山と自転車

登山や自転車に関することを綴っています

カメラにハマって最終的に登山に最適なカメラはOM-D EM1 markⅡという結論に至った話

写真カメラ関係第2弾。写真を趣味にしてから順当にフルサイズ病を患い、最終的に登山や自転車のアウトドアフィールドがメインになってフルサイズを捨て、マイクロフォーサーズに行き着くまでの自分語りです。長いので目次から飛んでください。

 

写真を趣味にしてからのカメラの変遷

RX100との出会い

SONY公式HPより引用

私が写真を趣味として始めたきっかけは学生時代にメルカリで購入したRX100初代でした。

私は元々旅行先でスマホでよく写真を撮る方でしたが、たまに実家のコンデジを引っ張り出したり人に借りたりすることはあったものの、一眼レフのようなゴツい、オタクっぽいカメラ(当時の偏見)には全然興味はありませんでした。

そんな中、細君と交際して初の旅行を控えた試験勉強中にふとカメラを買おうと思い立ちました。そのきっかけはもはや思い出せませんが、スマホの容量が余裕がなかったからとか、周りでカメラを持っている人がちらほら居て気になった、とかその程度だったと思います。記念すべき細君との初旅行をしっかり記録に残したいという気持ちもあったような気がします。

荷物にならなくて高性能なカメラ、を調べてすぐに出てきたのがSONYのRX100という高級コンパクトデジタルカメラでした。作例に出てきたのが背景がボケる、夜空なのにはっきり映っている、ゴツいオタクっぽいカメラじゃないと撮れないと思っていたような写真で衝撃的でした。カメラ自体もザ・カメラという感じでかっこいいと思いました。

当時でもすでに4,5世代目までは発売されていた人気シリーズだったため、高級コンデジとはいえ初代RX100は中古で2万円ほどで入手できました。

スマホと同じくらい小さいのにちゃんとボケる写真が撮れて花火や夜空も撮れて、ちゃんとしたカメラってこんな写真が撮れるんだと感動しました。

RX100で撮ったボケた写真

RX100 星景撮影

RX100 長秒露光

RX100は手のひらサイズの超コンパクトなボディながら、シャッタースピード優先、絞り優先、マニュアル撮影での長秒露光等々、一眼カメラに備わっている機能の大半をカバーしていて、センサーサイズも1型という大型のものを使用しているため、明らかにスマホとは違う写真が撮れます。

マクロ撮影 雪の結晶

エフェクト ミニチュアモード

さらにコンデジの強みでマクロ撮影と呼べるくらいの近接撮影もこなせる上、エフェクトモードで面白い写真がボタン一つで撮れる、まさに学んで遊べるカメラでした。

 

一眼レフを買う NikonD5500

RX100を購入してから写真を趣味にするようになり、それからすぐに人生初となる一眼レフ、APS-C機のNikon D5500を購入し、本格的に写真やカメラのことを勉強するようになりました。本当に不思議なもので写真を始めてからは、カメラの象徴とも言える一眼レフ、ゴツくてオタクっぽいと敬遠していたカメラにめちゃくちゃに惹かれるようになりました。私は熱を持つと極端な変化が起こるタイプの人間なので、観光地で同世代くらいの人が一眼レフで写真を撮っているのを見ると、RX100の背面モニターを見て写真を撮っている自分が恥ずかしくなる思いでした。

D5500 一眼レフっぽい写真

D5500 精進湖の星景撮影

D5500 神明の花火

交換レンズはもちろん、三脚やリモートレリーズを購入し、撮影のために昼も夜も動き回るようになり、RX100時代よりさらに高画質で様々な写真が撮れるようになりました。レンズの違いが面白くて、超広角レンズやら望遠レンズ、一時はマクロレンズまで所有していました。

フルサイズ病を患う NikonD750導入

そして、私は機材厨でもあるのでカメラを手にした多くの人がそうであるようにフルサイズ病を患いました。これだけどっぷり写真にハマったのだから良いだろう、なんて思いながら初の一眼レフを手にしてから1年ほどで、有り金はたいて念願のフルサイズ機、Nikon D750を購入し長らくメイン機として使用してきました。

