山と自転車

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【電動キックボード】自転車乗りが電動キックボードに乗ってみた感想【LUUPの使い方】

初めにこの記事の結論です。電動キックボードは基本的な交通ルールを知って注意しながら運転する限りでは思っていたよりも危険なものではなく都市部の優れた移動手段になると思いました。

電動キックボードについて

ヘルメット不要で行動を走れる電動キックボード。突然世に現れその運用には賛否様々な意見が飛び交いながらも不自然なほど急速に法整備が進んだような印象を受けます。正直利権絡みの大人の事情を感じずにはいられませんが(小声)最近では街中のポートを見かけることが増えてきて、実際に走行しているのもよく目にするようになりました。

私個人的にもニュースで初めて見た時にはなんて危険な乗り物が現れてしまったんだと思いましたが、これだけ普及するからには実用性があるのは間違いないでしょうし、よく知らずに評価するのは良くありません。ということで細君と都心に出かけた際にLUUPで電動キックボードを利用してみました。

LUUPについて

LUUP(ループ)という電動自転車・電動キックボードのシェアリングサービスをご存知でしょうか。スマホのアプリで街中に設置されたポートの中から借りる場所、返す場所をそれぞれ自由に設定して気軽にレンタルできる、主に都市部の移動手段を広げるという目的のもとに運営されているサービスです。最初は東京23区内をメインに展開し、現在は京都大阪神戸etc...都市部を中心に提供エリアが広がっています。

luup.sc

lp.luup.sc

LUUPの使い方

何あれ!乗ってみたい!

じゃあ乗ろか

まずはLUUPのアプリをダウンロードして

運転免許証の登録と交通テストと

メンド…やっぱいいや

すぐ終わるから(怒

アプリをダウンロードしてから運転免許証をアップロードし、11問ある交通テストに合格すればLUUPが使用できるようになります。全体で5分もあれば登録完了します。

アプリの操作

①アプリからポートとレンタルしたいモビリティを選択する
②ライドする、を選択
③返却ポートを選択(レンタル中に変更できる)
④ライドを予約 or いますぐライド を選択
⑤現地でアプリからレンタルしたモビリティのQRコードを読み取る→ライド開始
⑥返却時はポートに駐輪して写真を撮って登録(アプリで誘導される)

事前準備を終えてからアプリを開くと地図とポートが表示されます。借りられるモビリティは電動キックボードと電動ミニベロで、グリーンのポートは車体があるところでグレーのポートは全て貸出中のところです。

ポートを選択するとどちらのモビリティが何台あるのかが表示されます。借りたいポートを決めたら下にスクロールして「ライドする」を選択します。次に返却ポートを地図上から選択しますが、これはいつでも変更可能なので目的地に着いてから近くのポートを探して指定するのでも良いと思います。

ライドを予約、を選択すると10分間のタイマーが開始されるので現地に向かいます。今すぐライド、を選択すると後述のライド開始のプロセスがすぐ始まります。

こちらがポートです。最近は街中でよく見かけるようになったと思います。ビルやマンションの駐輪場の一角や路地裏に設置されていることが多いです。現地についたら予約したモビリティのハンドル近くにあるQRコードを読み取るとライド開始できます。モビリティはQRコード近くにある番号で識別されているので、複数台停まっている場合は間違えないようにしましょう。(間違えて読み取るとエラーメッセージが出ます)

返却ポートを設定するとアプリの地図上に赤く表示されます。ハンドルにスマホホルダーが設置されているのでナビ代わりに表示しておくと良いと思います。

スマホホルダーは手動のネジで幅などが調節できる汎用型です。

料金

2023年8月現在、利用料金は基本料金50円+15円/分です。30分利用すると50+15✕30=500円です。

電動キックボードの仕様

走る際には軽く脚で漕いでから右手のハンドルにあるPush&goのレバーを押し込みます。割とスッと初速がつくので走り出しが速い印象です。写真は停車時にレバーを押した状態ですが(撮影のため左手で押しています)停車時には走り出さないようになっています。逆に言うとボタンを押すだけでは走れないので信号待ちでうっかり押してしまっても飛び出すことがないので安全性に配慮されています。ブレーキはシティサイクルと同じくレバーを握るタイプのもので、効き具合もいわゆるママチャリを想像してもらうと良いと思います。

