山と自転車

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【テント泊登山】鳳凰三山にテント泊して最高の御来光を見てきた① 青木鉱泉ドンドコ沢ルート2022.10

山で御来光を見たいんだ

いつもの山仲間とともにシーズン最後のテント泊登山です。私にとっては甲府盆地からいつも見えてるとんがり鳳凰三山地蔵岳のオベリスクを目指した日帰りエクストリーム登山で見られなかった景色をみるためのリベンジマッチです。

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御来光を初め日本アルプスの全てと八ヶ岳、雲海に浮かぶ富士山など登山者が山頂で見たいもの全部盛りの最っっっっっ高過ぎる超贅沢登山でした。

鳳凰三山登山 ドンドコ沢ルート 

パーティは東北遠征シリーズや大キレットを共に行動した、私、師匠、KW氏とHG氏の精鋭4名です。仲間内の中でも山バカの精鋭達であり、前後の仕事のスケジュールなんかは関係なく、物理的に登れるかどうかしか考えていない者達です。当日朝に青木鉱泉で集合しました。

山行データ

青木鉱泉スタート

ルートはベーシックに青木鉱泉スタート、ドンドコ沢ルートです。標高1100mスタートでキャンプ地の鳳凰小屋は2382mなので約1300mアップの道のりです。初日はテントを張って地蔵岳まで行って戻ってくる予定でした。

標高差の数字だけ見ると普通な気がしてきますが、南アルプスは山頂近くまで一切眺望が得られないことが多く、この鳳凰三山や甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根はその最たる例なので精神的に非常に辛いです。だってどれだけ登っても景色が変わらないんですもの。

10月中旬は山ではもう紅葉が始まっています。何ならピークを超えて冬に入っていくくらいの時期です。眺望のない樹林帯ですが紅葉はオアシスでした。

登山道は少し荒れている

登山道は迷うほどではないものの少々分かりづらいです。木々が倒れていたり、道自体がはっきりしなかったりして赤い目印頼りになる場面がしばしば。整備の進んだ北アルプスに慣れていると面食らうかもしれません。

渡渉という程ではありませんが、何度か沢を渡る場面が出てきます。

南アルプスの天然水の水源なので非常に水が多いです。

ドンドコ沢ルートは川に沿って谷を登っていくような形になるので時折麓方面が見渡せます。

南精進ヶ滝

登山道の途中にはいくつか滝があり、登山道と分岐しています。だいたいどこも5分ほど逸れるだけで見ることができるので立ち寄ることをおすすめします。

写真では伝えづらいですがなかなかのスケール感です。前回の日帰りでは時短のため全部スルーしましたが実に勿体ないことをしました。

鳳凰の滝

鳳凰の滝。これは道を逸れた上に少し登らなければならないので遠くから眺めることにしました。メンバーで唯一師匠だけが登っていましたが、上まで登ると左右2本の滝が落ち込む全貌が明らかになるそうです。おそらくそれが翼のように見えるので鳳凰の滝と名付けられたものと思われます。

方向を示す看板が割と頻繁に出てきてありがたいですが、年季が入りすぎてホラーじみています。外人が作った和風ホラーゲームみたいです。

意味があるのか分からないあまりにも雑な現在地表示がありました。登山道の任意の全ての地点に置ける超汎用性が高い看板です。

大迫力の五色ノ滝

そしてこれが最後にして最も迫力があった五色ノ滝です。滝が落ちるすぐ近くまで行けるのでド迫力、夏だったら打たれていたと思います。それにしても滝というものはいつ見ても不思議で仕方がありません。これだけの水が絶え間なく落ちてきてなぜ枯渇しないのか。その莫大な水はどこから来るのか。考えていると不思議すぎて夜しか眠れません。

ふと見渡すと木々にふわふわで緑色をした植物(語彙力)が垂れ下がっています。近づいてみると木から生えているのではなくて他の植物が寄生しているように見えました。語彙力の問題で調べようがないので知っている人が居たらコメントで教えて下さい。

