山と自転車

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【雪山デビューにイチオシ】四阿山日帰り登山 2020.12【日本百名山】

四阿山登山

毎月欠かさず山に登ることができた幸運な2020年の締めくくり登山です。今回は雪山初心者の女性陣も加わり、雪山デビューに最適と師匠がイチオシする四阿山(あずまやさん)が選ばれました。

四阿山って?

四阿山は長野県と群馬県の県境に位置し日本百名山にも選定されている山です。どこから見ても屋根の形に見えることから名付けられ、キャベツで有名な嬬恋村の近くにあり、地元では吾妻山(あがつまやま)とも呼ばれています。雪山として見ると北アルプスまで一望できる抜群の眺望ながら穏やかな山容は非常に登りやすくスノーハイクを楽しむのにもピッタリな良い山でした。

パーティは師匠率いる山梨組と私とAI氏の神奈川組で計6名です。私と師匠、AI氏以外は雪山登山デビュー戦。いずれも学生時代の同期で師匠以外は卒業ぶりの再開でした。

山行データ

上田菅平ICから四阿山登山口へ

メンバーは各地に散らばっているので四阿山登山口で集合しました。最寄りは上田菅平ICで、神奈川からの場合は群馬側から大きく回り込むように高速が続くのでなかなかの移動距離です。菅平といえば高橋尚子選手も高地トレーニングで訪れるという陸上競技場があり、私も陸上部に所属していた高校生時代に夏合宿で訪れていました。

スノーハイクからスタート

今回は急登はなく穏やかなコースと聞いていたので、友人からワカンを借りて初使用してみました。ちなみに細君にクリスマスプレゼントとして買ってもらった厳冬期シューズ、アルパインクルーザー3000のデビュー戦でもありました。

スタート間もなくこの通り非常に緩やかな道を進んでいきます。斜度はきつくありませんが雪は深く柔らかいのでトレースを外れると膝上まですぐに沈み込ます。

序盤から眺望は抜群で、早速北アルプスの山脈が見えました。

山に入っても斜度は緩め

先の草原を抜けると登りに入りますが、斜度は緩めで距離も長くないので楽しい>>>>>辛いです。

やはり北アルプスは冬の姿が一番美しいですね。夏場の遠目にも分かる岩稜帯の質感も迫力がありますが、雪を纏い日本海まで連なる姿はもはやSFチックです。

すぐに森林限界を超えるため、振り返れば常に広々とした眺望が得られます。木々は雪と氷を身にまとい樹氷と化しています。風や気温などの条件が足りないので東北のようなスノーモンスターにはならないものの、十分に神秘的な光景でした。

山頂近くになると道は少し狭くなり、樹氷に囲まれるようになります。ここまでキツい登りはなかったので本当に終始穏やかな山です。

冬の群馬といえば巨大ガトーショコラこと浅間山。人目でわかります。

四阿山山頂 360度パノラマ

登頂開始から3時間ほどで、四阿山山頂2354mに到着しました。遮るものは何もない、360度パノラマビューが得られます。サイコー。北〜南アルプス、八ヶ岳連峰、浅間山など名峰がうじゃうじゃしています。

山頂に居た雪りんご。

南の方に目を向けると遠くに富士山の姿が。

八ヶ岳連峰です。元山梨住み、現神奈川県民としてはいつもと逆から見ているので見慣れない形に感じます。

どこを見ても遠くまで見渡せるのはやはり非常に気持ちが良いです。世界がどこまでも続いていることを実感できます。

山飯目当てに参加する友人がいるくらい定評のある師匠の山飯ですが、今回は味噌おでんでした。相変わらず人が想像する山飯を超えてくる男です。女性陣が大半を食い尽くしていました。

12月は厳冬期としてはまだ気候条件が穏やかな時期にはなるものの、2000m超えの山頂は装備を揃えていても際限なく留まれる環境ではありません。しかも午後になると夜に向かって急に冷え込み始めるので名残惜しくも下山します。周回ルートもありますが今回はピストンで下山しました。

感想

終始穏やかな登山道で滑落や怪我の危険箇所もなく距離も短め。それでいて開放感あふれる眺望が続くので雪山デビューにピッタリです。名峰がたくさん見渡せるので山座同定好きな玄人でも楽しいんじゃないかと思います。夏山なら登山というより気軽なハイキングとして登れそうです。

師匠曰く雪山デビューなら四阿山か黒斑山。夏山としても良い山ですが冬は一層輝くと言っていました。確かに夏は少し物足りなく感じてしまうかもしれないので冬に来るのがちょうど良いかもしれません。関東からは少し遠いけれど、その価値は十分。

 

ちなみに初めて履いた厳冬期靴は当たり前ですが雪が染みてくる感じが一切なく、動かずに居るときも足先が保温され、3シーズン靴とは全然違いました。つよつよです。しかし終始重量を意識してしまうくらいには重く、普段疲れない場所が疲れました。長時間の行動はかなり慣れないと難しい気がします。

そしてわざわざ借りたワカン、周りの友人に比べると確かに足が沈みづらくはなっていましたが、正直なところ自分で買おうと思うほどの感動はありませんでした。もっと斜度がきついところならありがたみが増すのでしょうか…。

2020年を締めくくる四阿山でした。