登山を始めて3ヶ月、どこか近くで良い山ないかなと探していて見つけた瑞牆山と金峰山。ともに山梨にある日本百名山で、両者の間にある富士見平小屋を拠点とした1泊2日の縦走が人気を博しています。
コースタイムを見ていたら朝早くから動けば1日で両方登れるんじゃないかという気がしてきたので決行しました、ソロ日帰り縦走です。
スタート地点は瑞牆山荘の県営無料駐車場。時刻は6:23でまだガラガラ。無料というのが貧乏学生にはありがたく、ガソリン代だけで楽しめてしまいます。
しばらくは枯れた山道を登っていきます。
道はしっかり整備されていて、特に歩き辛い場所はありません。
15分くらい登るとベンチのある休憩場所が出てきて、そこから瑞牆山を眺めることができます。
標高こそ2230mとそれほど高くはありませんが、奇岩というのか独特の見た目をしています。
登頂開始から30分、拠点となる富士見平小屋に到達。ベンチやテーブルがあり休憩するのにちょうど良いスペースです。
小屋では食事の販売も行っています。
まずは今日の1座目、瑞牆山へ。富士見平小屋に向かって左方向に進むと瑞牆山登山道に続きます。
瑞牆山へは一旦下って登り返すというなかなかけしからん道。
朝日に照らされる山頂方面。
ひび割れたバカでかいこの岩は桃太郎岩。名前の由来は見ての通り。
ヤマノススメでひなたがつっかえ棒って言ってたやつだ。
桃太郎岩をすぎると道は少し不安定になりますが迷うところはありません。
ところどころ鎖場(使わないけど)があったり
また岩とつっかえ棒があったり。
ひときわでっかい大ヤスリ岩。信じられないことにこの岩はクライミングで人気らしいです。
大ヤスリ岩が見えると山頂はあとちょっと。
登頂開始から1時間半、瑞牆山山頂2230m。
まず正面にさっき見た大ヤスリ岩です。
遠くに見えるのは南アルプス。もう雪化粧をしています。
白い奇岩たち。
奥には秩父山地の峰が続きます。
完全に逆光だけど写真中央、わずかに出っ張っているのが金峰山山頂の五丈岩です。ずいぶんと離れて見えますがこれからあそこまで行かねばなりません。
山頂は全方面に眺望があるわけではなく、登山道を背にして225度くらいが見渡せるようになっています。そして山頂は岩の上なのでうっかりすると岩の切れ目があるし平らな場所があまりないので滞在するのはややスリリングです。
想定よりだいぶ良いペースで登れたので、予定通り金峰山も登頂することにして早々に下山します。下山は巻いて1時間で富士見平小屋に戻りました。
富士見平小屋に戻って時刻は9:49 気持ち新たに次は金峰山を目指します。
道の雰囲気としては瑞牆山方面よりも全体的に明るい感じで、そして斜度がきつくなっています。
登山道の苔。好きだよ。
ザ・森林浴。空も明るくて日差しも良いので気持ちは上がってきます。
快調に進むと突然雪の激坂。雪があるとさすがに鎖頼りでないと登れません。
鎖場を超えると大日岩。ここまで来ると斜度が緩んで、登りきった感が出てきました。
いよいよ稜線の予感!
山の天気は変わりやすいなんて本当によく言ったもので、稜線に出た途端、急に雲が発生して急激に視界が悪くなりました。
あんなに良かった景色なのに急に雲に飲み込まれていきます。
アア…
稜線に出ればすぐ山頂と勝手に思っていたのですが、実際は稜線に出てから山頂まで1時間ほどかかりました。天気が良ければ良かったのですが、空は闇落ちしたので面白いところといえばこういう岩の切れ目くらいです。
気まぐれに一瞬晴れたりするので逃さないようシャッターを切ります。
稜線には若干の雪が積もっていて、アイゼンなしで登頂可能なギリギリのところでした。本当なら履いた方が良かったと思います。
完全に視界が失われた頃、スタートから6時間、富士見平小屋から2時間40分ほどで金峰山山頂2599mに到達しました。
写真右が遠くからでも見える五丈岩。
この金峰山は山梨側ではきんぷさん、長野側ではきんぽうさんと呼ばれています。
眺望はないからせめて食事を…と思ったらまさかのガス缶を置いてきてしまっていました。寒いし疲れていたしで食事無しで下山するのは非常に厳しいと思われ、それはそれは絶望しました…。
途方に暮れていると、途中で追い抜いた、車の話などで盛り上がっていた若い2人組が登頂し食事を作ろうとしていたので、ダメ元で調理後にガス缶を貸してもらえないか聞いてみると、なんと快諾してくれました。この2人組は歳は30代半ばくらいで、非常に気さくな兄ちゃんという感じで、調理をしながら意気投合し、ここから下山後の食事まで全部一緒に行動することになりました。
岩陰に身を隠しながら昼食タイム。写真真ん中のいかつい彼はペンションすずらんという、大菩薩嶺近くのペンションを経営しているらしく、狩猟をしたり釣りをして食材を仕入れる正真正銘の山男です。山の植物やら何やら、知識量が半端じゃありませんでした。
この景色やばいっすね(悪い方)とか盛り上がりながら記念写真。
どんどん天気が酷いことになって気温も下がり始めたので急いで撤退します。
道中はこの兄ちゃん達とずっっっっっと山の話や好きな映画の話なんかをしながら下山しました。ペンションすずらんの彼は食べられる植物についての知識が深く、山の中でナイフ1本で一夜を明かしたくらいにサバイバル系の人でした。煙草を吸う姿がサマになっていました。
なんとか暗くなる前に下山することができ、夕焼けに燃える瑞牆山を一望します。
2人とともにカッコいいカッコいい、と興奮しっぱなし。山ってカッコいいなと思った初めての瞬間でした。金峰山からは下り基調なので3時間ほどで下山し、何とか怪我もせず遭難もせず日帰り縦走を達成しました。自分の山体力を試せたし、予期せぬ出会いもあったりして非常に充実の1日でした。しかし金峰山はいつかリベンジせねば…。