山と自転車

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【サンライズ瀬戸ソロ】ちょっと寝台列車に乗ってロードバイク輪行旅をしてきた。【ソロ個室詳細レビュー】

日本で唯一残存する寝台列車 サンライズ瀬戸・出雲

職場の異動に伴い3月末に連休を確保したので、日本で唯一残存する寝台列車、サンライズ瀬戸に乗って4泊6日の旅をしてきました。

旅の概要

3/28 21:50東京駅発 サンライズ瀬戸乗車

3/29 7:34高松駅着 香川うどんライド(高松〜今治)

3/30 しまなみ海道(今治〜尾道)

3/31 尾道→大津 ビワイチday1

4/1 ビワイチday2 大津→京都

4/2 京都サイクリング→帰路へ

今回の旅の前半戦はサンライズ瀬戸に乗るために生まれた計画でした。サンライズ瀬戸は本当に最高にワクワクする体験だったのでまとめです。

サンライズ瀬戸のチケットについて

チケットの購入方法

サンライズ瀬戸のチケットは乗車1ヶ月前の10時から販売開始となり

①窓口で直接購入する方法

②JRおでかけネットe5489サービスを使ってネット上で購入する方法

の2つがあります。いずれの場合でも販売開始のタイミングは同じで、シングルデラックスやシングルツインでは販売開始前から「事前申し込み」を行うことが出来ます。これは抽選の申し込みのようなもので、販売開始のタイミングで予約が成立したかどうかが分かるというもの。

事前申込について追記

上記について勘違いしていました。事前申込が可能なのはノビノビ座席だけです。なぜ勘違いしていたかというとサンライズ瀬戸の予約画面が原因でした。予約画面は以下のようになっています。

読めば普通にここに書いてあるのですが、困ったことにここでノビノビ座席以外を選択していてもそのまま事前申込に進むことができてしまいます。見かけ上はシングルデラックスやツインを事前申込したように見えてしまいますが、繰り返します、事前申込可能なのはノビノビ座席だけです。要注意してください。チケットの種類

個室/シートの種類はシングルデラックス、シングル、ソロ、サンライズツイン、シングルツイン、ノビノビ座席、がある。金額は運賃+特急料金+寝台料金の合算で、ノビノビ座席のみ運賃+特急料金のみで利用できるので少し安いです。

自転車輪行が可能な個室

1人用の個室はシングルデラックス>シングル>ソロ、の順に広い。シングルツインは2段ベッドのような個室で1人で利用することも出来る。

「自転車輪行にはシングル以上」というのがネット上のコンセンサスのようです。実際やってみた結論としては(室内に持ち込む)ロードバイク輪行なら確かにシングル以上は必須で、ブロンプトンなど小型の折りたたみ自転車ならソロでも可能だと思います。後述しますがソロではロードバイクを室内に持ち込むことは非常に困難と思われます。というか実質不可能と言っていいと思います。

サンライズ瀬戸で実際に輪行してみた

今回はJ-WESTに会員登録をしてe5489を利用してチケットを確保しました。

平日とはいえ春休みシーズンなので細君にも協力を仰ぎ、なんとか3/28出発のソロをゲット。先述の通り輪行旅なのでシングル以上の部屋が良かったのですが、10時を過ぎるとすぐにソロも含め全ての部屋がすぐに埋まってしまっていたので何でもいいから取るのが正義です。

 

結果的にはソロ室内に持ち込むロードバイク輪行は不可能だけど、輪行自体は問題ありませんでした(後述)。

チケットの発券方法

当日は30分ほど余裕を持って東京駅に到着。チケットの発券はまた一癖あります。

JR西日本(e5489)でサンライズ瀬戸のネット予約

JR東海の指定席券売機で発券

・ネット決済をクレジットカードで行った場合、そのクレジットカードが必要

・また、チケットの発券は新幹線が停まる駅のみで可能

特に予約に用いたカードに関しては、細君に代わりに購入してもらっていたの、細君のクレジットカードを持ってくる羽目になりました。窓口でゴネればいけたかもしれませんが時間的余裕がなかったので仕方なし。

→追記:予約に用いたクレジットがないと発券はできません。人に頼む場合などは自分のカードで決済してもらうようにしましょう。

乗車駅 東京駅

そして東京駅、東海道・山陽新幹線乗り場へ。

ここで1つ目のトラップ。窓口の対面に位置するこの機械では発券できないので注意。

正しくは窓口のすぐ隣に位置しているこちらで発券します。

チケット予約の時点から苦労しましたがようやくサンライズ瀬戸の切符を手に入れました!

