登山中のカメラ携行方法
について。個人的にcaptureという答えが出ているのですが、ザックを新調した関係で再考する必要が出てきたので記事にしてみました。いつも通り前置きが長いので目次から飛んでください。
captureという絶対的正解
山にカメラを持っていく登山者なら必ず悩むカメラ携行方法問題。私は山を始める前からpeak designのcaptureを愛用していたので、登山でもcaptureを用いたショルダーハーネスに固定する運用で長年やってきました。どんな環境でも、一度も予期せず外れる・脱着できなくなるといったトラブルがない、非常に信用できるヤツです。

カメラが剥き出しになる運用ですが、厳冬期登山でも基本的に問題ないことは実証済み。私のかつての愛機だったニコンの一眼レフD750では一度もトラブルはなく、現在の愛機のEM1 markⅡも2月の木曽駒ヶ岳で一度だけ電源が落ちたことがあるのみでした。
もちろん岩場でカメラに傷が付いたりはしますが、傷つけたくないカメラは山に持っていかないので問題なし。それより登山中でもカメラを構える→撮影する→再びマウントする、の一連の流れが最短最速で出来るメリットがあまりにも大きく、基本的にcaptureの運用にほぼ何の不満もありませんでした。
captureの欠点
そんな私的完璧アンサーのcaptureですが、ショルダーハーネスが幅広だと装着できない欠点があります。特に最近流行りのUL系ザックはショルダーハーネスにポケットなどの機能が付いて幅広なためcaptureが装着できないのです。
例として日帰り用として愛用しているパーゴワークスのBUDDY22はショルダーハーネスにスマホが入るくらいのポケットが付いており、captureがかなり高い位置にしか付けられませんでした。

フォーカスという防御力と速写性の両立
BUDDY22に関しては今となっては何だかんだ上記の取り付け位置でcapture運用にすることが多いのですが、この問題に対する答えとして見つけたのが同じくパーゴワークスのフォーカスというカメラバッグによる運用でした。

このスタイルも近年よく見かけるようになりました。自分の胸前にバッグをぶら下げるため取り出しやすさはピカイチで、他に行動食なども収納できる上、蓋を閉じておけて撥水性も高いので、雨や自分の汗からカメラを守ることができます。また、captureではレンズ面が地面を向くため岩場などでレンズ面をぶつける懸念がありますが、フォーカスでは最も守られる形になるという利点もあります。
激しい岩場になると邪魔になる、歩行中に腹の上で跳ねてちょっとウザいという欠点はありつつも、概ねザックの形状を選ばず汎用性の高い運用方法です。
captureもフォーカスも使えない…だと!?
基本的に登山中のカメラ携行は上記いずれかの方法で問題ないと考えていたのですが、最近泊まり登山用のザックを新調したことで新たな方法を考える必要が出てきました。
あのカリマーからUL系ザックが出た、と2025年に話題になったクリーブ40というザックなのですが、困ったことにこのザックはショルダーハーネスが極幅広な上にフォーカスを引っ掛ける場所がないのです。

一応、強度的に十分そうなタグのような場所を見つけたので(ものを引っ掛けるためではなさそうですが)フォーカスを引っ掛けることは可能でした。が、狭いところにカラビナを通すので脱着がかなりストレスでした。キーリングなどを付けておけば良いのでしょうが、この機会に違う方法を試してみることにしました。
PGYTECHのショルダーストラップクランプ
ということで長い前置きの末に本題です。これはカメラのショルダーストラップとカメラ本体を素早く脱着できるようにするアイテムで、発想的にはpeak designのアンカーリンクスに近いものです。

アンカーリンクスとの違いは、アンカーリンクスではアンカーを介してカメラ本体とストラップ自体を脱着するのに対し、こちらはカメラ本体の三脚固定用のプレートを用いてストラップを脱着します。イメージとしてはcaptureをストラップに装着した感じです。

ショルダーストラップクイックリリースクランプ本体がこちら。アルカスイス互換なので多くのカメラプレートに対応します。


裏面の上部2ヶ所にショルダーストラップを通す穴が開いています。

私はショルダーストラップについてはアンカーリンクスで運用しているので、クイックリリースクランプにアンカーを付けました。使用しているストラップは自転車用に使っているporiseというメーカーの3点固定ができるタイプのストラップですが、長さ調整ができるタイプのものなら何でも良いと思います。
カメラ装着図

