紆余曲折を経て初のカーボンディープリムホイールとして購入に至った「HUNT 44 Aerodynamicist」です。
購入までの経緯はこちら
HUNT 44 Aerodynamicist
HUNTはイギリスの新気鋭メーカーで、空力性能にこだわってホイールを制作しているメーカーです。日本国内代理店がないので購入方法は公式サイトから直接買い付ける(英語)のみ、というハードルがありますが、その分同スペックの他メーカーに比べると安く手に入ります。カーボンリム、44mmハイト、リム幅20mm、リムテープ必要(スポークホールはない?)、ステンレス・ストレートプルスポーク、クリンチャー・チューブレスレディOK、前後1466g、価格131700円(2022年8月購入時)、とほぼ求める条件をクリアしていました。メジャーなホイールで同じスペックを求めると20万円近くになるのでコスパは良いと思います。さらにHUNTはプロチームにも機材供給しているので実績的にも申し分ありません。ということで選ばれたHUNT 44 Aerodynamicistです。
注文方法
公式サイトの最初のページで金額の単位を選択できます。価格は当然為替レートによって多少変動します。先に紹介したばるさんのブログではもう少し安かったようです。
金額の下に在庫状況があり、limited stockであれば在庫があります。在庫がない場合は入荷時期が記載されています。本記事執筆時(2022年9月)では44 Aerodynamicistは11月頃になるということでした。
購入画面でフリーボディを選択し決済に進みます。海外通販の味方、paypalが使えるので安心です。tada車はSRAM etap組の予定なのでXDRボディで注文しましたが、現在のDOMANEでも履けるように追加でShimano用のフリーボディ(5000円)も購入しました。もちろんフリーボディはSRAM XDR用、Campagnolo用も販売されています。
互換表が記載されているもののなぜか44 Aerodynamicistの記載はありません。カーボンスポークモデルの44UD Carbon Spoke Discの記載があるので大丈夫だろうと不安になりながら注文しました。(結果、問題なく装着可能でした)
注文後のメールにURLが記載されていて、そちらからアクルスに関する情報(12x100mm, 12x142mmなど)を入力するようになっています。またHUNTのホイールはラチェット音が爆音と評判で、Youtubeで見て聞いてみるとまあ確かに爆音です。カンパホイールの音量を倍くらいにした感じでしょうか。
HUNTもその意見を耳にしているのか、静音フリーというオプションがあるので下記のようにメールにて連絡しました。
I ordered wheels (44 AERODYNAMICIST CARBON) today. (オーダー番号)
I would like to replace the hubs with low noise version hubs.
ちなみにやり取りの英文は全てDeepL Translate: The world's most accurate translatorを使用して作成しました。
支払った金額はホイール131700+フリーボディ5000+送料9800=146500円でした。自転車用品は基本的に関税フリーなので、受け取りの際に追加のお金がかかることはありませんでした。在庫がある状態で注文したのが8月22日で、実際に届いたのが8月31日でした。個人輸入であることを考えるとかなりスピーディでした。英語とはいえ、DeepLなど翻訳ツールが充実している世の中ですし、基本的には既製品を買い付けるだけで複雑なやり取りはないので注文のハードルはそこまで高くないと感じました。
クロネコヤマトとかで届くと思いきや、ある日聞き慣れない運送会社の不在票が入っていました。輸入品だからかなと連絡をするとまさかの平日午前中と金曜夕しか配送業務を行っていないとの返答でした。勤め人には受け取り不可能なので自己責任で、という条件で置き配をお願いしました。
納品
紆余曲折から急展開、こんな知る人ぞ知る的なホイールを買うことになるとは思っていませんでしたが遂にご対面です。
リムテープが貼られた状態で梱包されていました。リムテープがずれていたというレビューもありましたが私のホイールは大丈夫でした。付属品は予備スポーク3本とチューブレスバルブx2
初めて触るカーボンリム。持った瞬間明らかに軽いです。叩くと響く感じがとても新鮮です。
実測値はフロント660g、リア850gで計1510g。カタログ1466gなので44gのサバ読みです。ネットで見ると他の購入者も概ね同じような実測値のようで、カタログ値よりは重いのは間違いないようです。
1500g切りの夢は断念させられましたが、表面はさらさらできれいに仕上げられていて質感が素晴らしいです。手書きサイン風のAerodynamisistが良い感じです。好きです。サバ読みくらいは許しちゃう。
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一緒に注文したShimano用フリーボディです。銀のリングは10速以下のスプロケット用のスペーサーです。
海外製品あるある、検品してくれた人の名前が記載されています。ありがとうVictor
フリーボディ交換
早速ホイール交換といきたいところですが、現在の愛車はShimano組なのでまずフリーボディ交換から始まります。思えばまだtada車いないしShimanoボディで注文してXDRボディを別で購入するべきでした。
しかも六角とスプロケット工具で外れるタイプではなく、左右の軸の溝にスパナをかけて取り外すタイプです。手元にスパナが1つしかないので違う工具でやろうとしたら早くも傷が付いてしまいました。フリーボディ交換には17mm、かつ厚さ3mmの極薄スパナが2本必要です。ホームセンターで300円くらいで売っています。スパナで正しく回すとすぐに写真のように黒い部分が外れてここから先は工具不要になります。
先の黒い部分を抜いたら、シャフトごとフリーボディが抜けてきます。
最終的にはこのような状態になります。あとは交換したいフリーボディの爪の部分にグリスを塗って、同じように差し込んで逆の手順で戻すだけで終了です。ベアリングがむき出しになることがないのであまり気を使わず作業ができます。
実装編
そしていよいよ愛車にセットしました。
愛車と愛車。
カッコ良い。足元が引き締まって、一気に戦闘力が増しました。
側面が全て黒なので足回りの引き締め効果が強いです。早くもディープリムしか勝たん思想になりかけています。
ひとまず20kmほど軽く流した感想です。まず明らかに漕ぎ出しが軽いです。カーボンリムの軽さゆえか、停車前にギアを軽くしなくても苦なく走り出せるような感覚です。
そして確かに30km/h以上の速度域では前に引かれているというか、勝手に進んでいるような感覚がありました。速度を保つための労力が劇的に減ったのが感じられます。踏み込む意識なしでただ軽く回しているだけで勝手に速度が保たれます。これまで35km/hを保つにはクランクを回すだけでなくペダルの踏み込みも意識する必要がありましたが、それが開放されてしまった感じです。
そしてたまたま向かい風の日でしたが、これが一番感動で速度の維持が非常に楽でした。これまでは向かい風の中30km/h以上をキープするのはそうしようと意識して回さないとできませんでしたが、何も意識しなくてもキープできてしまいました。というより、向かい風による巡航速度の減速幅が減りました。慣性が強く働いているのだろうと思います。ペダリングを止めてから減速を感じるまでの時間が長くなりました。
そしてネガとしてはやはり横風の影響は明らかに感じられます。しかし斜めから風を受けたり、トラックが真横を通り抜けた時にハンドルが少し取られやすくなった程度なので、想像していたよりは軽度です。よほど疲れ切っていたり気を抜いていなければ事故につながるほどバランスを崩すことはなさそうだな、というのが今の所の感想です。
あと、ラチェット音は爆音でした。静音仕様ナニソレオイシイノ。…これで静音なら元はどうなんだと非常に好奇心が湧きます。
うっかり迷い込んでしまったホイール沼からひとまず抜け出させてくれたHUNTですが、ハイスペックで安い、しかもまだ知る人ぞ知るくらいで他の人と被りにくい、走行性能も軽く走っただけで良さを感じられた、ということで良い買い物でした。