Nikon D750+Nikkor 24-120mm F4.0

D750 ホタル撮影 比較明合成

D750 横浜みなとみらい

D750はやはりフルサイズ機ということで、暗所撮影ではこれまでのカメラよりもさらにハッとさせられるクリアな描写が得られました。

D750 カフェにて

D750 江ノ島にて

暗所撮影時のクリアさ、F4.0でもめちゃくちゃボケる、というのがフルサイズに乗り換えて実感できた違いでした。

サブ機 FUJIFILM X100F

社会人1年目、初任給で購入した思い出のカメラが富士フイルムのX100Fというまたまた高級コンデジでした。RX100は一眼レフを購入してから活躍の場がなくなり手放したのですが、ちょっとした近所の外出時などは一眼レフを持ち出すのが憚られることもあり、やはりコンデジはコンデジで必要だと思いました。

FUJIFILM X100F

X100Fは高級コンデジの中でも嗜好性が非常に高く、当時の新品価格で10万円もするにも関わらず、レンズ交換はできないどころか換算35mmF2.0の単焦点の固定レンズ。さらにファインダーはEVFとレンジファインダーの切り替え式で、さらに両者を同時に表示させることもできるという唯一無二のハイブリッドビューファインダーを搭載する変態カメラです。メインは一眼レフなので様々な画角に対応できる必要はなく、尖ったカメラでも良かったので見た目に惚れ込んだX100Fを選びました。見た目以外にもその描写、富士フイルムお得意のフィルムシミュレーションの色合いに感動したのもX100Fを選んだ理由です。

X100F クラシッククローム

X100F 鎌倉高校前のあの踏切

特にクラシッククロームとフィルムカメラの粒状感を再現するグレイン・エフェクトの組み合わせが気に入っています。ただ彩度を落としただけではなく温かみのある、まさにフィルム写真の色合いは唯一無二の描写だと思います。

X100F Velvia ビビッド

もちろん彩度の低いフィルム写真風の表現だけでなく、色鮮やかな表現も。温かみのある色合いです。

またF2.0の絞り開放の描写はかなり淡い描写になるという特徴がありますが、F2.2以上ではクリアな描写で屋内のテーブルフォトにも非常に使い勝手の良いカメラです。

登山とカメラ

フルサイズを手にして1年ほど経って登山をするようになり、カメラの活躍の場が主に山に変わっていきました。

D750 仙丈ヶ岳にて

フルサイズはその性能と引き換えに筐体が大きく重くなるので、軽量コンパクトという部類に入るD750でも840gあり、標準ズームレンズが700gほどだったので合わせて1.5kgがデフォルトでした。さらに超広角は1100gの超重量級レンズだったので、約2kgの金属の塊を背負って山に登っていました。

D750+TAMRON15-30mmF2.8 人生最重量級の組み合わせ

このTAMRON 15-30mmF2.8は私がこれまで使ってきたレンズの中で一番の超画質でした。圧倒的な画が撮れるので、重さに苦しみながらも欠かさず山に持っていきました。

TAMRON 15-30mmF2.8 唐松岳山頂にて

個人的に過去最高の登山と思っている写真で、カメラの重量など気にならず夢中でシャッターを切っていました。

TAMRON 15-30mmF2.8 室堂にて

TAMRON 15-30mmF2.8 北穂高岳山頂から大キレットと槍ヶ岳を望む

重い思いをした分、山の稜線上という自分の脚でしか辿り着けない、ラクをして辿り着くことはできない環境で妥協なく写真が撮れるというのはこの上ない喜びでした。

TAMRON 15-30mmF2.8 鳥海山山頂にて

登山の時のカメラの携行方法はPEAK DESIGNのcaptureというカメラを肩ベルトや腰ベルトに固定できるようにするアイテムを使っています。ストラップでの肩掛けに比べると負担はかなり軽減され、脱着も早くアウトドア向きの必須アイテムです

このcaptureと水や温度変化に強いNikonカメラの質実剛健な作りのおかげで、フルサイズ機でも身体の負担を減らし、ある程度雑に扱うことができたので、アウトドアフィールドとはいえ扱いに気を使うことはありませんでした。(カメラは道具だから壊れなければ良い、という性格なのが大きいかもしれません)

フルサイズを捨てる決断

使用する環境の変化

上述のようにフルサイズを買って1年ほどのタイミングから趣味の主軸が登山に移り変わり、もう写真を始めた初期のようにカメラ散歩や撮影のために遠征するようなことはほぼなくなっていました。写真は登山や自転車で見た景色を撮るのが中心になっていたので、重い思いに見合う写真が撮れることは分かっていながらも「カメラがもう少し小さくて軽ければ」と思う気持ちが強くなっていきました。

