山と自転車

登山や自転車に関することを綴っています

【SRAM FORCE etap AXS HRD 2X バラ完】tada車、組む②〜フロントフォーク、ホイール取り付け〜

クロモリロードバラ完第2弾。

今回の作業内容です。

①フロントフォークコラムカット

②フロントフォーク取り付け

③ホイール取り付け

①フォークコラムカット

使用するパーツ

フロントフォーク ワンバイエス OBS-RBD-TH 700c

用意するものはフロントフォークとステム、コラムスペーサー。プレッシャーアンカーはフォークに付属していました。

フロントフォークは「ワンバイエス OBS-RBD-TH 700cロードベンドディスクスルーフォーク」です。これはフレームの注文の際に一緒に発注してもらいました。基本スペックはこんな感じです。

・コラムサイズ:1-1/8インチ スレッドレスインテグラル

・ホイールサイズ:700c、12mm×100mmスルーアクスル、アクスルピッチ1.5、フラットマウント

・最大タイヤサイズ:42c

・ディスクロータ:140mm, 160mm対応

・デュアルオフセット

ステム ワンバイエス ブレンドステム

ステムはフォークとブランドを合わせて「ワンバイエス ブレンドステム73° 100mm」を選びました。コラムとの接続部の角度表記はメーカーや製品によって「地面を0°とした時のフォークとの角度」と「地面の垂線を0°とした時の角度」で表記されているので、73°と17°は同じことを意味しています。フレームのオーダー時に72-73°のステムでトップチューブと平行になるよと教えてもらったのでそれに合わせました。

ヘッドパーツの圧入に関してだけは専門工具を買っても今後使わない可能性が非常に高いので、直接唯さんの元に届くように注文してお願いしました。

上ベアリング

下ベアリング。このオレンジの円とその内側の銀色の円の間がベアリングによってくるくる回るようになっています。最近使われているベアリングはボールがむき出しにならないシーリングタイプが殆どです。この上下ベアリングはいずれも一塊に取り出せます。

仮組みでコラムの長さを決める

まずは仮組みしてコラムの切る位置を決めていきます。

DOMANEから取り外して余っていた手持ちのコラムスペーサーは5mmのものが3つと7mmくらいのものが1つ。当然一度カットしたら元には戻せないので、とりあえず全て装着する方向で長めにしておきます。

ステムの上にもスペーサーを最低1つは乗せることが必要なので、最終的にはステム下に5mmスペーサー×2と7mmスペーサー×1、ステム上に5mmスペーサー×1というセッティングにしてみます。

プレッシャーアンカーとヘッドキャップ

カーボンフォークの固定にはこの「プレッシャーアンカー」という部品を用います。役割はフォークを引き上げてヘッド周りのガタつきを取ることと、ステムを締めて固定する「芯」になることの2つです。

フォークコラムの内側にこのアンカーを固定して、トップキャップを締め込むとアンカーがフォークごと引き上げられ、微妙な隙間が埋まるという構造をしています。そしてこのアンカーのある場所でならカーボンコラムを割ってしまうことなくステムを締め付けられるようになります。

ヘッドパーツやプレッシャーアンカー等についてはこちらの記事が非常に分かりやすくまとめられているのでぜひ参考にしてみてください。

ff-cycle.blog.jp

アンカーは落下防止のつばが付いていてコラムの上端で止まるようになっています。この厚みは2mmくらいです。この写真の位置でアンカーが固定されることになります。

最終的にはステム上は写真のようになります。手で持っているのがステム上に来る予定の5mmスペーサーで、この上に載せたヘッドキャップのボルトを締めていくとフォークとともにアンカーが引き上げられてフレームとフォークが密着します。ここから非常に大事なことを言います。

アンカーの周りがアンカーより高くなっていないとこの引き上げができず、ただアンカーを締め込んでいくだけになり最悪破損させてしまいます。先程ステムの上にも必ずスペーサーを乗せる必要があると言ったのはこのためです。スペーサーを乗せることでアンカーの引き上げ幅を作ってやる必要があります。

コラムカット

カットするラインをマジックでマーキングしたらいよいよコラムカットしていきます。DIYで専用工具なしに正確にカットする人も世の中にはいますが、経験上この手の専用工具が必要な作業をケチろうとすると大抵失敗するのでソーガイドと金属用鋸を揃えました。

ソーガイドは定番のGIZA PRODUCTS製のもので、鋸と合わせて3000円ほどです。だいたいカーボンフォークのコラムカットの工賃は3000円〜5000円くらいなので、生涯で2回以上コラムカットをすれば元が取れる計算です。

ソーガイドはコラムを差し込みクランプを締めて固定し、プレートの隙間に刃を入れて切るというシンプルなものです。刃の厚さによって付け替えられるスペーサーが2枚付属しています。金属用鋸には薄いスペーサー、カーボン用鋸には厚いスペーサーが付属しています。

