ロードバイクをルーフキャリアで車載する
ロードバイクの車載方法を色々考えた結果、ルーフキャリアに行き着いたので紹介します。
私の愛車は厳冬期でもどんな登山口にも行けるようにと選んだジムニーシエラです。悪路の走破という点では最高の仕事をしてくれるものの、複数名での登山やキャンプ時など車載という点では悩むことが多いです。特に自転車は体積がある上ぞんざいに扱いづらいということもありなおさらです。ロードバイクの積載方法として色々考えて試した結果、現状では最適解は天井キャリアではないかと思っています。
最初はバイクを車内に入れていた
これは初めて乗鞍に行った時のロードバイク車載の様子です。車内にはジムニーのDIYでは鉄板のイレクターパイプを取り付けているのですが、これにビニール紐を使って揺れないよう固定していました。ジムニーのような3ドアの小型車でも1人乗りなら自転車の車載は可能ですが、前後ホイールを外して固定する必要があるため輪行以上の手間がかかります。
現在は天井にそのまま乗せるスタイル
というわけでたどり着いたのが天井にそのまま乗せるスタイルです。
バランスとか色々と不安になる見た目ですが、結論から言うと車載していることを忘れるくらい安定しています。なんならそのまま高架下とかに入りそうになるくらい忘れます。これまで乗鞍をはじめ様々なところにこのスタイルでバイクを運搬してきましたが、トラブルは皆無です。
横から見た様子。
悩ましいロードバイクの車載方法
自転車の車載場所として検討したのは下記の3つ。
①バックドア
②ヒッチキャリア
③ルーフ
①バックドア
写真:OGUshow オフィシャルネットストア Travel lifeサイクルキャリア商品ページより転載
https://www.ogushow.jp/blog/?p=10785
最も安価で、製品も多く導入しやすいタイプのキャリアです。第一に検討した方法ですが、調べていくと車載する自転車が車の横幅を超えてはいけない、後方の視認性を確保しなければならない、ナンバープレートに重なってはならない、など法律上の制限がネックになりました。
後方の視認性はともかく、特にジムニシエラーは横幅が小さい車なのでロードバイクを横向きにすると車幅を超えるため、前後輪を外す必要があります。ジムニーシエラは車高のある車なのでナンバープレートは隠れることはないと思われますが、コンパクトカーやステーションワゴンくらいの車高ではナンバーに被ってしまうことが多いと思います。いずれにせよ、車載の手間を減らすという観点から却下しました。
実際のところはそれほど厳しく取締られることもないようですが、そうは言っても向こうがその気になればいつでもしょっ引ける状態というのは落ち着かないところです。
② ヒッチキャリア
写真:YAKIMA メーカー公式HP サイクルキャリア紹介ページより転載
https://www.rakuten.ne.jp/gold/autoproz-usa/yakima_cycle.html
個人的に一番見た目がカッコいいと思っている方法で、ヒッチキャリアはキャンプなどの荷物の車載にも使えて最適解じゃん!と思ったものの、調べてみるとこちらも法律上の縛りがそれなりにあるようです。そもそもヒッチキャリア自体が合法的に装着するハードルが高いという問題もあります。積載時にナンバープレートや灯火類の視認性を妨げてはいけないため、特にナンバープレートは見えるようにするため位置を変える必要があることが多く、さらにヒッチキャリアの大きさも車体の大きさによって何%まで的な決まりがあるようです。それらをクリアしたとしても結局①と同じく、車載時に車の車幅ルールがあるので、私のジムニーシエラの場合はホイールの取り外しは必要になってしまうためこれも却下しました。
③ルーフ
個人的には見た目はそれほどかっこいいとは思えないものの、合法的に分解せずそのまま乗せられるという簡便性を優先することにしました。車高があるので脚立がある方がラクですが、片手で難なく持ち上げられる程度の重量のバイクであれば脚立なしでも固定はできます。ルーフに車載するキャリアもいくつか種類があって、多いのは下記のようなキャリアから伸びるワイヤーを用いてフレームで固定するタイプです。
写真:inno メーカー公式HP サイクルアタッチメントST 商品ページより転載
https://www.innoracks.com/jp/products/cycle/cycle_roof.html
このタイプは安価で汎用性が高いのですが、カーボンの場合フレームにダメージが入るという話があります。私の自転車はカーボンフレームなので、山道や未舗装の道を走る可能性もあることからこれは大きな懸念事項です。そこで見つけたのが前後のホイールのみで固定するタイプの「inno タイヤホールド2」でした。