用途の変化

何でもかんでもボケさせて一眼レフらしさを楽しんでいた頃を過ぎ、アウトドアフィールドでの撮影が中心となり風景がメインの被写体になってくると、フルサイズの強力なボケが不要になってきました。星景撮影は山に泊まると欠かさず行っていますが、頻度としては激減しました。星景撮影は自分の撮影スタイルのごく一部なので、ある程度風景と星が綺麗に写っていてタブレットでの鑑賞に耐えうるくらいの画質なら十分と考えるようになり、フルサイズ機に拘る理由がまた一つ減りました。

フルサイズの写真データを扱う環境の問題

画質という点ではフルサイズがもちろん優れているのですが、それと引き換えに無視できないのが写真のデータサイズです。設定や画素数にもよりますが、フルサイズのJPEGの写真データは1枚で40~50MBほどに及びます。20枚で1GBに達してしまうというのは脅威的です。ちなみにiPhoneの写真はせいぜい5MBくらいです。データの保存先はクラウドや外付けSSDなどでどうにかなるとしても、深刻だったのがRAW現像でした。これだけ重たいデータを大量に扱うとなるとPCにもそれなりのスペックが必要になってきます。実際に当時使用していたメモリ8GBのMacbook Airでは現像ソフトが数枚出力ごとに固まってしまい非常にストレスを感じていました。フルサイズ機を手にすると必然的にそれに見合った高性能なPCが必要になる、これはフルサイズを使って気づいた盲点でした。

本当にフルサイズが必要なのかを考えた

今思えばフルサイズ機を購入した当時は「フルサイズ機を使っている」という自己満足感が欲しかったのだと思います。もちろんフルサイズのボケや暗所性能が絶対に必要な場面はありますが、決して多くはありません。

またカメラをアウトドア趣味の場で使うことで「フルサイズ」というブランド思考が薄れてきて、カメラを山に持ち込んで過酷な環境で写真を撮る道具として考えるようになりました。撮った写真も基本はPCやタブレットで見る、大きく印刷してもA3くらい、という使用環境です。そもそも私は面倒くさがりでRAW現像も不要ならなるべくやりたくないので、高額な高性能PCを写真のためだけに買うというのは躊躇われました。写真を撮る理由に記録の要素が強まっている現状では、そこまで環境を揃えるのはオーバースペックと考えられました。

以上から私にとってはフルサイズ機のデメリットを上回るほどのメリットが得られないと判断しました。

OLYMPUS OM-D EM1 mark2への乗り換え

アウトドア向けのカメラだから

フルサイズを捨てる決断をして、センサーサイズにはもはや拘らないことにしました。私がフルサイズは不要と判断した理由的にはフルサイズもAPS-Cも大差ありません。センサーサイズに拘るよりは「レンズも含めた全体のシステムとして軽量なカメラ」「アウトドアフィールドで確実な仕事をしてくれるカメラ」が必要で、これはもうOLYMPUS OM-Dシリーズ一択でした

jp.omsystem.com

センサーサイズはマイクロフォーサーズで1型とAPS-Cの間くらい。フルサイズに比べれば非常に小さいけれど、標準ズームと合わせても1kgちょっと、さらに大三元レンズの超広角7-14mm(換算14-28mm)F2.8が500g台という今までの一眼カメラからすると大幅な軽量システムが組めそうでした。さらにオリンパスといえば手持ち10秒も余裕と言われる超強力な手ぶれ補正(私の腕では1,2秒くらいが限界ですが)と防塵・防滴・耐天候性能が有名で、新しいカメラを出すと外人さんがすぐにシャワーの滝行をさせ泥水に放り込むほど。メーカーとして星景撮影にも力を入れていて、作例を見る限りセンサーサイズから想像するよりは遥かにクリアな写真が撮れそうでした。

薄型・軽量のボディとレンズシステム

OM-D EM1 mark2+M.ZUIKO12-100mm F4.0 pro

センサーサイズに加え一眼レフからミラーレスへの変化で、ボディが非常に薄くて小さいことに感動しました。体感的にはフルサイズ時代の半分くらいです。ロードバイクでストラップたすき掛けにしてもD750時代と比べると劇的に肩が楽でした。

神レンズ M.ZUIKO12-100mm F4.0 pro

そしてオリンパスにはフラッグシップのPROレンズの中に単焦点殺しと言われるくらいどの画角も描写が素晴らしいと、レンズ界の大谷翔平と言うべき12-100mm(換算24-200mm)F4.0 proという神レンズが存在します。レンズを余分に持つ余裕やレンズ交換がし辛いアウトドア環境においてはこれ一本、というまさに最適解なレンズです。むしろこのレンズを使いたいがためにマイクロフォーサーズに乗り換える人もいるほど高評価なレンズです。ズームレンズとは思えない隅々までの解像感はさすがフラッグシップと言えるものでした。