五色ノ滝を超えたところでようやく登山道の趣が変わってきます。枯れた河川のような広々した道を進むと本日のお宿、鳳凰小屋が現れました。

鳳凰小屋

鳳凰小屋。敷地全体はこじんまりしていて、稜線上の山小屋のような開放感はないものの、小屋とテント場が近接しているので移動がラクです。またテント場すぐ近くに飲料水の水源もあるのでテン泊する上では意外に快適でした。2022年10月時点でテント1張1500円、アサヒスーパードライ350ml600円でした。

テント場は樹林帯に囲まれているため、風が強い日だとしても直接には吹き込んでこなさそうな安心感のある空間でした。稜線近くのテント場は気持ちがいいけれど、正直突風に煽られそうで気が気じゃなかったりします。

また、テントを張るスペースは特に仕切られているわけではないので自由に張ることができます。到着したのは14時頃でしたが7割がた埋まっていました。また定番テントのモンベルステラリッジテントの比率が他のテント場よりも少なく、比較的重量級のテントやどちらかというとソロキャンプ向きなテントも目立ちました。ヘリノックスのチェアを持参している人もいました。環境的には稜線で張れるほどのスペックは必要ないので、キャンプ寄りの目的で来ている人も多いのでしょうか。

さて、いつも割と日没ギリギリの時間にテントを張ることが多い我々ですが、善良な登山者と自称して恥じない時間に張り終えてしまいました。山頂方面は完全に雲に包まれていたので予定の地蔵岳登頂は止め、明日の午前中に賭けることにして初日の行動を終えました。

晩餐

2時間ほど仮眠をとって17時、本日2本目のビールを片手に夕食タイムです。我らが山飯担当の師匠作、クラムチャウダー(写真撮り忘れた)とおろし肉しゃぶうどんです。

我らが誇る山岳料理人の師匠が他の人と違うのは、現地でうどん、肉を茹でるのはもちろん、キャベツの漬け込みと大根おろしも現地で行う拘りっぷりです。さすが夏山で揚げ物をし厳冬期の山頂でおでんを振る舞うだけのことはあります。毎回インパクトのある山飯が楽しめるのが我ら登山隊の自慢です。

 

夕食を終えても19時という、普段ならば夜はまだまだ始まったばかりだぜ、と言うことすら憚られる時間ですがここは標高2382m地点。当然周りは真っ暗で、電波も入らない(au,docomoはかろうじて4Gで1本入ることがある、くらい)のでもう寝るだけです。暗くなる前にご飯を済ませて行動を終え床に就きました。

山に泊まるたびに、昔の人々はこうして暮らしていたんだなと思いを馳せながら、これが正しいんじゃないかと思う時があります。夜にまで何でも出来るようにしてしまうから厄介事が増えるんじゃないでしょうか。好きなことならまだしも、少なくとも日が沈んでも仕事をし続けるのは健全ではありません(重要)。

 

明朝の日の出時刻は5時半、なんとか樹林帯を抜けたところで御来光を見るために5時出発を目標にしました。解散して食事の片付けをしている時、ふと見上げると満天の星空がありました。標高の高いところでしか見られない、有名な星座の隙間を敷き詰めるように名もなき小さな星が散りばめられているあの夜空です。山の地形的な特性から夜間と早朝は晴れていることが多いのもあり、明日は期待できそうです。

 

この時期のテント泊は初体験なので手持ちの装備で寝られるか不安でしたが結果としては問題ありませんでした。装備はモンベルダウンハガー#3に下はタイツ+夏用トレッキングパンツ+レインウェア下、上はジオラインM.W+トレールアクションパーカ+スペリオダウン、で寒くて起きてしまうこともなく眠れました。気温はおそらく8-10度くらいでした。

2日目はこちら

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