山と自転車

登山や自転車に関することを綴っています

【南アルプスの女王】仙丈ヶ岳日帰り登山 北沢峠発 藪沢小屋ルート2018.9

南アルプス仙丈ヶ岳日帰り登山 

私が本格的に登山にハマったきっかけの山、仙丈ヶ岳。当時を振り返って書いてみます。

仙丈ヶ岳は南アルプスに位置し、緑にあふれる雄大なカール地形の美しい山容から南アルプスの女王と称されています。標高3033mと本格的な山ですが、北沢峠からはさほど危険でもなく日帰り登山が可能です。

アクセス/コースタイム

ただし問題は北沢峠までのアクセス。駐車場がある仙流荘までは車で行けるのですが、そこから北沢峠まではマイカー規制区間のため南アルプス林道バスに揺られる必要があります。

往路は仙流荘の始発が5:30(所要時間約1時間)、復路最終便が16:00(2023.3執筆時点)で北沢峠からの標準コースタイムが7時間半。 

始発の次は8時台なので、日帰りするのであれば始発便に乗るのが必須条件。遠方からでは前乗り必須となりますが、当時の私達は山梨住みだったので4時に自宅を発って始発に乗ることができました。

www.inacity.jp

朝4時に出発、北沢峠へ

先述の通り時間がややシビアなので4時に自宅を発ち、北沢峠6時半着で登山開始しました。16時までに戻って来られなければ家には帰れないというタイムアタック登山です。

HG氏は仲間内でも晴れ男として知られていて、早速この好天でした。

北沢峠 登山口

北沢峠。この時点で標高2032mなので山頂までは1000mアップ。

北沢峠は甲斐駒ヶ岳への登山口でもあり、1泊2日で2座を踏む人が多いようです。余談ですが甲斐駒ヶ岳の真の登山道は黒戸尾根ルートであり、山ヤの中では北沢峠からでは登ったことにならず、”裏口入学”と言われてしまうとか。

私は黒戸尾根からしか登ったことがありませんが、北沢峠からなら数時間で登れるみたいなので山頂でのんびりできて良さそうです。黒戸尾根だと帰路の時間を考えるとどうしても早く脱出せねばという気持ちになるので…。

南アルプスらしく、最初は森の中を進んでいきます。なかなか景色が変わらないのが南アルプスですが、今回のルートは北沢峠の時点で2000m超えなので序盤から眺望が良いです。

目指す山頂方面。

木の切れ間から、フレーム構図で甲斐駒ヶ岳。

こちらは鳳凰三山、地蔵岳のオベリスク。

五合目、大滝頭の分岐

五合目、大滝頭の分岐。ここから馬の背ヒュッテを経由する藪沢小屋ルートと小仙丈尾根ルートに分かれます。今回は藪沢小屋ルートを選択しました。

www.japanesealps.net

おそらく鋸岳。当時は山のことなど何も知りませんでしたが写真は撮っていました。

甲斐駒ヶ岳。HG氏が甲斐駒ちゃん、甲斐駒ちゃんとはしゃいでいたのを覚えています。甲府盆地から見るのを表とすると完全に裏からの長めで、随分と山容が異なって見えます。

南アルプスらしく水源は豊か。水はめちゃくちゃに冷たくて思わずがぶ飲みしていましたが、寄生虫がいるからそのままは良くないと後から知りました。

馬の背ヒュッテ

スタートから3時間、森林限界を超えるとすぐに馬の背ヒュッテに到達します。

花崗岩による白い山頂が特徴的な甲斐駒ヶ岳。

奥に見えるのが仙丈ヶ岳のカール。初めて山で心を動かされた瞬間でした。

頂上直下 仙丈小屋

カールの真下にある仙丈小屋。多くの人がここで食事を摂っていました。この時点でまだ10時過ぎで、時間は余裕がありました。

甲斐駒ヶ岳と左に連なる鋸岳。

仙丈ヶ岳山頂 人生初の3000m級 

10:48 登頂開始から4時間強で仙丈ヶ岳山頂3033mに到達しました。

小仙丈ヶ岳。藪沢小屋ルートでは仙丈ヶ岳に登頂したのち、小仙丈ヶ岳を経由して北沢峠に下ります。

富士山と北岳。日本の標高2トップを一望できるのは山に詳しくなくてもすごいことだと興奮しました。

圧倒的に広大な仙丈ヶ岳のカール。途切れることなく山しか見えません。

仙丈ヶ岳から先はカールに沿って極上の稜線歩きが待っています。

アルプスのアイドル 雷鳥

少し雲が増えてきた、そう思ったところで雷鳥と遭遇!!この子は流石に山を知らなくても知っていました。天敵から身を隠すため荒天のときにしか姿を見せないことから名付けられた雷鳥。これが初めての出会いでした。

雲海に包まれる稜線。

仙丈ヶ岳山頂より周回し小仙丈ヶ岳。

この日は結果としてはバスの最終便より1本前の15時の便に乗ることができたので、余裕を持って下山することができました。休憩込みでコースタイムは8時間半ほど。

登山を始める決意

私はこの日、登山を始めようと決意しました。1週間後くらいになけなしのお金を使って登山靴とザック、雨具を購入します。

今まで丹沢塔ノ岳や日向山、一番高いところで木曽駒ヶ岳に連れて行ってもらっていてそれなりに綺麗だと思いましたが、この仙丈ヶ岳は世界観が変わるほどの衝撃を受けました。山登りはつらいですが「こんな景色が見られるなら山に登ってもいい」と思ったのです。

登山を始めて

この日をきっかけに私の登山ライフが始まり、人生が大きく変わりました

大学卒業と同時に地元に帰ったものの、山に行きたいがためにまた山梨に移住したり、どんな登山口にもアクセスできるようジムニーを買ったり、フルサイズ一眼レフをマイクロフォーサーズのEM1-mk2に買い替えたりGoProを買ったりetc...登山を始めなければ決して思いつかなかったであろうことがたくさん。

今回仙丈ヶ岳に登る前までは、自分が好き好んで登山をするようになるなんて想像もつかなかったし、ましてや厳冬期登山なんて自分には一切関係ないことだと思っていました。それが今では…(以下略

 

若いうちに山に出会って良かった。まだまだ見たい景色、見たことのない景色がたくさん待っていると思うと、早く仕事を辞めたいとばかり考えて生きることになりましたが、それも人生。

 

Fin