M.ZUIKO12-100mm F4.0 pro 雷鳥沢キャンプ場

M.ZUIKO12-100mm F4.0 pro 剱岳

M.ZUIKO12-100mm F4.0 pro 赤岳から阿弥陀岳を望む

山はなるべく広く写したいので私は山にズームレンズは不要と考えていましたが、ズームができると冗長な余白をカットし印象的な要素をクローズアップして切り取ることができるので写真の表現の幅が広がりました。高倍率ズームのレンズながらテレ端とは思えない高精細な描写には息を飲みました。

M.ZUIKO12-100mm F4.0 pro 換算200mmの高ズーム域もクリアな描写

M.ZUIKO12-100mm F4.0 pro 山でも高倍率は役立つ

M.ZUIKO12-100mm F4.0 pro 木曽駒ヶ岳山頂から御嶽山ズーム

星景撮影も問題なくこなしてくれる

さすがにフルサイズと比べればノイズが走るものの、想像していたよりもずっとマイクロフォーサーズで撮影する夜空は綺麗でした。同時に購入した大三元レンズの超広角に相当するM.ZUIKO 7-14mm F2.8 proもさすがのproレンズで最高の描写を見せてくれます。今まではフルサイズに甘んじてF4.0の標準レンズで撮ることが多かったのですが、超広角F2.8でも500g台のレンズならばザックに忍ばせておくのも苦にならず、F2.8で星空を撮る機会が増えました。

M.ZUIKO 7-14mm F2.8 pro 雷鳥沢キャンプ場にて

M.ZUIKO 7-14mm F2.8 pro 穂高岳山荘にて

M.ZUIKO 7-14mm F2.8 pro 八ヶ岳 青年小屋にて

F値によるボケの程度はセンサーサイズで変わってしまいますが、単位面積あたりの受光量はセンサーサイズではなくレンズの明るさで決まるので、例えばボケのように「マイクロフォーサーズF2.8はフルサイズのF4.0相当の明るさ」ということにはなりません。センサーサイズが小さいとしても明るいレンズが使えるならば、その分感度を抑えて高画質で撮れるようになります。

逆説的ですが、フルサイズを捨てたおかげで明るいレンズを持ち出しやすくなり、星景撮影としてはより良い条件で撮れるようになりました。

オリンパスブルー

JPEG、いわゆる撮って出しの描写にはメーカーの思想や得意分野が現れます。風景を撮るならNikon、人を撮るならCanonと言われたり、富士フイルムはフィルムの色の再現、ペンタックスは緑の描写に定評があったり。オリンパスはというと、オリンパスブルーと呼ばれる青の表現に定評があります。私はこのオリンパスブルーの空の色が大好きなので、空の青が多くを占める写真は可能な限りRAW現像しないで済むように現地で複数枚撮影するようにしています。結果的に保存する写真の殆どは撮って出しになりました。

オリンパスブルー 撮って出しです

鳳凰三山より白峰三山を望む

西吾妻山にて青と白の世界

登山や自転車では必然的に空を撮ることが増えるので、このオリンパスブルーの空の色は現像要らずで本当に重宝します。ただ彩度が高いだけではない深みのある色、濃厚なグラデーションは見事としか言いようがありません。

最新モデルが良いのかどうか

OM-D EM1 mark2は世代的には2世代前に相当します。オリンパス時代に後継機のmark3が既に出ていますし、オリンパスのカメラ部門が独立したOMデジタルソリューションズ(OMDS)の新ブランドOM SYSTEMの名を冠したOM-1が実質的には最新機種です。OM-D シリーズはアウトドアユーザーのみならず、コンパクトに超望遠・動体撮影システムが組めることでも人気なので、世代を経るごとに手ぶれ補正と連射性能が主たる進化点になります。

私の場合は動体撮影はしませんし連射性能が求められるシーンはまず無いので、最新機種の恩恵が得られにくいと考えました。もちろんセンサーの進化による画質、特に高感度撮影性能も向上しているとは思いますが、数々のレビューサイトや作例を見漁って、結局はセンサーサイズが同じならば自分が認識できるレベルの差ではないと判断しました(ただ、OM-1のEVFは大幅に解像度が向上しているというのは気になります)。実際フルサイズを使っていてある程度目が肥えているつもりでいる私でも、印刷媒体も含め画質が落ちたとはあまり感じなかったので十分です。