innoタイヤホールド2の良いところ
カーボンフレームでも使える
前後輪で固定するタイプなのでフレームへのダメージがありません。公式でもカーボンフレーム対応と謳っていますし、バイクが変わっても調整が容易なことがgood。
常に装着できてコンパクト
使用しない時は折り畳んでこの状態です。折りたたんでいる状態なら高さの増加は実用上気にしなくて良い程度で、かつあまり目立ちません。100km/hを超えると風切り音は流石に感じられますが、車内の会話はできるので個人的には許容範囲です。
意外にも安定性は高い
サイコンやライト、ボトルなどは取り外すようにしていますが、フレームバッグやフロントバッグは装着したまま車載しています。高速道路からグネグネの山道までこのスタイルで運用していますが、先述した通りトラブルは今の所一度もありません。
車を走らせていてもハンドリングに影響したり、風切り音が増す印象はあまりありません(これはバイクのエアロ形状によるのかもしれませんが)。
ロードバイク✕車のハードルを下げ可能性を広げてくれる
最初こそ吹っ飛んでいくのではないか、本当に大丈夫なのかと不安になりましたが、今では全面的に信頼しています。何より車内に入れていた頃の分解・組み立ての手間がなく車載できるようになって気軽に持ち出せるようになりました。輪行と同じくらい自転車の可能性を広げてくれる車載方法だと思います。
また、ジムニーの天井の幅であってもタイヤホールド2を2つ装着できるので、もう一つ購入すれば「2人で愛車を積んで遠方でサイクリングする」というジムニーでは諦めざるを得なかった夢が叶います。
innoタイヤホールド2の欠点
目立つ
通行人、特に小中高生あたりからは注目を感じるので、人目を引くことが苦手というなら不向きです(ロードバイクを車載するくらいのロード乗りにはあまり関係ない気もしますが)。特に信号待ちの時には通行人がバイクを見上げた後に運転席を見てきがちです。
盗難のリスク?
高価なバイクを野ざらしに置くことにはなるので、バイクの存在は周囲に知れ渡ってしまいます。とはいえフロント側の枠は鍵が付いていますし、さらにフレームとタイヤホールドにかけられるワイヤーロックも付属しているので、ある程度の防犯性は確保されています。あとは現実的には盗難しようとするとただでさえ目立つ状態で脚立を使ってごそごそしなければならないので、盗る側の心理的にはハードルが高いんじゃないかと思います。
雨はどうしようもない
雨に関しては見た目の通り、防御力ゼロです。といってもそれは汚れるとか濡れたからメンテナンスが必要になるという意味で、雨が降っても固定力が落ちるようなことはありません。実際乗鞍からの帰り道、短時間だけ降られたことがありますがガタついたり風切り音が増したりといった変化は特にありませんでした。わざわざ雨の中車載して持ち出すシーンは少ないと思いますし、サイクリングの帰りに雨に降られるリスクと同等と考えれば個人的にはそれほどのデメリットでもないかな、と思います。。
運用してみて:手間が少ないのは正義
導入から3年ほど使用してみて、特に不満を感じることはなく使えていて私にとっては最適解だと思っています。もちろん上記のような欠点もいくつかありますが、メリットの方が遥かに大きいです。一番良いところはやはり「そのまま乗せられる」というハードルの低さです。
機材導入時のテンションが上っている状況だと「前輪を外すだけ」「前後輪を外すだけ」「輪行袋に入れる必要がない分むしろ全然ラク」とか思うのですが、導入後それが日常になってきた頃には「たったそれだけ」が非常に億劫になってしまうのはあるあるだと思います。特に私はそういうタイプの人間で、買おうとしている一番テンションが高い状態で欠点を見ないようにして買って後から後悔することが非常に多いので、ようやくその反省が活かせたと思います。
座席を倒す必要もないし、ホイールを外す必要もなく、せいぜいライトとサイコンを念のため外しておくくらいで思い立ったらすぐにバイクを車に乗せられるのは本当に素晴らしいです。私はめんどくさがりで趣味の遊びも時に億劫に感じてしまう人間ですが、タイヤホールド2を導入してからは自転車を積んで出かけることが非常に増えたので、めんどくさがりなロード乗りにもおすすめできる方法です。
ロードバイクの車載方法に悩んでいる方の参考になれば幸いです。
タイヤホールド2の他に車種ごとに下記のようなベースキャリアが必要です。
↑ジムニー/ジムニーシエラ(JB64/JB74)に適合するベースキャリアです。(セット)