山と自転車

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尾瀬にテント泊して燧ヶ岳に登ってきた① 鳩待峠〜見晴キャンプ場編 2023.5.27-28 

 

燧ヶ岳と至仏山、日本百名山を2つ抱える尾瀬国立公園。ずっと行ってみたいと思っていながらも遠い上にルートが複数あるため調べるのが億劫だった尾瀬。今年2023年、遂に実現したのでその記録です。

関東圏からアクセスするのに最もポピュラーな鳩待峠から入山して、見晴キャンプ場にてテント泊、翌日に燧ヶ岳に登って帰ってくる1泊2日の日程で行ってきました。

行程

5.26 仕事終わりに高崎まで移動し前泊

5.27 高崎→尾瀬戸倉第一駐車場→鳩待峠→見晴キャンプ場

5.28 見晴キャンプ場→燧ヶ岳(見晴新道)→見晴キャンプ場→鳩待峠→戸倉第一駐車場

尾瀬の立地

群馬県と福島県にまたがる広大な湿地帯で国立公園で、前述の燧ヶ岳至仏山2つの日本百名山がそびえています。2座は尾瀬ヶ原(尾瀬を象徴する湿地帯と木道)を挟んでちょうど向かい合うように位置していて、両者の間の直線距離は10kmほど。

1泊2日で2座を落とすことも可能ですがせっかくの尾瀬なので、登るにしても1座に絞ってのんびり過ごすべきだと思います。

尾瀬の入山口

入山者の多い関東方面からのアクセスルートは主に①鳩待峠、②富士見下、③大清水、の3箇所。

①鳩待峠

スタート直後から下り&木道歩きで、1時間ほどで尾瀬ヶ原に到達できるため日帰りハイカーやツアー客の多いルート。見晴キャンプ場は反対側の大清水側にあるので、地図上では遠く見えますが実際には「見晴キャンプ場に最も簡単に行けるルート」です。

②富士見下

かつて尾瀬へのメインルートであった入山口ですが、今は利用者が少なく静かな山歩きが楽しめるルート。尾瀬の中では唯一の無料駐車場なので「見晴キャンプ場まで最も安く行けるルート」です。

③大清水

燧ヶ岳側からの入山で、尾瀬沼の方につながるルートなので、見晴キャンプ場に行くには一度登って下っていかなければならないため「見晴キャンプ場まで最も大変なルート」です。

鳩待峠、大清水へは戸倉駐車場からバスないし乗合タクシーを利用することになります。かつては自家用車で乗り付けることもできたようですが少なくとも2023年は戸倉駐車場より先はマイカー規制になっていました。

見晴キャンプ場

尾瀬ヶ原の東側、燧ヶ岳山麓に位置している樹林帯のキャンプ場。キャンプ場といっても昨今流行りのキャンプではなくてあくまで登山者のテン場で、焚き火等は禁止されています。テン場としては水洗トイレがあって水道があってベンチも複数あって至れり尽くせり。

尾瀬には山小屋、テン場が多数存在していますが、ここは私が調べた限り唯一の予約不要なテン場です。キャパシティも100張以上あるらしく、今回は水芭蕉のシーズン=繁忙期でかつ到着が16時頃と遅くなりましたが、張る場所には余裕がありました。

↑見晴キャンプ場の様子。17時頃。平地の良い場所はさすがに空いてませんでしたが、張る場所自体はまだまだ余裕がありました。

尾瀬戸倉第一駐車場

今回のメンバーは山&酒飲み仲間として度々登場するMR氏とTK氏と私の3名です。3人で登るのは燕山荘ぶりで、今回も高崎に前泊を挟みました。

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高崎に来たらぜひ行きたいところがあるんですが

行こう行こう

前泊したことに甘んじて深夜まで酒を飲み当日出発が遅くなった3年前の燕山荘山行の反省を、我々は全く活かすことはありませんでした。

高崎めっちゃ良い街だなビールグビー

場末のスナックがそそる

今回も高崎で深夜3時頃まで酒を飲み、当日朝9時に高崎を出ました。

待った、水芭蕉買い忘れてる

新前橋に良さげな酒屋を見つけました

有能が

過ぎる

戸倉第一駐車場は280台のキャパを誇ります。到着したのが12時30分頃で、出ていく車がいる時間帯なので停める場所には困りませんでした。料金は1000円/24時間。

戸倉駐車場からバスで鳩待峠へ

バスないし乗合タクシーは朝10時頃までは1時間に1本程度ですが、それ以降は本数が増えて概ね30分に1本ほどは出ているようです。繁忙期では人数が揃い次第乗合タクシーが出ていたりするのであまりシビアに考える必要はなさそうでした。料金は1000円/人。我々は12時40分発の乗合タクシーに乗りました。

タクシー運転手が今年の水芭蕉は霜にやられていること、雪解けが例年より早いこと、などを教えてくれました。ちなみにこの日は朝6時で戸倉駐車場が満車になったそうです。とはいえ昼頃になると帰る人の分駐車場が空くので、逆に頑張って下手に早朝に来ていたら停められなかった可能性があります。結果的大勝利です。

鳩待峠

揺られること30分弱、鳩待峠に到着。

鳩待峠は山ノ鼻を経て尾瀬ヶ原に向かうルートと、至仏山への登山口に分かれます。

尾瀬ヶ原への道は最初から全て木道で、右側通行で統一されています。ジーンズなど普段着姿で軽装の人も多いです。

鳩待峠からはいきなり下りで、基本的には穏やかに下り続けます。斜度の増すところでは滑る側に滑り止めが張られていて登山者に非常に優しい作りです。

水芭蕉シーズンということでツアー客がものすごく多いです。自分のペースで歩くことはできないと覚悟しておくほうが良いです。

ある程度下り切ると水流と水芭蕉が姿を見せ始めました。

ニッコウキスゲの芽らしいぞ

うーん、野菜かな?

