山と自転車

登山や自転車に関することを綴っています

【雪山デビュー】北横岳日帰り登山 北八ヶ岳ロープウェイでお手軽に雪山デビュー2020.4

雪山はいいぞ

登山を初めた頃は雪山登山はしないと思っていました。装備にお金がかかるし危なそうだし。

そして登山を初めて最初に迎えた冬、当たり前のように雪山登山に誘われ気づけばアイゼンを履いていました。蓼科山に始まり、2回目には北アルプス唐松岳の稜線を歩き、今では雪山に誘う側になりました。今回は細君に雪山の魅力を体験してもらうべく、雪山入門として名高い北横岳登山を計画しました。

山行データ

北八ヶ岳ロープウェイでお手軽登山

八ヶ岳は長野県側の北八ヶ岳、山梨県側の南八ヶ岳とに分かれ、特徴が異なります。北八ヶ岳は穏やか、南八ヶ岳は急峻な岩場、という感じで、急峻な北アルプスと穏やかな山容の南アルプスとちょうど南北が逆になる感じです。北横岳は名の通り北八ヶ岳に属し、その中でも北寄りに位置しています。北八ヶ岳ロープウェイ駐車場(無料)まで車でアクセスし、ロープウェイを利用するのでお手軽な山として知られます。

山麓駅の時点で1760m、そこからロープウェイで山頂駅2237mまで標高を稼ぎ、北横岳山頂2480mまでは約250mアップとかなりゆる登山。滑落の危険箇所もほぼないので雪山入門といえば3本指には入るくらい有名な山です。

スタート地点は坪庭

晴れの予報だった気がしていましたがロープウェイ乗車中から霧に包まれ、山頂駅に着く頃にはホワイトアウトしました。見えないけれどここは坪庭という、庭園のような空間が広がっています。

先月の谷川岳は雪が少なかったのに、ここは4月とは思えない雪深さでした。

シャクナゲ。昔は中国で非常に高価で取引されていたそうで、密輸が絶えなかったとか。今は天然記念物に指定されています。

装備はモンベルの10本爪アイゼンとレインウェアであるサンダーパスの上下。これまでの雪山登山はこの装備で十分快適に過ごせました。

山頂間近の北横岳ヒュッテ

スタートから1時間で北横岳ヒュッテにたどり着きます。既に山頂は目前です。

恒例のエビの尻尾。

2つのピークの北横岳

北横岳はピークが2つ、南峰と北峰の順に進みます。南峰から北峰は樹氷に囲まれながらの稜線歩き。ここまでは運動経験がほとんどない細君でも止まらず進めるくらいの運動強度です。

北峰に着いた頃からにわかに晴れ始めます。左の山は北八ヶ岳の最北端に位置する、諏訪富士こと蓼科山。諏訪富士というだけあり綺麗な円錐形をしていて遠目からでもすぐ分かります。

山の天気は気まぐれですが冬山はもっと気まぐれ。わずか数十分の間にこの通り。

ちょっと足を伸ばして縞枯山方面へ

天気も良くなったし運動としても物足りないので縞枯山方面にも足を伸ばすことにしました。一度坪庭の方に降りて縞枯山方面の道を進みます。縞枯山荘周囲は開けていて台地のようです。

縞枯山の稜線手前は少し登りがありますが、標高差でいえば100mもありません。

そして縞枯山山頂を経て、ご褒美の稜線歩き。

絶景の縞枯山

稜線に沿って正面に見えてくるのが南八ヶ岳。中央に見えている猫耳型の山が天狗岳、左の平らなピークが硫黄岳、右に見える尖ったピークは主峰赤岳。

個人的に好きな山が八ヶ岳最南端に位置する編笠山です。見た目の通り、編み笠の形に似ていることが名の由来で、蓼科山同様、存在を認識していれば遠目からでもすぐに見分けられます。

そしてこちらはガトーショコラこと浅間山。形と冬の雪の見え方が特徴的なのでこれもすぐに分かります。

方角を変えて南アルプス方面を望みます。右は南アルプスの天然水の源流、山梨の誇る名峰甲斐駒ヶ岳です。全国に多々ある駒ケ岳の総本家。その左は日本第2位の北岳です。

終盤にかけてどんどん雲が晴れていき、坪庭に戻る頃には快晴に。八ヶ岳ブルーを堪能します。

坪庭は散策路になっていて、夏場は植物が楽しめるそう。

山梨に来たらみたまの湯へ

帰りは市川三郷町にある、「みたまの湯」に寄って帰ります。

山梨の温泉といえばおそらく「ほったらかし温泉」が一番有名だと思いますが、私が一番好きなのはここみたまの湯です。山梨に住んでいた学生時代もよく訪れました。甲府盆地の南側なので富士山は見えないものの、八ヶ岳〜南アルプスと甲府盆地が一望でき、日没の時間にはこの景色。写真は駐車場から撮ったものですが、露天風呂に入りながら同じ景色が見られます。

今年は山初めの赤城山から始まり、お手軽に絶景を楽しむシリーズが続きました。4月でこれほど雪深いとは思いませんでしたが、初心者でも危ない場所はなく、一般的な成人の体力があれば問題なく登頂できます。雪山はいいぞ。北横岳で体験すべし。