山と自転車

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【AACR】今年も桜のAACR2025 160km参加してきたレポ

昨年2024年に人生で初めて参加した自転車イベント、アルプスあづみのセンチュリーライド(AACR)に今年も参戦してきました!参加された方々、お疲れ様でした!次第に向かい風が出てくる辛い復路になりましたが、今年もなんとか雨に降られず楽しく走り切りました。

www.mount-road.com

↑昨年のAACR。例によって長いので目次で適宜飛ばしてください。

What is AACR?

AACRは120kmもしくは160kmのコースを制限時間以内に走り切る自転車イベントで、約20kmごとに設置されたエイドステーションで地元の食材を用いた美味しい料理を食べつつ和気あいあい楽しみましょうという、レースとは異なる催しです。毎年4月、5月にそれぞれ桜のAACR、緑のAACRと2回開催され、今年も昨年同様桜で参加してきました。

走行データ

ホテルからの自走往復13kmが含まれていますが、AACRのコースは155kmでした。6:40出走で15時半頃にゴールしたので全経過時間は約9時間。昨年に比べて7分速くなった(誤差)という結果で、エンジンの極端な劣化はないようで一安心しました。

AACR前日 受付編

4/20(日)に開催されたAACR。原則前日受付となっているため4/19の13時到着のあずさに揺られて松本駅に降り立ちました。

北アルプス登山は車で来るので松本駅に降り立つときにはいつも自転車が一緒です。この景色を見ると高揚を覚えます。

今年もフリー素材ニキとともに

フリー素材ニキ

もう15年の付き合いになる、私の唯一の自転車仲間のHT氏ことフリー素材ニキ。とりあえず有名になりたいらしいのでいつも通り本人希望で顔出しです。今年はその夢が若干叶った彼でした(後述)。

受付会場&スタート地点 梓水苑

前泊のホテルに荷物を預け車検証と参加証をクリアファイルに入れ、HT氏のサドルバッグに括り付けこれが悲劇の幕開けとも知らずにいざ出発。松本駅から7kmほど、ほぼ平坦を走り今年もやってきました梓水苑。受付会場にしてスタート&ゴールに設定されている場所です。

波乱の幕開けにして奇跡

今年は14時頃には到着しました。

今年はブースをゆっくり見られそうだな

ディスクロードになったからTLRホイール試走するんだ…

やったわ

…よくわかんないけど、なんかわかった

そう、ニキのサドルバッグに括り付けていたはずの車検証入りクリアファイルがなくなっていたのです。つまり、車検証がないということです。

これでDNSはシャレにならん、可及的速やかに探しに戻ろう

最悪はホテルまでか…

目を光らせながら…紙が入った状態のクリアファイルは風速どのくらいで動くんだろうなどと考えながら来た道を引き返すと…

おおっ!?!?!?

あったよ車検証が!

本当に幸運なことに、梓水苑から1kmも戻らない、橋を渡って左折するところに落ちていました!もし風や車に轢かれて飛ばされていたらDNSになるところでした。危ねえ危ねえ。

そして性懲りもなくサドルバッグにマウントして梓水苑へ。よく考えたらというか考えなくても彼を前にして走るべきでしたよね。浮かれてリスクヘッジの概念ぶっ飛んでました。

無事エントリー完了!

ブースを見て回る

自転車パーツからサイクルウェアやヘルメットまで、あらゆるブース出展があり見ていて飽きません。

WAKO'Sブース

予約制でプロに解説付きで洗車してもらえるWAKO'Sブース。豚毛ブラシでチェーンリンクの間の汚れをかき出す技を学びました。WAKO'Sのケミカルの宣伝もしつつ「ぶっちゃけちゃんとしたメンテナンススタンドを使うのが一番大事ですね」とのこと。そう、どんなジャンルでも結局すべての手技は準備と場を作ることが基本にして最も重要なことなんですね…。

マビックブース

みんな大好きマビックカー率いるマビックブース。HT氏は念願のTLRタイヤを履かせてもらって1年前と全く同じセリフで感動していました。いい加減TLR導入しろ。

今年は出番が多かったというマビックカーです。確かによく救助(?)している場面を見ました。

Tyrellブース

一番楽しみにしていたと言っても過言ではない、うどん県生まれのスーパーバイクブランドTyrellブースです!

今年もプロダクトマネージャーの渋谷さんがいらしていたのでまたお話させていただきました。

渋「どうぞ、いくらでも試走できm」

私「去年!ここで渋谷さんの話を聞いて!」

私「Tyrell FSX買いました!!!!!デデーン」

渋「えっ」

渋「ありがとうございます!宣伝の効果が出ていると本当に嬉しいです!」

私「〜〜〜〜〜(注文したときの話や今まで行った場所について唐突に早口で語る)」

渋「その話、覚えています」

渋「グリーンサイクルステーションの平田さんですよね?」

私「コクコクコク(頷きヘドバンの音)」

 

そう、私は昨年2024年のAACRのこのTyrellブースで試乗&渋谷さんの話を聞いたことをきっかけに本能に任せTyrell FSXを注文したのです。

www.mount-road.com

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この流れで今回Tyrell参加じゃないのが大変に恐縮なところですが(自分の脚に自信がなかったので日和りました)、ともかく渋谷さんに納車報告ができて個人的には大満足でした。お時間を割いていただきありがとうございました。