左手ハンドルには左右のウインカーボタンとその下にクラクションボタンが配置されています。ハンドル中央の画面には速度と充電の残量が4段階で表示されます。

正面にはライトが付いており走行中は点灯しています。ハンドルの左右も走行中には緑色に点灯していて、ウインカーを出すとオレンジ色に点滅します。細君が乗っているのを後ろから見ていて、このライト類は日中は視認性が悪いです。

後ろから全体像。ナンバープレートの上にはリアライトが付いていてブレーキと連動して点灯します。また、自動車と同じく暗くなると自動で点灯状態になります。

電動キックボードに乗ってみた感想

楽しい、面白い!

これが第一の感想です。ひと漕ぎしてからスタートレバーを押し込みスーっと加速していく感覚や立ち姿勢でスイスイ移動していくのは空港にある動く歩道をもっと早くした感じでアトラクションじみています。最高速度は20km/hなのでそこそこのスピード感が味わえます。ある程度加速して20km/h近くなるとギアが一段落ちるような感覚があるので、エンジン的にはもう少し速く走れるところ上限を設けて制御しているような印象でした。斜度6%ほどの見た目の坂に入ると10km/hくらいになりましたが、細君の方は平地と変わらないくらいのスピードで登っていったので体重や充電の残量によって多少変わってくるようです。

車からの視認性は良さそう

安全性に関して言うと、まず立ち姿勢なので自転車に比べ目線が非常に高いです。車から見ると自転車よりも高い位置になるので視界に入りやすいのではないかと思いますし、日中はともかく暗くなってからのライト点灯状態はかなり明るいと感じました。

自転車一般の話でいうと姿勢が低く、残念ながら夜間に無灯火で走る人が少なくない上にフロントライトがあってもリアライトは付けていないことが殆どですし、デイライトに至っては一部のロードバイク乗り意外には普及していません。もちろんウインカーもありません。自転車事故の原因の多くは車からの視認性の悪さに起因するとも言います。電動キックボードは強制的に前後がライト点灯してウインカーまで付いているので車からの視認性という点ではむしろ自転車より優れているかも、と思いました。

頑張っても速度が上がらないのが良い

あとは速度に関して、電動キックボードの20km/hは乗ってみると結構速い印象を受けましたが、自転車でいうとママチャリ、ミニベロの街乗りの速度域なので特に速いということはありません。そしてどんなにレバーを押し込んでもその速度域以上の速度が出ない、これが結構大きいなと思いました。例えば信号が変わりそうな時、並走している車の脇をすり抜ける時、頑張って漕いでスピードを上げる経験は誰しもあると思うのですがこれらは当然事故が起こりやすいシチュエーションです。個人的にはこの「頑張ればスピードが上がる」=「頑張れば間に合う」というのが多くの事故の一因かと思っています。過去に事故になりかけた時もそういう状況でした。ところが電動キックボードの場合はどんなに急いでもそれ以上スピードが出ないので、車の脇をすり抜けたり点滅した信号に突っ込む気にはとてもなりません。言わばデスゾーンにより長く滞在するようなものなので「間に合わなさそうだから停まろう」という気持ちが湧きやすかったです。よく考えれば頑張ってもスピードが上がらない乗り物って他に無い気がします。

私は学生時代にトラックの幅寄せでクラッシュしたことがあるので、ロードバイクに乗る際は周囲の車の動向にかなり気を配る癖が身に付いていますが、電動キックボードは車と併走できるような速度域ではないので、同じように注意している限りでは意外と安全かも、と思えました。

