山と自転車

登山や自転車に関することを綴っています

【丹沢山塊】2019.5 塔ノ岳日帰り登山 ヤビツ峠ルート【雷雨】

社会人初登山は丹沢、塔ノ岳です。

丹沢山塊は神奈川県西部から山梨県にかけて位置する山地です。最高峰は1600mほどですが非常に広大な山域であり、初心者向けのルートから玄人も苦しむような過酷なルートまでバリエーション豊かな上、都会から極めてアクセスしやすいということで常に賑わっている人気のエリアです。

その中でも塔ノ岳は眺望の良さと日帰り可能なルートが複数あるため丹沢の中でも最も人気な山の一つで、ベーシックなヤビツ峠からの日帰りピストンをチョイスしました。

山は標高で語ってはいけないと知ったのはこの丹沢であり、危険箇所こそ殆どないものの、距離的にも獲得標高的にも中級以上レベルで、かなり過酷です。

見てほしいこのジグザグ。行きも帰りもアップダウン地獄であります。

朝7時、登頂開始。ヤビツ峠〜塔ノ岳の標準コースタイムは往復7時間半ほど。パートナーは運動習慣のない細君。ペースを考え余裕を持って早めのスタートにしました。いきなりガッツリ登らされるので覚悟されたし。

丹沢は本格的な登山道なので細君にも3シーズン用の登山靴、モンベルのツオロミーブーツを買ってもらって臨みました。

1時間半ほどひたすら登ると視界が晴れてきます。稜線に出れば後はラク、というのは丹沢では全く当てはまらないので気を抜いてはいけません。

道自体はかなり整地されているので歩きづらい場所は少ないです。

登頂開始から2時間、最初のピークの三ノ塔に到達しました。本日のゴールの塔ノ岳は遥か彼方で泣けてきます。

この果てが見えない山々全体が丹沢山塊。冒頭で述べた山深さが伝わるでしょうか。

三ノ塔を過ぎてすぐのお地蔵様。

三ノ塔を過ぎると細かなアップダウンが続き、鎖場(鎖を使わなくとも上り下りは容易)があったりします。左手には湘南の町並みと海が見えてきます。

三ノ塔から進むこと2時間半、塔ノ岳直下にある木ノ又小屋では夏季限定でかき氷が売られていました。

木ノ又小屋から30分、登頂開始から5時間で塔ノ岳山頂1491mに到達します。山頂はこの通り非常に広くてベンチもあってしっかり休憩ができます。しかし急に雲が増えてきて怪しい感じ…。

湘南方面が一望できる端っこの方に陣取って山飯タイム。

メニューは定番のリゾット。クノールのカップスープをベースに、事前に仕込んでおいたきのこやウインナーと米をまとめて煮込むだけ。インスタントラーメン並に手軽ですが見栄えがするのでオススメなヤマメシです。

食後のコーヒータイム。山とコーヒーは諸刃の剣で、トイレ問題と向き合わなくてはなりません。

雲が増えてきてしまいましたが、本来ならば湘南〜三浦半島までの海岸線が見えて、都市部の方では横浜みなとみらいなんかも見えます。

さて、あとは下山するだけと山頂でのんびりしていると天気が急変し、まさかの雨が降り始めました。しかもこんな時に限ってレインウェアを忘れたことに気づきます。しばらく山頂の小屋の庇の下で様子を見ていましたが止みそうな気配がないので、どうしようもなくなる前に強行突破で下山することにしました。晴れていればなんともない鎖場でも雨が降っていると集中力が求められます。

写真では伝わりませんが、実はこの時は土砂降りと言っても過言ではないくらいの降り方で、雷のゴロゴロという音が常に聞こえている状態でした。

雨粒が痛え痛えと思っていたら雹が降っていました。

たまの休みをずぶ濡れにさせてしまいましたが細君の心はまだまだ折れてはいないようです。

細君へこんなはずじゃなかったんだと謝りながら、雨に打たれながらの下山。行きも帰りもアップダウン、とはいえさすがに帰りの方は下り基調ではあるので3時間ほどで下山しました。

下山後は丹沢大山の麓で猟師をしている祖父宅にて鹿とイノシシをメインとしたジビエ料理を食べさせてもらってこの日は幕を閉じました。

登山を始めてからは初めて挑んだ塔ノ岳ですが、ある程度山歩きに慣れたと言ってもやはり過酷でした。下山でもアップダウンがあるというのがなかなか精神的につらく、つくづく標高だけでは山の難易度や辛さはわからないなと実感した山行でした。