山と自転車

登山や自転車に関することを綴っています

【東北遠征③】夏の八甲田山 日帰りトレッキング2020.7 【日本百名山】

俺たちは晴れる山に登りに行くんだ day2

台風により前々から予定を合わせた大キレットアタック計画を阻まれた一行!しかし日本全国津々浦々、どこかに晴れる場所があるなら頂きを目指す彼らの脚は止まらない!

ということで雨雲から逃げるように北上して東北秋田の名峰鳥海山を満喫したday1でしたが、その翌日はさらに雨雲が東北を蝕んできました。そんな中、東北エリアで一番天気予報がマシだったのが本州最北端の青森県でした。そこで選ばれたのは百名山の一つ、八甲田山でした。

初日、鳥海山の記事はこちら。

www.mount-road.com

八甲田山ってどんな山?

八甲田山という山をご存知でしょうか。名前は聞いたことあるけど…という人が大半ではないでしょうか。私はというと知ってはいましたが、登山の対象として知っていたわけではありません。むしろ登れるんだと思ったくらい。

なぜならこの八甲田山は「八甲田雪中行軍遭難事件」が起きた場所としての方が有名だからです。1900年代に日本陸軍が行った冬季軍事訓練の最中に200人近くの死者が出た、登山史に残る世界最大級の遭難事故です。

そんな八甲田山は津軽富士こと岩木山と並ぶ、青森県にある日本百名山でもあります。我々はチームとしては百名山ハンターなので八甲田山が選ばれました。

山行データ

八甲田山登山

天候はこの通り。台風が列島を襲う中、雨が降らないだけでもマシと思わなければなりませんが、前日の鳥海山の衝撃が大きかっただけに隊の士気は高くありません。

なんとか遠くの景色が見えます。山頂の景色はギリギリ期待できそう?

最初の樹林帯を抜けると開けた場所に出ました。眺望もないのでただ歩くという感じです。小学校の移動教室を思い出しました。

山頂方面を望む時、雲で山頂が見えない絶望感。山ヤには分かるこの気持ち。登っても景色が見られないことが確定している、それでも登らなければならないこの状況を悲劇と呼ばず何と呼ぼうか。

八甲田山山頂

淡々と進みながら八甲田山山頂に辿り着きました。八甲田山は複数の山々で構成される山域の総称ですが、この八甲田大岳が最高峰です。景色はこの通り。知ってた。知ってたけど!虚しささえ感じてしまうのは昨日の鳥海山のせいです。反動が大きすぎました。

下山は来た道でなく周回ルートです。帰りは湿原歩きが楽しめるから大丈夫と師匠。こういう心持ちで山に登るべきではないと思いながらも、青森の百名山に登ったという事実だけでもういいやというのが正直な精神状態でした。なんだかんだ遠征による疲労も溜まっていました。

大湿原

下山中の一瞬の晴れ間で大湿原が見られたのは今回の山行で唯一報われたと思えた瞬間でした。なるほど確かにこれは圧倒的自然、圧倒的大地。しかもこの手の緑や紅葉は実は晴れよりも曇りの日の方が色鮮やかに見えるというのが写真家の間での通説なので鮮やかに見えます。山頂の景色は見られませんでしたが、それを賄うくらいには気持ちの良い眺望が得られたので良しとします。しかしこの湿原を抜ける頃にめちゃくちゃ雨に降られた上に、楽しみにしていた混浴の酸ヶ湯温泉がコロナの影響で早く閉まっていて散々な終わり方でした。