより鼻が詰まって苦しい道のりに感じられました。ということであまり写真が残っておらず…
陣馬山山頂
城山茶屋から2時間半、登頂開始から6時間弱で最終ゴールの陣馬山山頂に到達しました。低山続きとはいえ確かにアップダウンが多い上に長く、なかなかの歩きごたえでした。山頂は非常に広く、この縦走路ではダントツに標高が高いので360度のパノラマビューが楽しめます。最深部に相応しい風格です。
そして陣馬山といえばこの馬のオブジェ。頭の形と首の反り具合がなんとも卑猥な感じがしてしまいます。調べてもどういうオブジェなのか情報がない謎のオブジェです。
帰りは陣馬山から陣馬高原下バス停まで下山します。陣馬山からの下山路はアップダウンはなく下り一辺倒なので1時間で下りきることができました。
陣馬高原下バス停からは高尾山北口行きのバスに乗ります。所要時間は約40分で、基本的に1時間に1本しかないのでタイミングによってはかなり待つことになります。私達は16時30分のバスに乗ろうと27分にバス停に着きましたが、どうやら先走って行ってしまったようで1時間待つことになってしまいました。タクシーが待っているようなバス停ではないので、複数人ならタクシーを呼んでおいて乗り合わせるのが良いかもしれません。
ここ最近は北アルプスやら丹沢縦走やらで体力はかなり向上してきていたつもりでしたが、それでも十分歩きごたえのある楽しい道でした。今あえて高尾山に登りに行こうとは思いませんが、この縦走路はまた季節を変えて歩いてみたいと思いました。健脚自慢でも山を十分味わえる、奥高尾縦走路でした。
↓写真が少なかったのでより参考になる記事を貼っておきます。