ながら運転がし辛いのが良い

また〜〜しながら運転がし辛いのも良い点だと思います。走行中に不安定さを感じるわけではありませんが、両手でハンドルを掴んでいないと安定性に欠けるので片手運転は難しく、必然的にスマホ見ながら運転はしなくなると思います。

純粋な移動手段として優れている

電動キックボードは狭くて繁雑とした都市部ではかなり優れた移動手段だと思いました。私は高校生の頃から都心の最適な移動手段は自転車であると考えているのですが、その理由は都市部では距離の割に電車の乗り継ぎがあって面倒だったりちょうど良い位置に駅が無くて意外と歩く羽目になって、自転車なら一瞬なのにと思うシチュエーションが多いからです。LUUPもポートに規定されてしまうものの、駅とは比較にならないほど密に多数存在しているため最短距離を移動しやすいと思います。料金は安くも高くもないかなというのが現時点での感想ですが、都心で時速20km/hの乗り物を30分使うと5,6駅分くらいは普通に移動できてしまうので、より目的地に沿った場所をフレキシブルに動けると考えると電車やタクシーより安く快適に移動できる場合が多いと思うので、面白い乗り物という付加価値も込みでコスパ・タイパに優れていると思いました。アプリも使いやすく移動したら乗り捨てれば良いので都市部での移動手段として、自転車の気軽さとタクシーの利便性を兼ね備えている感じがします。

悪かったところ

乗り心地

荒れた路面や段差は結構拾います。タイヤの大きさがCarryMeくらいしかないので当然ですが、走行エリアが都市部に限られるのでそれほど大きな問題ではないと思います。

荷物は積めない

荷物の積載スペースがないので、トートバッグをハンドルに引っ掛けるくらいがせいぜいです。たまに居る旅行・観光で常にスーツケースを持ち歩くタイプの人には使いづらい、というか使えません。ボストンバッグなど大きな鞄も危ない気がします。

事故った時は重症になりうる

幼少期にキックボードに乗ったことがある人は車輪が排水溝にハマってジャックナイフするのを必ず経験していると思います。顔面から受傷する極めて危険な事故が起こりやすいのは大きな欠点です。電動キックボードはさすがに排水溝にハマるほど小さいタイヤではありませんが、些細な段差の影響を強く受けるので、何も意識せず車道から歩道に移ろうとするとまず転倒すると思います。時速20kmで顔面から転倒すると外傷性の脳出血や脊椎損傷を起こしうるので、自転車に乗る時以上に周りに注意を張り巡らせ細心の注意を払うべきです。

ノーヘルは怖い

安全性は良さそうと言いましたがロードバイク乗りとしては車道に出ている時は基本的にヘルメット着用状態なので、ノーヘルで車道に出るのが少しドキドキします。ママチャリにすらヘルメット努力義務を課しておいてなぜ同等の速度域で車道を走る電動キックボードには不要なのか、とは思いますがヘルメットが必要となるとサクッと借りて乗り捨てる利便性に大いに影響が出ますし、レンタルヘルメットを備え付けておくのも衛生面など現実的ではない部分もあります。いずれにせよ私は義務じゃないならそのまま乗りますが…。

まとめ

・電動キックボードは都市部の優れた移動手段になる

・LUUPのアプリが使いやすく気軽に使える

・車からの視認性は自転車より良いかもしれない

・ながら運転は難しい(良い点)

・見た目のイメージよりは安全性が考慮されている(乗り手が正しく乗る限り)

否定的な目で見る人も多いですし、今後の普及に伴って事故が増えて問題になっていく可能性は大いにありますが、然るべき注意を払って利用する分にはハード側としては思ったより安全性はあると思いましたし、私は都市部の移動手段としては非常に優れた乗り物だと思いました。むしろあんなに狭くて人が多いエリアを車が走り回る方が問題だと個人的には思います。この記事を書いてから都心に出かけるときにはちょくちょく利用しますが、設置場所が非常に多いためほとんどの場合目的地と現在地をダイレクトに結べるのでとても便利で気に入っています。

以上、自転車乗りが電動キックボードに乗ってみた感想でした。

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