山と自転車

登山や自転車に関することを綴っています

利尻島、礼文島へのアクセスと登山、サイクリングのこと【備忘録】

2023年の夏休みは利尻山登山をメインに約1週間の北海道旅を計画したのですが、かつてないくらい交通手段や現地での動きを調べて計画を立てたので完全備忘録としてまとめます。貼り付けている時刻表は公式のものですが記事作成時点のものです。自転車旅の視点です。

利尻島へのアクセス

→利尻島へは飛行機かフェリーを使ってアクセス可能です。

①飛行機

・新千歳空港から利尻空港(ANAのみ)

この中では最も容易な方法になります。注意点としては運行会社がANAのみであること、1日1便のみであることです。時間は12:50-13:45で所要時間は1時間もありません。航空券は早割を使えば1万円ほどで確保可能です。

・札幌(丘珠)空港から利尻空港(JALのみ)

飛行機でアクセスするもう1つの方法は札幌(丘珠(おかだま))空港から利尻空港に渡る方法で、①との違いはこちらはJALのみなのと7:50と15:00の1日2便運行していることです。

丘珠空港へのアクセスは札幌から車で20分、バスで40分ほど。ちなみにこの丘珠空港は自衛隊駐屯地であり滑走路を共用している日本で唯一の空港とのことです。

②フェリー

稚内駅からすぐの稚内フェリーターミナルよりハートランドフェリーを用いて利尻島の鴛泊(おしどまり)に渡る方法です。所要時間は40分程で概ね朝昼夕の1日3便が往復しています。車で行く場合には予約が必要で、自転車およびオートバイは予約はなく現地受付のみとなっています。

ちなみに同じ利尻島でも稚内から沓形へ直接渡る航路はないので注意。

利尻島へのアクセスまとめ

・アクセスが困難なイメージがある利尻島だけど、実際にはさほど困難なく上陸可能。
・飛行機上陸するのが一番ラクで早くて安い。
・道外からでも最短で飛行機1回乗り継ぎで上陸可能。
・航空会社が限られること、本数が少ないことがネック。航空券は早め確保を。
・どの方法でも交通費は大きくは変わらない。

交通費は稚内からフェリーを使う方が安いと思っていましたが、早割で新千歳-利尻が1万円くらいなので、バスや鉄道とフェリーを使っても大きくは変わらなさそうです。また新千歳→稚内を飛行機で移動すると時間によっては結構高くつくので、基本的には新千歳から直接飛行機で上陸するのが最もラクで安いということになりそうです。

礼文島へのアクセス

稚内、利尻島、礼文島をフェリーで行き来する場合の主要な港の位置関係です。利尻島北部の鴛泊、西側の沓形(くつがた)、礼文島南部の香深(かふか)。礼文島に渡る方法は

①稚内から直接香深に渡る

早朝、昼前、夕の1日3便で約1時間。

②利尻島から香深に渡る(鴛泊→香深)

1日2便のみで、最終便が13時台と非常に早い。所要時間は45分。

③利尻島から香深に渡る(沓形→香深)

1日15:30の1便のみで所要時間は40分。

の3つ。礼文島北部にはかつて空港がありましたが現在は廃止されているので、利尻島と異なりフェリー一択となっています。

www.heartlandferry.jp

礼文島へのアクセスまとめ

・アクセス方法はフェリーのみで稚内もしくは利尻島から。
・稚内からのフェリーは意外と多い。
・フェリーの港は香深の1ヶ所のみ。

稚内までのアクセス

利尻島へフェリーで上陸する場合にはまず稚内までのアクセスが必要になります。

①飛行機

稚内までのアクセスで最もラクな方法。新千歳空港からはもちろん、本数は多くないものの羽田空港からの直通便もあるので最北端の地とはいえアクセスは容易です。

②鉄道

電車の場合、1日1本のみの運行の「特急宗谷」でアクセス可能であり、所要時間は約5時間。この特急宗谷は全運行距離300kmを超える日本最長の特急で鉄道マニアには憧れの存在のようですが、「30分単位の遅延が複数回発生し時間通りに運休した試しがない」なんて声も聞かれます。