東海道線ホーム サンライズ瀬戸乗車

乗り場は新幹線口ではなく東海道線のホームなのでまたまた注意。

ホームの表示でもうテンション上がりまくり。

今回乗ったのはソロ個室が並ぶ3号車で、車内の中央に通路があって左右に部屋があります。

サンライズ瀬戸 ソロ個室

こちらが上段で

こちらが今回のお宿、ソロ下段。

扉を開けると靴や小さい鞄くらいなら置いておける土間に当たるスペースがあって枕に掛け布団、そして寝間着が置かれています。

ソロにはこの土間スペースが全く無いものと思っていたのでこれは嬉しい誤算。バイクから外したサドルバッグや身につけていた衣類、カメラなどをベッド上に置かずに済みます。

個室の奥には走行中も何故か全く揺れないというウワサのハンガーがあります(本当に揺れなかった)。またブラインドを開けるとホームが目の前に見えています。

外から見るとこのような感じ。びっくりするほど丸見えなので寝る時は閉めた方が良さそうです。

ソロでロードバイク輪行が可能か問題

当初考えていたのはロードバイクを室内に持ち込み、車体と壁の隙間で寝るという作戦。かなり窮屈ではあるが物理的には可能だろうと読んでいましたが、実際の空間を見るととてもそんな気にはなりませんでした。

上段と下段の個室は真上から見ると、”L字”が向きを変えて重なって長方形を構成しているような構成になっています。L字の短辺が土間側で、長辺が寝るスペースというイメージです。

下段から見ると、上段の階段の部分が土間に向かってせり出しています。このせり出しがなければベッド横の土間スペースにバイクを置くのが可能だったと思いますが、このせり出しからホーム側(窓側)の壁との間はあぐらをかくと両膝が左右の壁に当たるくらいだったため、バイクを置くか自分を置くか、の二択になってしまいます。

ロードバイクはデッキスペースへ

ということで無理に試すことはせずデッキスペースに縦置きで自転車を固定しました。添乗員が切符確認をしに来た時にこの状態を見せて確認を取ると、このくらいであれば通行の妨げにはならないから良い、とお墨付きをいただきました。特急に乗る時もよく使う手です。

これにより「ベッドにバイクを寝かせ自分は寝ない」という究極のローディスタイルからただの快適な寝台列車旅マンになりました。

 

ソロは狭いので積極的に取る理由がないとよく言われるようですが、テント泊に慣れている身としては全然快適な広さですし、小さめのスーツケースと移動中のリュックくらいであれば例の土間スペースに収まると思うので寝られなくて困ることはないと思います。ネット上の評判と比べると意外と寝る以外のスペースあるやん、というのが感想です。ただしシングルとの差額が1000円程度と考えると好き好んで選ぶ必要はないかもしれません。

ラウンジへ

バイクどうする問題がめでたく解決したので楽しみにしていたラウンジに向かいます。ラウンジは3号車と10号車にあって、偶然にも今回は3号車の部屋だったのですぐ隣でした。さらに隣には例の売り切れ必須のシャワーカード売り場があり、隣にソフトドリンクのみの自動販売機があります。

サンライズ瀬戸の注意点として車内ではアルコール類、食べ物の販売がないので、ラウンジでまったりするためには事前に買い込んでおく必要があります。

荷物を極限まで削っている自転車旅としては事前に買い込んだものを収めるスペースに余裕はないと思うので、早めに乗車してホームの売店に買いに行きましょう。

またまた運良く一番奥が空いていたので確保。

車窓を流れる夜景を見ながら過ごしたこの時間は本当に幸せな時間でした。1ヶ月前に仕事でスマホが触れない状況で祈るように細君のチケット予約に賭けていたあの時間も、今回の輪行直前で携帯工具を忘れてホイールが外せず、急いで近隣の100均で六角レンチを買ったあの瞬間も、全てがこの時のためにあったんだなんて大げさに浸りました。

予約の難易度に加えてチケット発券のややこしさ、どの程度の輪行までできるのか、など調べるべきことがたくさんありますが、その価値は間違いなくあると思います。

特にこのサンライズ瀬戸、後継車輌が造られないという噂もあってこれが廃止になったらもう二度と寝台列車に乗れなくなるかもしれないので、興味がある人は身体が動くうちに是非乗っておくことを強くおすすめします。