カーボンコラムを切ると、炭粉がたくさん出るのと、切断面の繊維がほつれて汚くなってしまうのですが、カットするラインにセロハンテープを貼ってテープごとカットすると綺麗に切れるというライフハックがあります(下記リンク参照)。するとこの通り既製品かのような仕上がりに。

我ながら惚れ惚れする切り口です。あとは軽く金属ヤスリで断面を整えて、繊維がほつれるのを予防するため瞬間接着剤を塗ります。瞬間接着剤はカーボン繊維の間に染み込んで補強してくれるらしいのでほつれ防止のため必須です。ちょうど家に瞬間接着剤がなかったのですが、5万のフォークがダメになったら目も当てられないので夜中にコンビニまで走りアロンアルファを購入しました。

コラムカットについて、情報元はこちら。

circles-jp.com

②フロントフォークの取り付け

コラムカットしたフロントフォークを仮組みすると写真のようになりました。

5mmスペーサーからアンカーのつばの厚みを引いた分だけ、引き上げ代ができました。この引き上げ代は3mmくらいあれば良いのでこれで問題なさそうです。カーボンコラムなので常にトルクを気にする必要があり、アンカーとトップキャップを4Nmのトルクで締めて固定しました。余談ですがカーボンに対する最大公約数的な万能なトルクは4Nmという説があります。

この時の注意点はステムの固定を最後にすることです。先にステムをフォークコラムに固定してしまうとそれぞれの位置関係が固定されてしまうので、トップキャップを締めてもアンカーとフォークが上がって来なくなります。

取り付け完了。ホントにトップチューブとステムが平行になっている美しいホリゾンタルフレームです。フォークもマットな塗装で質感が最高です。カーボンホイールとよく合いそう。

③ホイールの取り付け

ホイールに関してはやることは殆どなくて、既にDOMANEで運用していたHUNT 44 AerodynamicistのSHIMANO用のフリーボディをSRAM XDR用に交換して、スプロケット、ディスクロータを取り付けるだけです。

フリーボディ交換については過去記事参照してください。

www.mount-road.com

スプロケットの取り付け

スプロケットは削り出し(ホントかよ)のSRAM RED10-33T (XG-1290)です。

SRAMのスプロケットはFORCEグレードも含め非常に入手困難で、新品で売られているのはこの半年間ネット上も含めて見たことがありません。数ある中でも10-33Tの人気が高く、ヤフオクとかでFORCEグレード5万、とかのもはや闇価格で売られています(定価は2万円くらい)。最近はRival etapが発売されたのでRivalのスプロケットはちょくちょく見かけるようになりましたが、それも定価よりは高額で売られているのが殆どです。

私はスプロケットはFORCEにする予定だったのですが、注文確定後に手配不能となり強制キャンセルになるBikeinnあるあるを食らったので、最終的にヤフオクで購入する羽目になりました。Bikeinnは注文時点では信じられないくらい在庫が豊富ですが、土壇場になってやっぱ在庫ありませんでしたというのはよくあるパターンです。

2ヶ月ほどメルカリやネットオークションを巡回していたら状態の良いRED10-33Tスプロケットが44000円とほぼ正規価格で出品されていたので、予定より金額がかさむものの、これを逃すと手に入らない可能性が非常に高いと判断して購入しました。

ちなみにREDとFORCEのコンポ全体の重量差の殆どはスプロケットとクランクの差なので、これで完全RED組に近い重量になりました。コンポごとの比較はこの方のブログが非常に分かりやすくまとめられているので参考にさせてもらいました。

105hillclimb.com

そしてホイールを取り付けるとだいぶ自転車の形になってきました。ホイールは流石になにも難しくないだろうと見せかけてフロントホイールの回転がやたらと渋いです。

ロックリングとフォークの干渉問題

原因はこいつです。ちょっとしたカラーパーツとしてkcncのディスクロータロックリングを購入したのですが、この厚みが原因のようです。写真の通りリアホイールでは問題ありませんが

フロントホイールではディスクロータとフォークのクリアランスが狭く、フォークの内側に当たってしまうことが判明しました(写真はHUNTのホイールに付いていたロックリングで、kcncに比べ非常に薄い)。仕方なくtada車もDOMANEもリアのみkcncにして、フロントはデフォルトのロックリングにしました。

調べてみると非純正のロックリングがフォークに干渉する問題は結構よくある話のようで、ロックリングの外周を削ってクリアランスを生み出すという方法もあるようです。しかし今回のようなカラーパーツでは塗装が剥げてしまうのでおとなしく変えることにしました。

何気ないパーツでも自分で組むと予想外の問題が起こります。自転車乗りとしての幅が広がっている実感があるバラ完第2弾でした。

to be continued...

 

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