山と自転車

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【tada車416号機】クロモリオーダーフレーム SRAM FORCE etap AXS HRD 2X バラ完 完成!

クロモリオーダーバイク バラ完 tada車416号機

人生初のオーダーバイクでありクロモリロードであり自分でバラ完した、tada車416号機。計画を立ててから1年、遂に完成!!!!!

追記:

自転車工房エコーのフレームギャラリーに掲載されました。

416号機

kobo-eco.com

デデーン!!!

クロモリオーダーフレーム+完全ワイヤレス電動変速+油圧ディスクブレーキ仕様。

コンセプト

走りに関するコンセプトは「ロングライド」「スピード重視のレーシーバイク」

そしてカラーコンセプトは「夕焼け空」「しまなみ海道」です。

 

リア周りの水色とオレンジの切り替わりは日没の空をイメージしています。全体的に青が多いのは私のイメージするしまなみ海道の色。iPadで作成してしたデザインそのままのフレームが届いた時の感動は今も忘れられません。

www.mount-road.com

電動変速を体験してみたい」「完全ワイヤレスって面白そう」「Shimano以外も乗ってみたい」という好奇心からSRAM etapをチョイスしました。2022年現在、コロナや半導体不足による生産能の低下、コロナによる世界的な自転車需要増などが重なったことで一式を揃えるのはかなり苦労しました。

コンポーネントセットは注文して納品までは約半年待ち、クランクやスプロケットは海外通販とネットオークションを使ってなんとか揃えました。その結果スプロケットは意図せず最上位グレードのREDを組み込むことになりましたが結果的には大幅な軽量化につながったので結果オーライです。

リムブレーキかディスクブレーキか

自転車工房エコー、唯さんの元を訪れる寸前まで悩んだポイントでした。せっかくの機会なので自分で組んでみようと思っていたので、慣れているリムブレーキの方が取り扱いやすいのは間違いありません。しかしながら世の情勢は大きく変わり、ディスクブレーキロードが出てきたばかりの頃(私の記憶ではまだキワモノの色が強かった頃)に比べると、今は完全にディスクブレーキロードがメインストリームになりました。それに伴うスルーアクスルの規格などもだいぶ統一されてきていて、メーカーによってはリムブレーキモデルを作らなくなったりさえしていて「リムブレーキとディスクブレーキのどちらが良いかという時代は終わった」なんて記事を見かけることもあるくらいには、マスメーカーがディスクブレーキに舵を切っているのは事実で、リムブレーキ市場が縮小し次第にパーツの供給もなくなっていくであろうことは確実と言えそうです。

それでもリムブレーキには軽量性、メンテナンス性で大きく分がありますし、個人的にはアップダウンの少ないオンロードがメインの場合はリムブレーキで困ったことはなく、これは多くの人にとってもそうだと思います。だから完全に無くなることはきっとありません。

クロモリロードとディスクブレーキ

ここまで書くとディスクブレーキが無難だけどまあ好みでいいんじゃないの、という話にとなるのですが、フレームがクロモリとなると話は少し変わってきます。素材としてのクロモリ、ディスクブレーキを語る上で避けられない重量の話です。

同グレードで比較すればリムブレーキとディスクブレーキで200~300g程度の差が生じます。ディスクブレーキ自体は決して新しい技術ではないので、もっと前からディスクブレーキロードを作ろうと思えば作れたハズなのに、リムブレーキが長らく主役で居続けたのは重量の面が大きです。ロードバイクにはその重量増を受け入れてまではディスクブレーキの強力な制動性が求められていなかったところに、カーボンフレームがごく当たり前になった時代で、機材の総重量があまりにも軽くなりすぎてしまった&カーボンであればディスクブレーキに求められる剛性が容易にカバーできる、ということでロードバイクにディスクブレーキが搭載されるようになりました(搭載しても重量面のネガが打ち消せるようになってきた)。

ということで、どう頑張っても重量面では不利なクロモリなので、思考停止でディスクブレーキにすれば良いだろうというわけにはいきません。カーボンのように超軽量フレームを作れない以上はディスクブレーキによる重量増+ディスクブレーキに必要な剛性を確保するための重量増が無視できず、過剛性な激重バイクが出来上がってしまう可能性があります。

それでもディスクブレーキにしたのは

私自身の宗教観でいえばリムブレーキ信者でもディスクブレーキ信者でもありません。かつてはロードバイクにディスクブレーキは不要だろうと考えていた側でしたが、TREK DOMANEに乗るようになって長いダウンヒルや100kmを超えてからのブレーキング、雨に降られた時においては油圧ディスクブレーキの軽いタッチと制動力にかなり救われるのを実感してしまったので、私の用途にはディスクブレーキを選択する方が良いだろうと結論付けました。

ネックとなる重量増をどうカバーするかという点ですが、私の目標は9kg以下と緩めなので、フレームが重くてもパーツでカバー可能と考えました。具体的にはフォークをカーボンフォークにすること、コンポーネントをはじめとしたパーツ類は最軽量級を選択していくことです。