最新ではないにせよフラッグシップ機のmark2が新品でも7,8万円で手に入るという抜群のコストパフォーマンスなので、差額で良いレンズを手にする方が良い写真につながると思います。

OM-D EM1 mark2を3年使ってみて

外に持ち出す頻度が増えた

低山ハイクや近所の軽いサイクリングでも、フルサイズ時代に比べ重量面のネガが軽減したため、気軽に持ち出せるようになりました。特にたすき掛けしてロードバイクに乗ることが増えました。画角という物理的な要素でスマホでは撮れない写真が撮れるので、高倍率ズームは自転車旅でも大活躍してくれます。

フルサイズ時代は思っていたより持ち出すのを躊躇う場面が多かったのかもしれない、とマイクロフォーサーズに乗り換えてから気づきました。

野外環境で真価を発揮

EM1 mark2は旅行や自転車旅、水辺のアウトドアから厳冬期登山まで様々なシーンで使用してきました。私はカメラやレンズが傷付くのは機能に問題なければ気にしないので、あちこちぶつけまくっていますが、撮影機能のトラブルは一度もありませんでした。一眼レフに比べたミラーレス一眼の欠点として電池持ちが悪いというのがありますが、体感的にはそこまで大きな違いはなく、星景撮影を含む2泊3日までの山行では予備バッテリー1つあれば十分でした。雨の時にはザックにしまい、傘をさすか微妙なくらいの雨量ではむき出しのままのこともありますが、浸水したこともありません。

たった一つの懸念事項

基本スペックからアウトドアユースまでほぼ完璧なカメラですが、厳冬期登山において一度だけバッテリー落ちがありました。2月の木曽駒ヶ岳山頂-15℃、風速12~15mほどの環境で直前まで残量90%以上だったのに突然シャットダウンしました。予備バッテリーに交換すると正常に作動し下山まで特に変わったことはありませんでしたが、D750時代は同様の環境でも一度もエラーを起こしたことがなかったので戸惑いました(この当時はメーカー公認の動作環境以下の気温ということは知りませんでした)。

2021年2月 木曽駒ヶ岳にて。最初にして唯一のバッテリー落ち

先に言っておくとメーカー保証の動作環境は-10℃までなので、カメラ側には全く問題はありません。幾度となく厳冬期登山に持ち出してもバッテリー落ちはこの一度きりなので、むしろ基本的には-10℃を下回るスペック外の環境でも普通に動作すると考えて問題ないレベルです。

なので懸念事項とか文句を付けるのは不当極まりないのですが、かと言って実際問題「今日の山は-10℃を下回りそうだからカメラは置いていこう」とはならないため、厳冬期登山においては短時間だとしても予備バッテリーは必須ですし、少しだけ気にしています。

自分にとっての最終ゴール

カメラに関しては紆余曲折してきた私ですが、最終的にマイクロフォーサーズに行き着いて現在に至り、これが私にとっての最適解でゴールだと確信していますもしEM1 mark2が壊れても同じくマイクロフォーサーズ機を使い続けます(その時にはUSB給電ができるmark3かOM-1が欲しい)。世はフルサイズミラーレス戦国時代で、OM-Dシリーズと同等のコンパクトなカメラも珍しくありませんが、レンズも含めたシステム全体としてはやはりマイクロフォーサーズの機動力には及ばないので、もうフルサイズやAPS-Cを羨む気持ちは完全になくなっています。

私は登山や自転車とカメラは非常に相性の良い組み合わせだと思っているので、思い切ってフルサイズを手放しマイクロフォーサーズに移行する決断をしたことは本当に英断でした。

画質面でそこまで高水準を求めていないということもありますが、A3までの拡大プリントでも画質が気になったことはありませんし、マイクロフォーサーズに乗り換えたことは一度も後悔したことがありません。むしろ本当にこんなハイスペックが必要なのかと疑問を持ちながらフルサイズ機を扱っていた頃に比べると、本当に自分に必要なカメラを使っているという自負のような気持ちもあって憑き物が落ちたような思いです。

 

全員に当てはまる選択肢ではないかもしれませんが、私のように登山やロードバイクなどのアウトドア趣味に合うカメラを探しているならば、マイクロフォーサーズ、OM-Dシリーズは非常におすすめします。

 

おしまい。