編笠山は標高2524m、八ヶ岳最南端に位置する山であり交通アクセスが良く、八ヶ岳の山々と南アルプスを正面に一望できる眺望の良さもあり八ヶ岳の中でも初心者向けとされる山です。名前の由来は文字通り、お地蔵さんが被っていたり露天風呂に置いてあるあの編み笠にそっくりな形をしているから。
ルートは観音平スタートと今回の富士見高原スタートがありますが、どちらも大きくは変わりません。2019年最初の登山はサクッと登って良い景色を見て、サクッと帰ってくることにしました。
自宅から下道で1時間半ほどで登山口の富士見高原駐車場に到着しました。ここの標高は1344mなので、山頂までは1000mちょっと登ることになります。
時刻は朝7時で、甲斐駒ヶ岳が朝日に照らされようとしていた。
スタートのこの時点が最も景色が良かったなんてこの時はまだ知る由もありません。
網笠山のすぐ西側には西岳という山があり、今回のルートでは途中で西岳方面と編笠山方面とで分岐します。一応雪山登山のつもりで来ましたが、序盤は積雪はありませんでした。
スタートから編笠山山頂が見えています。形が綺麗で遠くからでもすぐ分かります。
序盤は緩やかで山頂直下で少し斜度が増しますが、全体的に緩めでちょうど良いキツさです。
大きい岩にありがちなつっかえ棒。
まさに原生林という言葉が相応しい登山道。
途中経過。
序盤の暗い森を過ぎ、視界が明るくなってくると斜度が少し増してきて、道には雪が現れ始めました。編笠山は遠目にはうっすら白くなっていて、山頂付近のみ積雪している状態です。
一面が雪に覆われるのではなく、多くは岩や木々が露出していたので敢えてアイゼンは使わずに登りました。
眺望が開けてきたので南アルプス方面を見てみると、なんとも残念な空。朝はあんなに綺麗だったのに。
山頂手前で森を抜けると、打って変わって登山道は岩岩岩。
岩場ではこまめに看板が出てきて励ましてくれます。
さっきよりまた雲が増えてきた…。
「もうそこだ」
登山開始からぴったり2時間で編笠山山頂に到達しました。眺望はというとこの通り全然ダメ。雲の中にいるようで、赤岳など八ヶ岳の山々は一切見えず。
南に目を向けるとかろうじて外界の様子とこれまでの道が見えるくらい。しかも山頂に出ると急に風が強くなり、装備を全て纏っても寒くてどうしようもなくなってきました。それでも30分ほどは晴れるのを信じて待ってみましたが、寒さが耐え難くなってきたので撤退しました。
後ろ髪を引かれる思いで下山し始めると、さっきまで雲の中にいたはずの編笠山が姿を現しました。一瞬戻ろうかとも思いましたが、山頂の寒さで心がやられてしまったので潔く降りることにしました。
そして外界。なんと晴天そのもの。だんだん晴れてくるなんてこともあるんだなと唇を噛みちぎりそうなくらいには悔しかったですが、これも経験だと思うことにします。
名前の通り綺麗に編み笠の形をしています。山頂付近が若干グレーなのはあの岩場の色でしょう。山頂ではどんな景色が見られたのか、想像を膨らませながら帰路に着きます。
残念ながら眺望に恵まれないスタートになった2019年の初登山。これにめげずたくさん登ろうと思います。