剱岳テント泊山行2日目
1日目はこちら
雷鳥沢にテント一式をデポしてスタートし、剱岳を登頂し室堂から扇沢まで帰る計画です。
標準CTが10時間を超えるロングコース。室堂→扇沢駅の最終便は16:30でこれを逃すと同日中に家に帰れなくなってしまうので5:30に雷鳥沢を出発します。時間を常に気にする必要がありますが、ある程度健脚であれば可能です。ただし天気の良い登山シーズンは後述の注意点があります。
2日目 剱岳アタック(雷鳥沢ピストン)
まずは雷鳥沢キャンプ場→剱御前小屋の登りです。高低差は500mくらいで1時間ちょっとで登りきります。振り返ればすぐにこの景色。日本海の海岸線と左奥の方に見えているのは師匠曰く白山です。
海の上に浮かんでいるような、美しい山。
大日岳
師匠激推しの大日岳。こういう稜線に沿った登山道を遠くから見るのが好きです。山肌もとても綺麗。
少し角度を変えれば鷲羽岳。真ん中が身体、左右に伸びる稜線が翼に見えるということで鷲羽岳という名がついたそうですがこれは納得。
雷鳥沢を見下ろします。午前中はちょうど影になります。
剱御前小屋で休憩を取り、剱岳を目指していくと…
剱岳、現る
遂に捉えた、剱岳の全貌。か、かっこよすぎる…
赤い屋根の剣山荘が良いアクセントになっています。
東の方角は後立山連峰。左から唐松岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳(たぶん)。
広角レンズ買ったらつい光条を出しがち。出目金レンズ万歳。
まずは前剱を目指します。
あれが山頂か
思ったより近いね
あれは前剱ね
登り始めて最初に山頂だと思いたくなるピークを見つけたらそれは前剱です。
前剱
出発から3時間ちょっと、剱御前小屋前剱から2時間で前剱に到達しました。あの奥に見えているのが真の剱岳山頂です。剱岳アタックとしては前剱から先がメインディッシュのエリアです。
前剱から雄山方面。中央の山の出っ張りは槍ヶ岳に見えますが雄山でした。
前剱を発ち最初のスポットは平蔵のコル。一本橋を渡り、正面の平蔵の頭と呼ばれる岩に張り付くようにして進みます。前回はあれほど怖かったのに視界が良いからか気持ち良さが勝ります。下の写真は前回の剱岳登山の時の同じ場所です。
見た目はおっかないですが足場はしっかりしているので意外と難易度は低いです。基本的な3点保持ができれば鎖を使う必要がないくらいです。
難所 カニのタテバイ
そして有名な「カニのタテバイ」。初めての時は雨で濡れていて泣きながら登った難所です。
落ちれば致命傷なのは間違いありませんが、晴れ視界が良い状況では恐怖感は薄いです。ただしところどころ掴み手と足場を考えないと進めなくなります。天然のボルダリンング。
この日はガチ勢パーティが先行していました。
振り返って平蔵の頭。さすが立山曼荼羅で針山地獄と描かれるだけのことはあります。
山頂が近づいてきました。さすがに日が高くなると雲が出てきました。
剱岳山頂
前剱からちょうど1時間、遂に剱岳山頂!
下界は雲海に覆われていてどこを見ても山しか見えない、日常の世界と完全に切り離された空間です。
↑前回の剱岳登山にて。
山頂からの景色のために登る者、過酷な道を攻略するために登る者、登山の目的は人それぞれですが、私は前者なので登山は晴れていることが絶対条件だと改めて思います。
山頂は目標であり、同時に折り返し地点でもあります。いつまでもここに居たい気持ちと、帰路に向かう安心感と、様々な感情が入り混じります。
難所 カニのヨコバイで大渋滞
帰路の唯一にして最大の難所「カニのヨコバイ」です。個人的に剱岳で一番怖いのがここですがここで想定外の事態になります。この日は天気が良い分登山者が多く、明らかに不慣れな中高年パーティが複数居たため大渋滞していました。この影響で想定より1時間ほど余計に時間がかかってしまい、室堂着が最終便のギリギリになってしまいました。
基本的に岩場を下っていくのでタテバイよりも難易度が高いと思います。途中、脚を伸ばしても届かず、あらかじめ足場を把握した上で思い切って身体を下ろさないといけない箇所があります。
夏山は上昇気流、下降気流の関係で午前あれだけ晴れていても、午後になれば雲が出てきます。そしてその時間になると…
北アのアイドル、ライチョウ!冒険を見送るように帰路で会うことが多い印象です。
剱岳下山後は剣山荘で昼食を摂ります。剣山荘は宿泊者でなくとも館内で食事を摂ることができるのがありがたいです。剣山荘から先は最終便の時刻が迫っているRTA状態です。雷鳥沢をトレランのごとく駆け下り、急いでテントを畳んでなんとか最終便8分前に室堂に到着しました。
剱岳登山まとめ
・黒部アルペンルートの室堂行き最終便は土曜15時扇沢発。
・雷鳥沢スタートの剱岳ピストンは標準CTで10時間ほど
・剱岳の登山道は狭いのでシーズン中は難所で渋滞が起こりやすい
・室堂発の最終便は16時半
・雷鳥沢からの剱岳ピストンは時間的余裕はあまりないので渋滞も加味して超早朝発にするべし
山行データ
コースタイム(休憩込み):10時間48分(5:34-16:22)
休憩時間:2時間18分
距離:12.3km
上り累計:1750m
雷鳥沢キャンプ場→剱御前小屋(1時間4分)
剱御前小屋→前剱(2時間8分)
前剱→剱岳(1時間3分)
剱岳→前剱(1時間19分)
前剱→剣山荘(48分)
剣山荘→剱御前小屋(56分)
剱御前小屋→雷鳥沢キャンプ場(1時間15分)
雷鳥沢キャンプ場→室堂(20分)