jrhokkaidonorikae.com

③バス

札幌-稚内間を結ぶバス、その名もわっかない号。所要時間は6時間で走行距離なんと334kmのバスです。②の特急宗谷と同等の所要時間ですがこちらは運行本数が1日6本と非常に多いので、深夜に移動して早朝に目的地に着く高速バスと同等の使い方もできる。

www.soyabus.co.jp

稚内へのアクセスまとめ

・やはり飛行機が一番ラクで早い
・鉄道ファンならばロマンあふれる特急宗谷
・バスは本数多めで上手いこと使えば高速バスと同様宿泊費を浮かす手段にできそう。

利尻・礼文島旅のプラン

やりたいこと

・利尻山登山
・利尻島一周サイクリング
・礼文島スコトン岬に行くand/or礼文島トレッキング
・自分の自転車で宗谷岬に到達する

時間的予算は夏季休暇の7日間で、何度も行ける場所ではないので上記全てを詰め込む計画を立てています。

問題点

・しっかりした登山装備が必要になる
・宿泊手段はキャンプなので荷物が増える
・上記装備を全て携行しながら移動する必要がある

利尻山はCT8時間以上で獲得標高も1000m以上のガッツリした登山な上に、有人の山小屋や補給場所がないことから通常の登山ザックと登山靴が必要になります。登山中には背負わないにしてもテント泊と同等の装備が必要で、自転車との両立を考える場合はビンディングシューズと登山靴を別々に持つ必要があるので、ザックの余白部分がなくなってしまいます。そしてザックを背負ったまま自転車に乗ることになる…?

・飛行機輪行が複数回必要

私のプランでは飛行機に4回乗ることになる(羽田→新千歳、新千歳→利尻、稚内→新千歳、新千歳→羽田)ので、自転車の傷が増えるのは良いとしても機材トラブルが怖いところ。また分解と組み立ての作業が非常に多くなるのもやや気が重いです。

・天候が崩れると何もできず詰む

これはアウトドア趣味人の宿命ですが、今回は限られた交通手段でのアクセスなのでエスケープしようがありません。下手すると日本最北の地でひたすらテントに籠もって雨に耐えるだけになるかもしれませんが晴れることに賭けるしかありません。

対処法

上記の問題点をまとめると登山靴を別で持つこと、移動中の荷物をどう携行するのか、輪行の手間、の3点(天気は対処しようがないので)です。これをクリアするためにロードバイクを諦めてブロンプトンを持っていくことにします。ブロンプトンであれば登山靴で漕げるので旅の間登山靴を履きっぱなしで過ごせる=換えの靴が不要になりますし、保険で薄いサンダルくらいなら荷物にならず持っていけるので足回りはクリアできます。ザックはそのままブロンプトンに積載する(固定方法の工夫は必要ですが、リアキャリアを使えば可能と考えられます)ことで荷物の携行方法もクリア。さらに輪行の手間に関してはブロンプトンの独壇場です。ブロンプトンは折りたたんだ状態での防御力が高く、ロードバイク輪行のように飛び出したディレイラーが破損する心配はないし、島でバスやタクシーを利用する場合もスムース。

交通機関の限られる島での移動手段も懸念事項の1つだったのが、ブロンプトンがあれば効率的に動ける予感がします。

www.mount-road.com

旅の実際のプラン

宿確保の手間・宿代の削減とフレキシブルに動けることを重視してキャンプを基本とし、最終日だけ都会で過ごすことにします。

day1:羽田→新千歳、新千歳→利尻。夜はキャンプ。

利尻島まではロマンを犠牲に最短の手段でアクセスし、登山に備え利尻北麓野営場にてキャンプ。近くに利尻富士温泉(5−10月は無休)があります。

day2:利尻山登山。夜はキャンプ。

CT8-10時間なので早朝に出発し、さすがに1日がかりと思っておいた方が良さそうです。夜はファミリーキャンプ場ゆーにへ。近くに利尻島唯一のコインランドリー「アシリコインランドリー」があるのでここを利用します。