先日の空木岳縦走にて。実際にカメラを装着した状態です。ぱっと見では単にショルダーストラップで肩がけしているように見えます。

状態としてはたすき掛けにしてカメラを前に持ってきているのとなんら変わりません。

自分の目線で見た感じ。位置的にはごくごく普通にショルダーストラップでたすき掛けしている時と一緒です。
1泊2日の縦走後の感想
先日の1泊2日の空木岳縦走は終始このスタイルで歩いてきました。結論としてはcaptureを100点とした時に80点といったところで、思ったより良かったです。まだ1回の山行だけですが、予期せず外れることもなく不安に感じる場面もありませんでした。
良かったところ
ザックのハーネスと干渉しない・ザックをすぐ下ろせる
カメラストラップを使うと多くの場合ザックを背負ってからカメラストラップをかけると思いますが、休憩の際にカメラストラップを外し忘れて、ザックを下ろそうとした時にカメラストラップに引っかかる、あるいはカメラの上にザックを背負ってしまい、撮りたい時にカメラを構えられない、というイライラを誰しも経験すると思います。
この運用スタイルの場合、ザックの下にカメラストラップをかけているので先にカメラを下ろさなくてもすぐにザックが下ろせます。これは思わぬメリットでした。captureやフォーカスでも、ショルダーがぶらぶらしてカメラをぶつけてしまわないようザックを下ろす前にカメラを先に外していたので、これがなくなるのはだいぶデカかったです。
カメラの揺れが少ない
カメラストラップをどれだけ密着・固定するかに依存しますが、capture, フォーカスと比べてもカメラの固定性は高いと感じました。これは3点固定のストラップを使っていることが大きいかもしれませんが。
装着がスムース
カメラ側のプレートはcaptureのアルカスイス互換のプレートを使っていますが、クイックリリースクランプへの装着は非常にスムースでした。capture(V3)のスチャッという官能的な気持ち良さはありませんが、装着時のストレスは皆無でした。
レンズが下を向く
これは人によってメリットともデメリットともなり得ますが、構造的に小さいレンズであっても必ずレンズが下を向く形になります。レンズが真横もしくは上を向くと虫や小石が跳ねて傷付きそうなので個人的には山でも自転車でもレンズが下を向いてくれた方が嬉しいのです。
イマイチなところ
長時間歩くとカメラストラップによる疲労を感じる
要はカメラが脱着できるようになっただけの通常のカメラストラップ運用なので、カメラの重みが直接肩に加わります。capture, フォーカスいずれもカメラ分ショルダーストラップに加わる重量が増えることは変わらないので、極端につらいわけではありませんが、2日目の疲労が溜まってきた頃にはカメラストラップが掛かっている左肩に明らかに疲れを感じました。
外すのがスムースではない
前述の通り装着はスムースなのに、なぜか外す方は全然スムースじゃありません。感触としてはグリスが切れた金属部品を組み合わせるときのような抵抗を感じました。しばらく使って摩耗してくればスムースになりそうな感じですが、個体差かもしれません。外す方に関してはcaptureと比べ大きく劣ります。
総合的なおすすめ度 星4つ
というわけでかなり久々、5年以上ぶりくらいにカメラストラップによるカメラ携行をしてみました。長年の信頼もあるので私にとって絶対的正解がcaptureであることは揺らぎませんが、このスタイルはこのスタイルで案外良いじゃないか、というのが感想です。
ザックを選ばないという点に加え、カメラストラップを忘れることがない(capture運用だとストラップを忘れてデポする時に困りがち)のが良いし、何より安価(購入時3500円)で試せるのが非常に良いです。あとは同じカメラストラップを簡単に外せるようにするアイテムとして見た時に、アンカーリンクスではカメラ側にアンカーが付くのが見た目的に気になる(私の場合Zf)のでこちらの方が優れています。
captureと比べると細かい部分に多少の不満はありますが、金額が全然違うので許容範囲です。今までカメラストラップ運用をしてきた人なら導入して損はないと思います。ストラップが邪魔な時にすぐ外せたり、ザックとの干渉が減ったり、ストラップ運用のストレスがだいぶ緩和されると思います。
というかcaptureにアンカーを取り付けられればそれで解決なのでは?