山と自転車

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ロードバイク乗りの腸脛靭帯炎がダンボールを使ったDIYカント角調整で劇的に改善した話

はじめに断っておきます。この記事はアラサー男の生足の写真と1枚のインソールの写真のみで構成される、ビジュアル的には汚いものなので閲覧注意コンテンツです。

しかし内容としては腸脛靭帯炎がダンボールの切れ端を使ったカント角調整によって劇的に改善した(起こらなくなった)という話なので役に立つはずです。

魔の腸脛靱帯炎

ロードバイクに乗ると決まって膝の外側が痛くなる人はいませんか。私がそうでした。ペダリングによって膝の外側にある靭帯が擦れることで炎症を起こす病態で腸脛靭帯炎と言います。症状としてはペダリング中の膝の外側の痛みで、100kmを超えるような長距離を走ると出現する人もいれば、10kmちょっとで出現してしまう人まで様々。

私は元々はロードバイクによる身体の不調とは無縁だったのですが、最近は100kmを超えるロングライドでは必ず膝の外側を痛めるようになりました。左右どちらがより痛くなるかは日によりますが、最終的には両側とも痛めてしまい、酷い時には30kmほど走っただけでその兆候が出てくるようになってしまいました。

初めて症状が出現したのは5月に広島のとびしま海道〜かきしま海道ツーリングで120kmほど走った時でした。この時はパンパンに荷物を詰めたフレームバッグを装着していたので、ペダリングで足を擦らないようにと意識的にガニ股のペダリングをしていました。これが原因と思われたのですが、困ったことにそれ以降フレームバッグを付けずに走っても同じ症状が出てくるようになってしまい、もっと根本的な原因があるのではないかと考えました。

 

あとから調べてみると、同じような症状に悩むローディは多いようです。ガニ股ペダリングが原因という記事もあればペダリングの際に膝が内側に入るのが原因という記事もあったり、いろいろなことが言われています。いずれも共通しているのは「ペダリングの際に膝が暴れるのが原因」ということ。ペダリングが完全な上下運動ではなく、斜めの軌道になることで膝を痛めるのだそうです。

カント角

そんな腸脛靱帯炎とペダリングの関係を調べている中で目にした「カント角」という言葉。どうやら日本人の多くはO脚で、脚が完全に真っ直ぐにはなっていないらしいです。それに加えて、足の裏が左右どちらかに傾いている人が多いそうで、それにより地面との間に生まれる角度のことをカント角というらしいです。私は初めて聞いた言葉でしたがスキーやスノーボードをする人にとっては常識みたいです。

多くの人は足の内側の方が高くなるように角度が付いているそうです。試しに椅子に座っている時に地面に足を付けると、確かに外側に比べて親指側が若干浮いています。立ち上がった時も、よくよく意識すると確かに足の裏の設置が均一ではなく、内側がやはり若干浮いていることに気づきました。そういえばよく考えると普段履いている靴もソールの外側ばかり削れていました。

カント角調整

さてここからがいよいよ閲覧注意ゾーンです。まずは腸脛靭帯炎に悩むローディのブログや自転車ショップのブログを参考に、ペダリング時の膝の歪みを検証してみました。といっても大したことではなくて、フローリングの板目に合わせて立ってみて、そのままスクワットした時の膝の動きを目視で確かめるだけです。

まずは普通に立った状態。本当ならばアクセスupを狙って細君の綺麗な脚を使いたいところですが、こればっかりは自分の脚でなければ意味がないので仕方がありません。さて、膝が完全に上下運動するならスクワットした時に左右の脚の間が一定になるはずですが…

特に何も意識せず膝を曲げていくと、左右とも明らかに膝が内側に入り込み、両膝が接してしまいます。なぜかというと足の裏の内側が浮いているため、スクワットをして足の裏全体が地面に設置すると内側が沈み込む形になることが原因です。膝が内側に向かい曲がっていき、挙動が内側に凸の”くの字”になります。これによって腸脛靭帯が大腿骨と擦れて炎症を起こすというのが膝の外側の痛みの機序であり、私の膝の痛みの原因はまさにこれと思われました。

私の心地よいケイデンス100のペダリングを100km、約4時間続けるとペダリングの回数は100×60×4=24000(回)。それだけの回数歪んだペダリングをすればさすがに痛くなるだろうなと。

これを治すには、足の裏の内側に浮いている分だけスペーサーをかまして高くしてやれば良いです。シューズのインソールを高くする方法と、クリートを高くする方法があります。スペシャライズドがこのためのスペーサーを1500円ほどで販売しているのですが、すぐに手に入らなそうだし、うまいこといくか分からないのでお金をかけるのも躊躇われとりあえずDIYで試してみます。フェルトを使っている人が多いようですが、家にフェルトがなかったのでとりあえず手持ちのダンボールとガムテープを使ってスペーサーを試しに作ってみました。

スペーサー作成には次の方々のブログを参考にしました。

escape-r2.seesaa.net

xxxskipjackxxx.com

1mmのスペーサーでもかなり違う、という話ですが私は何事も微調整、少しずつ、というのが苦手な人間なので大雑把にやりました。やり方はインソールを取り出して、その上に立ってスクワット。ダンボールの切れ端を足の内側に置いて先程の膝の挙動が完全な上下運動のみになるように調節します。結果として渡しの場合はダンボール3枚+ガムテープがちょうど良かったです。写真のように固定してみました。

before

先程の未調整時の写真です。スクワットすると膝が内側に折れるので太ももが接してしまっていましたが…

after

カント角調整後にダンボール付きインソールの上に立ってスクワットした図です。かなり沈み込んでも写真の通り、膝が内側に入らず脚の間の隙間が生まれるようになりました!

実走!

早速この改造インソールを使って早速ロードバイクに乗ってみました。週末を使って40kmのヒルクライムライドと、その翌日に120kmの甲府盆地一周ライドをしてみました。なんと信じられないことに両側とも膝の外側の痛みが皆無で劇的な効果でした!つい最近30km地点で激痛が走っていたというのに!

この結果を見て調整するつもりでしたが、笑ってしまうほど一切の膝の不調が出現しなくなりました。200kmライドを二度のDNFに追い込んだ腸脛靭帯炎がなんと0円で解決できてしまいました。もちろん100kmで痛くなってたのが150kmまで延命されただけかもしれないし、200km走ってみたらまた違うのかもしれませんが、甲府盆地一周では平地のスプリント、高回転巡航、ヒルクライムと、一通りの負荷をかけてこの結果なのでおそらく次こそ200km走りきれるのではないかと思います。

同じ症状に悩む人は時間もお金もかけず解決できる可能性があるので是非試してみてください。