山と自転車

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【神様のカルテ】常念岳 一ノ沢ルート 日帰り登山2020.9

北アルプス 常念岳

常念岳は長野県松本市と安曇野市にまたがる、北アルプスの前衛とも言うべき常念山脈最高峰2857mの山で、松本盆地から綺麗な三角形に見える、地元のシンボル的な山です。

名前の由来

日本百名山の一つでもあって、名前の由来は盗伐をしていたきこりが山頂から聞こえ続けた念仏に恐れをなして下山したという伝説に基づき、常に念仏が聞こえる常念岳と呼ばれるようになったという説があります。

ルート 日帰りなら一の沢ルート

常念岳は三股ルートと今回の一ノ沢ルートがあります。三股ルートは前常念岳を経て常念岳に至り、常念岳と蝶ヶ岳を1泊2日で周回することができるルートですが、調べた限りでは常念岳の日帰りであれば一ノ沢のほうが景観に優れ、三股よりは登りやすいという情報が多かったので一ノ沢ルートで日帰りすることにしました。しかし距離も獲得標高もかなりガッツリなので、日帰りの場合はある程度上級者向けのルートであることは間違いありません。

常念岳と神様のカルテ

常念岳といえば大好きな作品、「神様のカルテ」に登場する山でもあります。神様のカルテは長野県の若き内科医の物語で、山岳カメラマンとして活躍する主人公の細君が冬季縦走したり、上司の思い出の山として、非常に印象的にこの常念岳が登場します。

この日は神様のカルテツアーということで常念岳を登った後は松本市内に宿泊し「九兵衛」こと厨十兵衛に繰り出す、聖地巡礼旅行です。

スタート地点

一ノ沢ルート、スタート地点までは公共交通機関がないためマイカーもしくはタクシーでのアクセスが必要です。ルートに迷うようなところはなく、森の中から始まりひたすら登り続けます。いきなりきついです。

この写真は急所である胸突八丁です。いきなりワープしたのではなく景観が微妙かつ辛い登りだったので写真を全然撮っていないのでした。わざわざ一眼レフを持って登って殆ど写真を撮っていない胸中を察してください。

本当ならこの谷の向こうには安曇野市街が見えるはず…。

雲の切れ間で一瞬だけ市街地が顔を見せました。こんなはずじゃなかったのに…。

稜線が見え始める頃には立派に雲が育ってしまいました。

常念乗越

登頂開始より3時間20分ほど、常念乗越に到達。ここまでひたすら登りで、ここ最近では一番つらかった登りです。

赤い屋根の常念小屋。その向こうは槍ヶ岳方面の、北アルプスの中心部(のはずです)。

常念乗越は常念岳と大天井岳の間の鞍部に相当し、常念小屋とそのテン場があります。非常に広くて開放感があり、天候に恵まれなくても気持ちが良いです。強がりではありません。

常念乗越から常念岳までは400mアップで1時間ほど。徐々に晴れてきたようなそうでもないような。雲の流れが早いのでうまく転べば眺望が開けるはず。

常念岳山頂

登頂開始から4時間半、常念岳山頂2857mに到達しました。あえてゆっくり調理を始め、雲が晴れるのをじっと待ちます。9月といえども3000m近い標高では気温が低く風も強いのでそこに滞在するだけでも結構大変です。シェルや防寒に使えそうなものを全て身にまとい結局この日は1時間山頂に滞在しました。

槍ヶ岳が見えるか見えないかのギリギリのチラリズムを発揮し、それに翻弄されながら気候的に精神的に限界を迎えたのが1時間でした。

悔しいので常念小屋で常念坊のTシャツ(5000円もした)を買って、登りよりさらに眺望がなくなった一ノ沢を黙々と下山しました。登り返しは一切ないので下山の所要時間は3時間ほど。

憧れだった常念岳登山は微妙に残念な結果に終わったのでリベンジ案件になってしまいましたが、辛いので日帰りではあまり来たくありません。次は蝶ヶ岳との縦走をしたいところ。

おまけ 厨十兵衛

そして下山後は念願の「厨十兵衛」に繰り出します。縄手通りからすぐの好立地にあり、作中では九兵衛という名前で主人公の行きつけの酒処として登場します。十兵衛を尋ねるのはこの日が初めてで、以降7回ほど通うことになりますが、作中の主人公の定位置であるカウンターの角にはまだ座れたことがありません。

厨十兵衛について気になる方はこちらを読んでみてください。

www.mount-road.com

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