もうリムブレーキの方が珍しくなりつつある世の中で今更ですが、私のディスクロード輪行についてまとめてみたいと思います。私は旅行・日帰り含め年間20回くらいは輪行するので、試行錯誤してなるべく手数・物品を少なくすることに注力しました。
具体的にはエンド金具を用いない横型輪行で、養生を最低限にとどめています。車体の傷は気になりますが、基本的に輪行は傷が増えるもの、壊れなければ良いと割り切っています。
横型ディスクロード輪行の注意点
リムブレーキにはない、一般的なディスクブレーキロード輪行の注意点を挙げます。
ブレーキスペーサーが必要
ディスクブレーキはホイールを外した状態(ブレーキパッド間に何も入っていない状態)でブレーキを握るとブレーキパッド同士がピッタリと閉じてしまい、ホイールが取り付けられなくなるので、これを防ぐためスペーサーを噛ましておく必要があります。もし忘れたり旅先で失くした場合には段ボールなどの厚紙でも代用することができます。
エア噛みのリスクがある
ディスクロードは逆さにして良いのか問題。エア噛みとはディスクブレーキの回路内にエアーが入り込みブレーキが効かなくなる状態を言います。エア噛みが起こるとブレーキがスカスカになり、ブレーキが動作しなくなります。
ディスクブレーキ回路は閉鎖回路なので、逆さにしても外からのエアーが内部に入ることはありません。ただし、オイルタンク内などにごくわずかなエアーが残っていた場合、輪行でバイクの向きを変えて動かすことでブレーキホース内にエアーが移動しエア噛みを起こすことがあります。このパターンはバイクを組み立て、何度かブレーキレバーを握って離してを繰り返すうちに直りますが、ブリーディングをやり直しエア抜きすることが推奨されます。
ちなみに私はブレーキパッドを交換した翌日に輪行して現地で前輪のブレーキが全く効かなくなったことがあります。ブリーディングが下手でエア抜き不足でした。
ディスクローターの変形のリスクがある
ディスクブレーキのホイールにはリムブレーキにないディスクローターが付いています。私は幸い経験ありませんが、ぶつけたりしてローターが変形すると音鳴りの原因になったり、変形が酷ければブレーキがうまく効かなくなり得ます。あと何かしらの油や皮脂が付くとブレーキ性能が著しく低下する場合があります。傷を気にしなくともケアしなければいけないポイントが増えるのは難点です。
でも大変かというと別にそうではない
長々書いてしまいましたが、じゃあリムブレーキに比べて大変なのか、すごく気を使うのかと言うとそういう感覚はありません。輪行はリムブレーキの手順にブレーキスペーサーを追加するだけなので、リムブレーキ時代と同じく10分もかかりません。なのでもし輪行しづらくなるからディスクロードを躊躇っているとしたらその必要はありません。直ちに買いなさい。
私のディスクロード輪行の実際
完成図
まずは完成状態から。この横向きの状態で肩に掛けて移動します。
移動中にスプロケットが脚に当たると痛いのでホイールはスプロケットが内側を向く向きにしています。
ボトムアップ。ホイールがクランクの外側でツライチになるようにします。こうすることでサドルが接地面となり安定するからです。ただし移動中にホイールがズレて、写真の向きでクランクの下に入ってしまい、不安定になることがあります。
横向きにするとハンドルとサドルの2点で自立していて、ハンドル幅がある分、ハンドルの向きが正面を保てれば結構安定します。ただし横型輪行と言いつつ私は電車内ではハンドル側を下にして立てた状態にしています。
縦にするとハンドルとフロントフォークが地面に接する形になり、これもハンドルの向きが正面を保っている限りは割と安定します。ただしハンドルを固定していないと左右にすぐ倒れるので必ず立てかけます。
意外と運んでいる最中にハンドルの向きが変わって不安定になりがちなので、最近はバンドを1本追加してハンドルが動かないように固定しても良いかなと思っています。
輪行袋
まず、これが輪行袋です。輪行袋、ストラップ、後述のダミーローター、りんりんベルト、養生、をひとまとめにしていて、サイズ感は350ml缶を一回りスリムにした感じです。実測値で240gです。
輪行袋はpekoさんのお手製輪行袋の「軽量輪行袋シリーズ」を使っています。超軽量で生地が薄いので使う度に小さい穴は増えますが、そこからどんどん裂けていったりはしないので3年くらい問題なく使っています。
ストラップは以前使っていたモンベルのコンパクトリンコウバッグに付いていたものを流用しています。
オーストリッチ ダミーローター
ブレーキスペーサーとして使っているのがオーストリッチのダミーローターです。軽量な上に付属のゴムバンドでブレーキに固定できるようになっていて非常に実用性が高いアイテムです。
MARUTO りんりんバンド
ホイールでフレームをサンドイッチした状態に固定するのがこのりんりんバンド。これは先のダミーローターと合わせ、”これ一択”なアイテムです。ホイールに通してフックに引っ掛けるだけの簡単装着で、紐の部分がゴムになっているので締め上げて固定する必要がなく勝手に程良い加減に固定してくれます。
これを3本使ってホイールを固定しています。
不織布帽子でスプロケットを養生
超最低限の養生としてスプロケットに不織布の帽子を被せています。
スプロケットのチェーンオイルが周りに付かないようにするため&スプロケットがフレームに当たった際に多少は傷予防になると思っての養生です。薄いので輪行袋の隙間に押し込め、体積をほぼ気にしなくて良いのがgood。
ディスクロード輪行は大変ではない
どうでしょうか、実際の写真を見るとリムブレーキと大して変わらないのではないでしょうか。実際、かかる時間も心理的なハードルもリムブレーキと遜色ありません。
リムブレーキロードで初めて輪行した頃は教科書的にエンド金具を使い、フレームの養生をし、スプロケットには厚手のカバーをかけていましたが、何よりめんどくさいんですよね。個人的に重い、嵩張る、付けるのが面倒、なエンド金具というものが大嫌いでした。
かなり簡素かつ大雑把なやり方かもしれませんが、一応これでここ4年ほど問題なく輪行できています。ハンドルを固定できたら良いな、くらいで特に不満点もありません。上記のセットなら常備できるレベルの極めて軽量コンパクトな輪行セットになるので、そこも含めて参考になれば幸いです。