山と自転車

登山や自転車に関することを綴っています

【南多摩尾根幹線道路】ロードバイクでローディのメッカ、秋の尾根幹を走る 2023.11

南多摩尾根幹線道路

言わずと知れた東京都多摩地区のローディのメッカ、”オネカン”こと南多摩尾根幹線道路の紹介です。多摩地区は元々丘陵地帯なので一般人的には坂が多いとネガティブに捉えられがちですが、ローディ的にはほど良いアップダウンのコースが組みやすいエリアです。そんな多摩丘陵を切り開いて作られた多摩ニュータウンは歩車分離がコンセプトの一つで、道路整備が進んでおり一見の価値があります。

南大沢駅を目指す

しまなみ海道のような明確なスタート地点があるわけではありませんが、私はいつも南大沢を始点として稲城方面に進むことが多いです。

地図で言うと西から東に進みます。最後は多摩川に合流するのでこの方向は下り基調で、つらい登りはありません。トレーニング目的であれば多摩川スタートにするとそれなりにヒルクライムを味わうことができます。

南大沢駅周辺。この辺りは街づくりが非常に上手く行っていて、自然と文明が見事に調和している基調な街です。紅葉にはまだ早いかと思いきや街路樹が良い感じに色づいていました。

南大沢の幹線道路。奥に見えているのは三井アウトレットです。町田育ちの私としては南大沢は映画や買い物によく訪れた馴染み深い街です。センター試験をこのすぐ近くの首都大学東京(現:東京都立大学)で受けた思い出もあります。当時から10年以上経っていますが、相変わらず美しい街だと想います。

南大沢のループ歩道橋。多摩ニュータウンは自動車と歩行者のエリアを棲み分けていて、事故の少ない街かつ独自の景観を生み出しています。

今回のルートはまず南大沢のイトーヨーカドーに沿って道路を登っていきます。この小学校前の交差点を直進し

少し下ったあとは青看板の相模原方面に右折します。

pal systemがスタート地点

しばらく登り進むとpal systemの建物が見える大通りにぶつかります。ここが尾根幹こと都道158号線、南多摩尾根幹線道路です。

尾根幹にぶつかったら左折し、あとはひたすら道なりに進みます。交通量は多いですが自転車ゾーンが広く取られているので快適に走れます。

ぐりーんうぉーく多摩

すぐ左手に出てくるショッピングモールのぐりーんうぉーく多摩。ここのスポーツデポで人生初のスポーツサイクル、ルイガノのクロスバイクを買ってもらった思い出の地です。

尾根幹は露骨な自転車推しの道ではありませんが、コンビニをはじめ様々な施設にサイクルラックが設置されています。これがあるだけで受け入れられている気持ちになれるので良い取り組みだと思います。

個人的尾根幹名物 ドラえもんの足跡

右側の反対車線にはドラえもんの足跡のような植樹があります。個人的尾根幹名物。

冒頭にも述べた通り、尾根幹は南大沢から多摩川方面は下りになっているのでかなり快適に走れます。リタイアすることもないと思いますが、沿線も多いので少し逸れれば輪行でエスケープすることができます。

心なしか尾根幹沿いには味のある景観の建物が多い気がします。博物館や美術館にも見えそうな福祉センターです。

歩道と車道は明確に棲み分けられており、子供が飛び出してくるようなこともまずありません。多摩ニュータウンは両サイドの高台に住宅街・歩行者エリアを、その間に幹線道路を通し、両サイドを橋で結ぶ構造になっているのでこのような大きな橋がいくつも現れます。”上のエリア”には住宅街や公園、商店街が数多く存在しているのでミニベロなんかでポタリングするととても面白いです。

登り返しへ メルセデス・ベンツ多摩

下り基調で進んでくるとビッグモーターとメルセデス・ベンツ多摩が目標となる一際大きな交差点に差し掛かり、ここから登り返しになります。この交差点は左折すると八王子・立川方面、右折すると町田方面になります。

登り返しと言っても斜度は5%以下くらいなので追い込んでぶっ飛ばさない限りはそんなに辛くないと思います。前半よりさらに緑が増えていきます。自分もたまに間違えますが、写真の分岐は車と同じく右に進むのが正解です。左に進むと歩行者ゾーンに入ってしまうので走りづらくなります。