尾瀬の渓流。ものすごく水質が良さそうです。渓流魚が普通に泳いでいるのが見えるくらい魚影が濃いです。

山ノ鼻

歩き始めて40分ほど、山ノ鼻に到着。右手の大きな小屋は至仏山荘。

花豆ソフトクリームが非常に気になりますが今日はまだ運動量はゼロに近いので帰りにします。

遂に水芭蕉と木道の尾瀬らしい景色が現れましたが、前評判通り萎れたり茶色に変色していたり。

これは…なんというか…

放置した野菜室やね

尾瀬ヶ原

広大な尾瀬ヶ原と燧ヶ岳。遠目には既に雪がなくなっていました。

水芭蕉。思っていたよりもデカいです。手のひらに乗り切るかどうかといったサイズ感。やはりどことなく野菜感が…。

この木道歩きは2時間ほど続きます。正直に言って景色が変わらないので次第に飽きて、会話が減ってきます。そして背中には、平地歩きだからと舐めプした結果ヘリノックスのチェアワンに4合瓶3本にワイン2本と数キロの肉、その他およそ登山には似つかわしくない贅沢品の数々を詰め込んできた20kgオーバーのザックがあるので控えめに言って激つらい。

同じく重装備でさらにチェアワンでなくチェアツーを持ってきたTK氏。カメラは元本職なだけあって構えがガチ。

逆さ燧

水面が波打ってしまっていますが、ここは水面に映る燧ヶ岳の眺望ポイント「逆さ燧」。概ね尾瀬ヶ原の真ん中くらいに現れます。

燧ヶ岳に近づくにつれて水源豊かに

水面を見ると手足の生えたオタマジャクシかと思いきやイモリ。呼吸のため水面に上がってくるのがそこら中で見られます。また下界よりも品のある感じのカエルの鳴き声が終始聴こえているのですが探してもその姿は確認できませんでした。

山ノ鼻から5キロほど歩くと龍宮小屋。ずいぶんと燧ヶ岳に近づいていて、ここまでくれば見晴まであと一息。

見晴が見えてきました。スタートから3時間、山ノ鼻から2時間ほど。燧ヶ岳山麓の樹林帯の入り口で集落を成しています。

見晴には尾瀬小屋、燧小屋、弥四郎小屋など合計6つの山小屋があって、見晴キャンプ場はそれらの一番奥にあります。受付は燧小屋で行いますが、管轄は環境省なので基本的に山小屋の設備は利用不可です。しかしこれだけ山小屋があっても2週間前には既に満室だったので世知辛い限りです。

見晴キャンプ場

16時過ぎ、見晴キャンプ場に到着。テントはだいたい70張ほどでしょうか。前述の通り普通に張れる場所はまだ余裕があり、その後も場所を選ばなければおそらく張れなくなってしまうことはないと思います。

というのも時間的に我々が最後かと思っていたら、我々の後17時を過ぎても新たに数組のパーティーがやってきて、しまいには大学生のワンゲル部まで現れたからです。張れずに撤退して行った人はおそらく居なかったので今回一番心配していた「繁忙期の土曜日に予約なしに尾瀬に泊まれるだろうか」という心配は杞憂に終わりました。

設営(ツエルト)

今回のお宿はツエルト。ウルトラライトなツエルト泊の記念すべきデビュー戦です。ヘリノックスやら贅沢品が多すぎるのでウルトラライトとウルトラヘヴィが共存する目的不明の装備ですがテントが1kg軽くなれば1kg多くの贅沢品が運べます。

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いざ調理、宴会へ

キャンプ場すぐ近くの建物に水場がありその正面にはトイレがあります。このトイレはなんと水洗で非常に綺麗でした。

ベンチがたくさんあるので食事会場には困りません。さすがにヘリノックスのチェアを広げていたのは我々だけ。完全にCHILL OUTです。

そして宅飲みと遜色ないレベルで酒瓶を広げていたのも我々だけ。

「すごいお酒の量ですね(引)」「これ全部持ってきたんですか(引)」「こんな飲むんすか(引)」なんて次々話しかけられます。

あとは宴。メスティンにベーコンを敷き詰めてチーズと卵を落としベーコンで蓋をして蒸したメスティンベーコンチーズ(語彙)。

ラージメスティンで米3合を炊飯。

日本酒と醤油ですき焼き作れるんやで。

日本酒ってしゅごい

そうこうしていたらトイレ前にスクリーンが現れ、尾瀬の紹介・案内のプレゼンテーションが始まりました。実は冒頭の尾瀬の入山口の説明はここから引用したもので、酔っ払ってても記憶に残った面白い企画でした。

登山はもういいかって気になってくるなぁ(冗談)

もうとっくに登る気ないやで

むしろ登る気でいたんか(引)

ワイン1本を残し食べ物も酒も食らい尽くし、TK, MR氏は完全に明日はもう帰るだけモードです。明日はどうなるのか…!

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