山と自転車

登山や自転車に関することを綴っています

超手軽に極上の景色を堪能 厳冬期の木曽駒ヶ岳 日帰り登山2022.2【千畳敷カール】

お手軽アルプス

天候だけを見て予定を組んだ結果、硫黄岳登山の翌日に登ることになった木曽駒ヶ岳です。とんでもなく最高の体験でした。しかも限りなく少ない負担でできるので毎雪山シーズンにマストな山です。めちゃくちゃ良かったです。

山行記録

ルート:千畳敷駅(駒ヶ根ロープウェイ)→千畳敷カール→木曽駒ヶ岳 ピストン

歩行距離:4.0km

獲得標高:477m

山行:1時間56分

休憩:1時間1分

菅の台バスセンターで行列

時は2月26日(土)です。菅の台バスセンターに車を停め、そこから先はマイカー規制のためバスでしらび平駅まで移動しロープウェイに乗ります。

バスの始発は7:45でしたがチケット販売は7:40頃から開始されました。シーズンの土曜なので早めにと7時に来たらもうこの状態で、人気がすごいです。結果的に始発は逃すことになりましたが、臨時便が出ていたので8:15頃にはバスに乗ることができました。

日本一の駒ヶ根ロープウェイ

駒ヶ根ロープウェイ。標高差950mと山頂駅2612mはともに日本一を誇ります。

SFの世界 厳冬期の千畳敷カール

ロープウェイを降りるといきなりこの景色。みんな大好き千畳敷カール。

雪山初心者向けと言われ人気の山なのでトレースは十分です。砂糖に群がる蟻のように1列にカールを越えていきます。

距離は短いですが斜度はなかなかのものです。

千畳敷カールを過ぎると登りは殆ど終わり

カールを越えると浄土乗越。実はここから先はほとんど登りません。

カール方向を振り返ると宝剣岳。こちらは夏場でもバリエーションルート扱いなので厳冬期では難易度がとてつもなく上がります。数人登っている人はいましたが…。

ちょうど中間地点相当の中岳から木曽駒ヶ岳方面を望みます。頂上山荘と独立峰の御嶽山です。

穏やかに見えますが風速は常に20m/sほどと爆風です。ところどころ禿げているのは雪が吹き飛ばされるからです。さらに気温は-17度くらいなので体感としてはもうとんでもないことになっています。

木曽駒ヶ岳 山頂

千畳敷駅から歩くこと1時間半、山頂に到達。運動強度は低いものの環境が壮絶なのでダメージが溜まってきます。

山座同定タイム

左の独立峰は何度も出てくる御嶽山。”神様のカルテ”ファンとしてはいつか登らねばならない山です。

御嶽山アップ。カッコ良すぎる。余談ですが山に対して”かっこいい”と表現するのは山ヤにしか通用しないみたいです。普通はキレイでしょ、と細君。

北アルプス方面。右の山脈は槍・穂高あたりの人気エリア。一番凹んでいるところが大キレット。そしてそれらから少し距離を置いて左端にいるのがサイクリストの聖地乗鞍岳。

八ヶ岳方面。左端のきれいな三角形が諏訪富士こと蓼科山。右の方のとんがりが最高峰赤岳。

続いて南アルプス。鋸岳と甲斐駒ヶ岳。北に比べると雪は少ない。

富士山と南アルプス。右から塩見岳、間ノ岳、北岳。(たぶん)

秩父方面。うっすら雪を被っているのが百名山でもある金峰山。

環境的に腰を下ろして食事を摂るのは不可能だったので身体が震える限界まで山頂を満喫して下山し始めます。

雪山の好きなところが凝縮された1枚。このスケール感に加えて壮絶なまでの雪、氷。映画でしか見たことないような景色が見られるから雪山はやめられません。

荘厳な宝剣岳

風速はあれど山頂で話した経験者的にはいつも通りらしいです。とすればコンディションはこの上なく良いのでは…と宝剣岳に挑むか真剣に悩みました。しかし、予定にないのに急遽挑むには危険すぎ、心構えも足りてないと大人な判断をして見送ります。イッテQでみやぞんがご来光見るために登ってたけどゴリゴリのガイドがいたしな…。

下山はこの角度。人が多いのでためらいましたがやはり尻シェードで下山します。ピッケルで止まる練習もしながら。

山行としては非常にマイルドですが、環境の過酷さは超一級です。装備をけちるくらいなら安易に来るべきではない場所です。しかし厳冬期のアルプスを体験するにはアクセスも含めかなり良いところだと思います。ただし気温が上がり始めると雪崩の好発地帯になるので3月は厳重注意が必要です。

下山後は駒ヶ根名物ソースカツ丼をいただく。こちら明治亭はソースカツ丼の元祖的なお店で、ソースに並々ならぬこだわりがあるようです。このエリアでは何店舗かあり、駒ヶ根インターにも近いので立ち寄りやすいです。

木曽駒ヶ岳に来たら駒ヶ根名物ソースカツ丼を

カツ丼は問答無用の煮カツ丼派の私ですが、しっとり感のあるカツにこのソースという組み合わせは宗派を変えさせる力がありました。

来年も来ようと決めた。木曽駒ヶ岳、また好きになったよ。