左:歩行者ゾーン 右:車両ゾーン

広大な中央分離帯を挟んで両サイドに車道が広がります。国士舘大学があり学生の姿も目立つなんとなく活気のある道です。

先の分岐で間違えて左に進んでしまっても最終的にはここで合流します。

それにしてもふと見る景色がすごく良い。栄えていて人も多いエリアなのに緑が多くて心にゆとりをもたらしてくれるような気がします。

きれい過ぎる街 若葉台

登り返しを登りきったくらいで現れるのが、尾根幹の中でも特に好きなエリアの若葉台です。ここは通る度に住みやすそうだなと羨望の目で見てしまう街で、整備された道は言わずもがな、すぐ近くにある広い広い若葉台公園がとても気持ち良い場所だからです。

若葉台公園

尾根幹沿いに進むと左手に出てくる若葉台公園です。デイキャンプを楽しむ人々。ここから少し公園内に入ってきます。

例の両サイドの居住地ゾーンを繋ぐ陸橋です。街の構造が見渡せます。

ここが”上のエリア”に当たる居住地ゾーンで、広大な若葉台公園の敷地と集合住宅が立ち並びます。

とにかく広くて開放感があり、子供を遊ばせるも良し、散歩するも良し、チェアリングするも良し、な場所です。家の目の前にこんなところがあったら仕事行かなくなりそう。

尾根幹はガチ目のローディが多い場所なので、休日にのんびり漕いでいるとビュンビュン抜かされていきます。それゆえローディ同士のトラブルを聞くこともありますが、同志が多いエリアというのはぼっちローディ的にはここに居ていいんだと思わせてくれるので良いものです。山梨に住んでいた頃は道は良くとも本当に仲間を見ない日もあるくらいで、孤独感が強かったのを思い出します。

多摩丘陵というだけあり高台になっているので、晴れていると都心方面のビル群が見えます。

くじら橋

登り返しを終えしばらく下っていくと一際目立つ尾根幹名所、くじら橋が現れます。その名の通りくじらのような見た目の大きな橋で、稲城中央公園に繋がっています。

くじらの腹

くじらの上からの景色

ZEBRA COFFEE

くじら橋の近くには自転車雑誌でおなじみのZEBRA COFFEEがあります。週末になると自転車メーカーが試乗会をやっていたりもする、ローディのメッカです。

夏に一度訪れましたがアイスコーヒーがとても美味しかったのが印象的でした。サンドイッチやパンが充実しているので食事目的に立ち寄るのも良いと思います。

ふと見る街並みが良過ぎる。こういう街に住みたい。

調布を指す青看板が出てくるといわゆる尾根幹はおしまいです。あとは多摩サイに合流して帰るだけですが…

CROSS COFFEE

こちらもZEBRA COFFEEと同じかそれ以上に有名な尾根幹スポット、サイクリストカフェのクロスコーヒーです。先程の尾根幹を多摩川方面に進み続けると左手に現れます。

街路樹に隠れていてZEBRA COFFEEよりはこじんまりとした印象なので知らないと見過ごすかも。矢野口交差点、ドコモショップが目印です。ここから歩道に入ります。

いつ行ってもたくさんのロードバイクが停まっているクロスコーヒーです。最近は南大沢スタートで尾根幹を走ると必ず立ち寄っています。

店内はこの通り、ローディによるローディのための空間という感じで、ヘルメットやビンディングシューズ、サコッシュ等の小物も取り扱っています。また週末にはクロスコーヒー主催の自転車イベントが開催されていて、よくあるファンライドのようなイベントからグラベルライド、婚活ライドなんて変わったイベントも。面白そうだなと思う反面、尾根幹のガチ勢が集まるんじゃないかと思うとぼっち&ゆるローディな私にはハードルが高いです。

面白いのがこの店内の自転車置場。初めてきた時は普通に店内に自転車を押して入ってくる人がいて驚きました。鍵がなくても立ち寄れるのは大事なこと。

昼はドリンクがお得になるランチセット、14時以降はケーキセットがあります。自転車用財布にはクロスコーヒーのスタンプカードを入れていて、すべて埋めるのが密かな目標です。

 

今回は何度も脚を止めて写真を撮りながら、ポタリングくらいのペースで走りましたが、自宅を起点とした周回ルート50kmで3時間ほど。尾根幹はアクセスが良く、今回紹介したルートの途中から合流したり途中で自宅方面に逸れたりとルートが組みやすいのが良いところです。個人的には道の走りやすさ以上に緑と都市が融合した唯一無二の景観と雰囲気が大好きなので一度は脚を運んでみてほしいと思います。晴れた週末、朝ごはんと家事を済ませた後にランチがてら走ったりするのにいかがでしょうか。