特にコンポーネントは2ndグレードのFORCEを基本とし、上位グレードREDとの重量差が顕著なクランクとスプロケットをREDで組み込んだのでSRAM etap AXSの中では最軽量に近い組み合わせです(スプロケットは予定外でしたが)。ここまでで計算上はペダル込みで9kgを切っていましたし、実際に組み上げた状態でも8.8kgだったのでクロモリディスクロードとしてはまずまずかと思います。

また剛性増という点ではリムブレーキのクロモリロードでよく言われる粘りのある、とかバネのような、という乗り心地はスポイルされる可能性がありましたが、現在のカーボンフレームのTREK DOMANEに比べれば素材の特性的には剛性は落ちるはずなので、カチカチで脚がやられるようなことはないだろうと考えました。

パーツ選択について

ステムやシートポストといった金属部分はシルバーでクラシカルにまとめるか、はたまたカラーパーツでカスタム感を出すか、かなり悩みました。せっかくの油圧ディスクブレーキ車なのでカーボンディープリムホイールを使うことは初期から決めていたので、最終的にはそれに合わせて黒に統一して引き締めることに決めました。結果としてクロモリロードながらクラシカルな雰囲気は皆無な、現代的な印象のバイクになったと思います。

パーツアセンブル

フレーム:tadaクロモリオーダーフレーム

フロントフォーク:ワンバイエス OBS-RBD-TH 700c

ヘッドパーツ:VIGORE Head set

ハンドル:TNI Peloton 420mm

ステム:ワンバイエス ブレンドステム100mm

コンポーネント:SRAM FORCE etap AXS HRD 2X

クランク:SRAM RED 46/33T

カセットスプロケット:SRAM RED 10-33T

シートポスト:THOMSON masterpiece 330mm

サドル:Fabric SCOOP PRO shallow

ホイール:HUNT 44 AERODYNAMICIST

タイヤ:Panaracer Agilist 28c

ペダル:Wahoo speed play zero

ハンドル回り。ステムのワンポイントのオレンジが気に入っています。ガーミンのオレンジのシリコンケースもコーディネートの一環でチョイス。

溺愛しているHUNT 44 AERODYNAMICIST。

巡航が楽だし一番は見た目。ディープリムしか勝たん。

タイヤはロングライド・グラベルに最適なAGILIST。紫の主張が少々強いですが嫌いじゃありません。※現在はGP5000に交換しています。

REDグレードのクランク・スプロケット

数万円upする最上位グレード、REDのクランク。見た目がとても好みなのでここはREDにすることは迷いませんでした。チェーンリングとクランクは自転車の顔と言われる部分なのでここは入手困難であっても妥協するわけにはいきません。このクランクはなんとカーボン製で、特筆すべき公称564gという軽量性。2ndグレードと約150gもの差があり他メーカーと比べても驚異的な軽さです。SRAMのREDとFORCEDの重量差の殆どはクランクとスプロケットの重量差なので、ここで軽量化を図りクロモリ✕ディスクブレーキのネガを少しでも打ち消すという意図もありました。

スプロケットはオークションにやっと現れた10-33TがREDだったので意図せずREDグレードになりました。フロント46/33Tとの組み合わせでギア比は1.0-4.6までカバーされる超ワイドレンジ。乙女もとい幼女ギアと言われようとも、ギア比1.0は本当に心強くて消耗しきった最悪の状況でもなんとか回せるので一度知ったら手放せません。対してギア比4以上なんてまず使いませんが今後豪脚になるかもしれないことを考えるとあって悪いことはありません。

究極のアルミシートポストことTHOMSON masterpieceです。330mmは長かったのでポジション決めたらカットして軽量化の予定。サドルは今や貴重なfabric SCOOP PRO shallow。軽量だけど乗り心地がスポイルされないお尻に優しいサドルです。

ぶら下げているのは尾道のゆるキャラ「にゃモン」です。瀬戸内レモンのねこ。でべら(ヒラメ?)のボードを背負って尾道を散歩している愛らしいヤツ。

左から。ディスクロータのおかげでこっちから見てもなかなか様になるのがディスクブレーキロード。

リアブレーキ回り。さりげないゴールドのロックリングで細部までコーディネートです。

フロントブレーキ。こちらのロックリングはフォークとのクリアランスの関係でカラーパーツが使えなかったので付属の簡素なものです。

シフターにはひと目で「このバイク一味違う」と分かるFORCEのロゴが光ります。最近はSPECIALIZEDやTREKのFORCEやRIVAL組の完成車が増えてきましたがSRAMのシフターを見かけることは多くはありません。

