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【厳冬期登山】ドカ雪が降ったのでラッセル地獄の瑞牆山に登ってきた2022.2

高難易度な厳冬期の瑞牆山

2022年2月中旬、まとまった降雪

私の住む山梨県、甲府盆地は年に1,2回はまとまった雪が降り積もります。今年2022年は例年よりやや遅かったものの、2月中旬になりようやくまとまった降雪がありました。しかも翌日の天気予報は何度見ても晴れマーク。絶好のコンディションだったので山初めは日本百名山の一つ、瑞牆山をチョイスしました。久々の単独雪山登山です。

↓無雪期の瑞牆山の山行記録

www.mount-road.com

山行記録

コースタイム 6時間4分(7:43-13:48)

休憩時間 1時間35分

歩行距離 5.8km

獲得標高 955m

駐車場→富士見平小屋(60分)

富士見平小屋→瑞牆山山頂(1時間51分)

瑞牆山山頂→富士見平小屋(1時間18分)

富士見平小屋→駐車場(26分)

南アルプスのモルゲンロート

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朝6時に自宅を出て、国道20号線を北上し山に向かいます。北杜市のあたりでちょうど日が昇り、南アルプスのモルゲンロートを横目に雪道を走り進みます。

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南アルプスの天然水の源流、山梨の名峰甲斐駒ヶ岳です。

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そしてこちらは同じく南アルプス鳳凰三山で中央の突起が地蔵岳の奇岩オベリスクです。

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北を向くと八ヶ岳。冬場でも雲に隠れることが多いですが、晴れた早朝は全貌がよく見えます。

車を選ぶ瑞牆山県営無料駐車場

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今回の登山口である、瑞牆山荘すぐそばの瑞牆山県営無料駐車場に車を停めました。舗装路が続いているので道こそ狭いものの通常はアプローチが容易ですが、降雪翌日の早朝ということもあり除雪はされておらず、ジムニー頼りになんとか到達しました。時刻は8時近くで、先客も2台のみです。実は当初は金峰山を目指してやってきたのですがこの時点で無理な気がしてきました。

いきなり膝上までのふかふか雪

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スタートから富士見平小屋までの道からして膝上までのフカフカ雪。夏場ならアップ程度のこの道のりが、身も心もバキバキに折っていきます。

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駐車場から登ること30分ほど、富士見台小屋に出る手前に少しひらけた場所があって、正面に瑞牆山を望むことができます。

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お手軽100名山の瑞牆山も、雪を纏うと北アを彷彿とさせるイカつい風貌になります。

息も絶え絶えに富士見平小屋に到達

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スタート1時間ほどで富士見平小屋に到達しました。この時点ですでに無積雪期の倍はかかっています。小屋は冬季休業中。この小屋周囲がキャンプ地になっていて、ここをベースキャンプにして瑞牆山、金峰山を縦走するテント泊が人気です。無積雪期なら健脚ならば日帰り縦走も可能ではあります。

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金峰山は晴天下にいつかリベンジしたいと思っていただけに、ここにきてギリギリまで迷いました。しかしキャンプ地にすら獣の足跡しかなく、金峰山方面には全くトレースが付いていませんでした。

積雪量的にコースタイムの1.5〜2倍は想定する必要がありそうで、その場合安全マージンが取れないと判断して瑞牆山アタックに変更しました。単独雪山なんてマージン取りすぎるくらいがちょうど良いです。

瑞牆山方面も雪たっぷり

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瑞牆山方面には、数名程度のトレースが見られます。

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まずは一度下っていき、登り返す。もはや尻シェードの方が安全なのではというくらい足を取られに取られます。

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富士見平小屋から30分程度で桃太郎岩が現れます。

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「何これつっかえ棒!?」の桃太郎岩です。(ヤマノススメ)

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桃太郎岩を過ぎたあたりから本格的な登りに入ります。見上げると快晴の空。青と白のコントラストが雪山の一番の魅力です。

トレースなし ラッセル地獄のはじまり

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今回の登山では岩だらけの森林、というのは積雪時には非常に厄介であることを学びました。バランスをとるため木に手を着くとそこら中から雪が落ちてきて生き埋めになりそうです。先客を追い抜いてしまったため完全にトレースなしのフロンティアへ、1人ラッセルで進みます。

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もはや登山道もクソもない。雪まみれになりながら、ほぼ腕力で登っていきます。

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ひいひい言いながら、視界が開けてくるあたりで出てくるのがクライマーに愛されてやまない大ヤスリ岩です。圧倒的なデカさ。

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フレーム構図で樹氷と大ヤスリ岩。

瑞牆山山頂

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登頂開始から3時間、ついに瑞牆山山頂に到達しました。最初の登頂者になったのは初めてで、文字通り山頂を独占しました。

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まずは定番の富士山ドーン。

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個人的に富士山より興奮するのがこの八ヶ岳連峰です。中央に赤岳、左に権現岳、右に硫黄岳が連なっています。

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北杜市の町と南アルプス。

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今度は空が多めの八ヶ岳。無修正のオリンパスブルーです。

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そして当初の目的地であった金峰山です。後続のパーティーもみんな金峰山を断念して瑞牆山に変更していたので、おそらくこの日は誰にも踏まれなかったであろう、孤高の頂です。

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甲府盆地からも一目でわかる、この五丈岩が目印です。

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富士山と金峰山と光条と。

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マイナス12度の中でも運良く完全無風であったため、なんとか山頂でごはんにあり付くことができました。雪山は行動停止時間をできるだけ短くするためサーモボトルに入れた熱湯でカップ麺にしている私ですが、今回は山と食欲と私、に影響を受け高級ソーセージを丸ごと煮込んだ山ラーメンにしました。

ちなみに瑞牆山山頂のスペースはあまり広くない上に岩の隙間が多いので気を抜くと落ちます。しかも今日はその隙間が雪で隠れていて迂闊に動くことはできません。

いつまでも留まりたい気持ちと、早く下山して安心したい気持ち。雪山の山頂はいつもより安心したい気持ちが強くなります。絶景は人が留まることができない場所にあります。

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帰り道は舞い落ちる雪にまみれ、足場と思えばどこまでも脚が雪に埋まり、尻シェードをすればコースアウト、服の中にも雪の侵入を許す悲惨な状況の中、満ち足りた気持ちで下山しました。金峰山に向かっていたら確実にドロップアウト、もしくは遭難していただろうと思います。やはり雪山は安全第一過ぎるくらいがちょうどいい。

それほど高くないとしても、雪山は人が長く留まれる環境でないからこそ、素晴らしい体験を与えてくれるのです。