day3:利尻島一周サイクリング→礼文島へ上陸。夜はキャンプ。

スタート地点は鴛泊なので一周するなら鴛泊→香深最終便の13:15までに戻ってこなければならず、早朝からの行動が必須になります。全長は63kmほどで獲得標高は400-500m程度でしょうか。ブロンプトンで観光込みと考えると6-8時間くらい見ておいた方が良さそうです。完全な一周を諦める場合は沓形から香深に向かう最終便15:30を利用できるのでゆっくりできそうです。

www.rishiri-plus.jp

夜はせっかくなので礼文島の日本最北端のキャンプ場、久種湖畔キャンプ場を利用します。香深→キャンプ場への移動は20kmほどなので、ここもブロンプトンが生きてきます。

day4:礼文島トレッキング→フェリー最終便で稚内へ。夜はキャンプ。

礼文島は西側は道路がないらしく、今回の滞在時間の1.5日程度では島全体を巡るのは不可能なので、一番行きたい最北端のスコトン岬と西側の澄海岬さえ行ければ良しとします。両者間はトレッキングコースもありますが自転車移動も可能そうなので、ここもブロンプトンで時短を狙います。そして時間が余っていれば南部のトレッキングコースを歩いてみても良さそう。

day3に礼文島に上陸する時間によっては南部のトレッキングを先に挟むことも可能かもしれません。このday3-4は今回の計画で一番状況に応じて変わる可能性があるところです。

www.rebun-island.jp

稚内港のすぐ近くにキャンプ場があって、そのさらに近くに温泉を確認しました。

日本最北端のドーミーイン稚内が非常に魅力的でしたが、贅沢は最終日にとっておいてやはりキャンプにしたいと思います。

day5:稚内から宗谷岬へサイクリング→飛行機で新千歳→札幌へ。夜はホテル。

稚内→宗谷岬は約30kmほどの平坦道。最北端の地として観光も満喫したいところなのでじっくり時間を取るべく稚内→新千歳の飛行機は17:05発をチョイス。宗谷岬からの復路は自走が嫌なったら電車ないしバスが使えるのでここも状況に応じて動きます。

自然満喫メインの比較的ストイックな旅ですが、せっかく北海道に来たので最終日くらいは贅沢しようということでドーミーインPREMIUM札幌を確保しました。度々記事で書いていますが私は旅を計画すると真っ先にドーミーインを探すくらいドーミーイン好きなので、PREMIUMが確保できたのはもうテンション爆上がりです。小樽のドーミーインPREMIUMも相当に素晴らしかったので期待大。

www.hotespa.net

day6:札幌周辺観光→羽田へ。

もう疲れて一刻も早く家に帰りたくなっている可能性もありますが、せっかくなら札幌ポタリングを楽しんで自宅に帰る予定です。

 

旅はあまり厳密に計画しすぎると予定を遂行することが目的になってしまったり、意外な出会いや発見という余白部分がなくなってしまうので、普段は交通手段を確保し最低限行きたいところだけ調べたらあとは気の向くままに動くのですが、さすがに今回は場所が場所なので動きをある程度決めておかないと旅にならないため結構しっかり下調べをしました。

あとは天気。旅を終えたらまたレビューします。

追記 実際に旅した記録

実際に行ってきました。利尻山登山、利尻島一周サイクリング、礼文島巡り、稚内〜宗谷岬の4編に分かれています。よろしければ見てもらえると嬉しいです。

↓利尻山登山編

www.mount-road.com

↓利尻島一周サイクリング編

www.mount-road.com

↓礼文島巡り編

www.mount-road.com

↓稚内〜宗谷岬編

www.mount-road.com