バーテープはAmazonで見つけた反射素材入りの極厚テープです。実際は写真ほど目立ちませんが紫調なタイヤのロゴに合わせてみました。

南アルプスをバックに。青主体なので景色に溶け込む気がします。

憧れのホリゾンタルフレーム。ステムは平行になるよう角度に注意して選びました。ステム、フォークコラム、トップチューブの描く逆Z字が美しいです。

右バーエンドにはBUSCH&&MULLERのミラーを付けています。夜間に後方のライトがドンピシャで反射するのがネックですがミラーが大きいため視認性が良く、所有車全てに取り付けています。

京都のクロモリバイク工房VIGOREのヘッドセットです。大好きな京都のブランドというのとこの魚の骨のイラストが気に入りました。クリスキングという絶対王者を敢えて使わないのはこだわりです。

コックピット回りはシンプルに。トップチューブにはしまなみ海道のブルーラインをイメージしたラインをペイントしてもらいました。前方はフレームが青い関係でただの白線ですが、道路の白線とブルーラインの2本線のイメージです。実はオーダーのデザインと微妙に違っていました。

トップチューブ後方を見るとちゃんと白線とブルーラインになっています。フレームの青とこのブルーライン、そしてオレンジは和色の蜜柑色(愛媛みかん)というのがしまなみ海道要素です。

シートステーは日没の空、青とオレンジの境界を再現。

チェーンステーも同じく日没のグラデーション。右チェーンステーにはスポークが取り付けられていて、唯さんが提案してくれた遊び心。チェーンが暴れてステーを傷付けるのを防止したり、単純に予備パーツとして、かつてシクロクロス車、ランドナーなどに見られた仕様なんだとか。

海の色にも空の境界にも見える青のグラデーション。

 

スキマ時間でコツコツ仕上げたのでパーツ一式を組み上げるのには約1ヶ月、実際の時間的には丸一日くらいでなんとか組み上げた、人生初のバラ完ロードです。二度目があるか分からないので詳細に記事にまとめました。

唯さんは「こっちで組みましょうか?」なんて甘い言葉をかけてくださったけれど、やはり自分で組んでみて良かったと思います。見知らぬパーツに翻弄されたり、専用工具を調達する羽目になったり、ネットに情報がなくて苦労したりと色々ありましたが自転車への理解を深めることができました。

ディアゴスティーニの如くバラバラだったパーツ達が徐々に形になっていく過程が楽しかったし、当初デザインした通りの自転車になったのも嬉しかったし、ちゃんと走って止まって変速できるという当たり前のことでもこの手で作ったと思うと本当に感慨深いです。そして自分で組んだからこそメンテナンスが一通り自分の手のひらの上で把握できているという自信もあります。

乗り心地について

今のメインバイク、TREK DOMANE SL5は初のフルカーボンバイクで、それはそれは乗り心地が良くて特に地面からの突き上げ、上半身に振動がほぼ伝わってこない、ロングライドが苦にならない最高のバイクですが、一つだけ惜しいところがあります。

それは一番長く乗っていたアルミロードで好きだった「踏んだ瞬間に前に飛び出す感じ」がなかったことです。

今思えば初代アルミロードはカチカチに硬過ぎて、地面からの突き上げが半端なくて、グローブなしで50kmも走ろうものなら疲労骨折したんじゃないかと思うくらいしつこい痛みが残ったし、ちょっと荒れた路面や段差を走ろうものなら脳天まで衝撃が貫く恐ろしい子だったので、踏んだ瞬間に飛び出す硬さと乗り心地はきっとトレードオフ。DOMANEの突き上げのなさには本当に感動しましたが、その分踏み込みに対する反応がちょっと遅れる感じがありました。「人間はワガママな生き物」という言葉の人間の中でも特にワガママな方なのは自覚しているので「踏んだ瞬間に飛び出す、振動が伝わってこないロングライドバイクが欲しい!」というオーダーになりました。そして…

「とんでもないバイクを生み出してしまった」

組み上げた深夜、我慢できずパジャマ姿のまま走り出した最初のひと漕ぎで鳥肌が立ちました。「踏んだ瞬間に前に出る」懐かしい感覚がありました。そして突き上げ感。これは28cのタイヤ(アルミロードは23c)のエアボリューム、カーボンホイール、カーボンハンドルなどの合わせ技だとは思いますg、DOMANE並み振動吸収性がありそうです。100km超えを走ってみないことには何とも言えませんが現時点では期待大。

そして電動変速は本当にボタンを軽く押すだけでスッと変速してくれます。正直ワイヤー変速の押し込むトルク感がないことにかなり違和感を感じますが、疲れてくるとSTIのシフター全体を押し込む動きが負担に感じることは多々あるので、ロングライドでこそ真価を発揮しそう。

やっと完成した念願のクロモリロード、念願のtada車。まずは乗り込んでポジションを完璧に合わせて、来年暖かくなったらしまなみ海道に連れていきたいと思います。

 

バラ完、しかも油圧ディスクブレーキということでハードルは高く感じたもののなんとかなりました。

〜fin〜

↓自転車工房エコーでのオーダー

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↓これまでの作業

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