会場にはTyrellのほとんどすべてのモデルが並んでいました。

何気に実物をまじまじ見たのは初めてだったIVEは

折りたたんだ状態がFSX, FCXとあまり変わらないと思っていましたが一回りくらい小さかったのが驚きでした。高さが低く、ブロンプトンの横幅を少し伸ばした感じでした。

輪行に特化したミニベロをたった1台だけ持つとしたら?実車IVEを見たことで、IVEがこの命題の有力候補に浮上しました。まあ、ミニベロはロード換算で1台未満なのでたくさん持てば良いんですけど。

完成車のほか、カラーオーダー見本も自由に見ることができました。曰く「正直、出来ない色はないんですよね」とのこと。すっげえや!

縁 enishi

こちらは京都でハンドメイドサイクルキャップを作っている縁さん。結構売れているようでした。

tripoint

今回見た物の中で一番物欲が刺激されたのがこのtripointのアイウェアでした。非常に軽くてフィット感が良く、さらにレンズが大きく視認性も優れていました。サンプルが半額くらいで売っていましたが時すでに遅しで眼の前で売り切れてしまいました。

ブログ読者と遭遇

ひとしきりブースを見回って帰ろうとしていたその時「もしかしてブログやってますか?」の声。フレッシュで爽やかなお兄さん。昨年に引き続きブログ読者の方と遭遇しました!

私のtada車416号機で気づいてくれたそうで「いつも面白い記事をありがとうございます」なんて言われちゃいましたマイッタナー。さらには「そちらの方(フリー素材)もブログで見ました!」と。

ということで嬉しいので記念写真を撮らせてもらいました。こちらの方は120km組でエントリーしているとのことで、タイミングは合わないかなと思っていたらまさかのAACR後に駅手前で一瞬すれ違いました。

ニキ、やったじゃん

有名になって脱サラしたいぃぃぃぃい

なんて俗物だ

今回は駅前のホテル争奪戦に敗れ松本ウエルトンホテルというちょっと離れたところを押さえたのですが、ここが毎度おなじみ瑞祥の徒歩圏内という好立地で最高でした。自転車も持ち込ませてくれたしマジ神ゴッド!

AACR当日

06:40 3組目でスタート

冬の間トレーニングに勤しむ真面目な方々から張り倒されそうですが実は私100km超えのライドは2025年初となります!…や、やめて!石を投げないで!?

もちろん3本ローラーとかジムの有酸素運動をすべて屋内バイクに変えたりはしてたんですけどね、雪山もめっちゃ登ってたんですけどね…。

今年はマシンがアップグレードしたからな、ついにジャージも買ったし

ワイ、バーテープしか変わってない

エンジンは経年劣化してる

なんならマイナスやんけ

そんなこんなでいよいよ出走です。ハンドルについているのは最近導入した360度カメラ、Insta360です。設定がイカれてたのか光の速さでバッテリー切れして切れました。

今年は去年に比べ桜が非常に見頃でした。ほぼ満開じゃないかというくらいで、先日のつくばりんりんロードに引き続きまたまた贅沢ライドです。

昨年から大幅にアップグレードしたフリー素材ニキのバイク。GUSTOのディスクエアロロードでホイールは前後45mm/50mmハイトで1200g台という驚異的スペックのCOG'sホイールをインストール。名付けてオタクブラック号!

この景色、覚えてる!平坦気持ちーと思っていたら右折して気づくと坂を登っている最初の地獄の入口だ!

 

写真を撮る一瞬の刹那でいちいち振り返ってくるニキ。

あれ、登りもう終わった?

もっと辛かった記憶が…

これってもしかして

俺達

私達

強くなってる!?

強くなっとる!?

※多分追い風の影響です

この日は最大風速が8m/sに達するのではという恐怖の予報で、行きは追い風帰りは逆風という分かりきった地獄。前半で稼いで後半は耐え忍ぶ日。ということで往路はかなり走りやすく助けられました。正面に常念岳を見据える第一の撮影ポイントまで来れば最初のエイドは目前!

①穂高エイド

ワイワイ賑わう最初のエイド。スタートして20kmちょっとのポイントです。

去年同様のやさいぱん。

ほうれん草とさつまいもをチョイス。あとこのポタージュが沁みるんだよなぁ。

元気なうちに写真を撮っておきます。今年も無事に参加できたこと、天候が崩れず開催されたことに感謝します。桜と残雪のアルプスの景色、ようやく見られた思いです。

オタクブラック号とニキ。16年間高校の部活ジャージで運動していた狂人がついにサイクルジャージでの参戦。

良い写真頼むわ

無駄な容量だ

MB(ムダバイト)

なんてこと言うんだ!!

穂高エイド以降は田畑を抜けるように若干下り基調の平坦ゾーンで、かなり気持ち良く走れる快走路です。しかし本当に桜が見頃です。

ヘルメットでバイクを自立させるワザ。

大町エイド

大町エイドでは草餅と豆腐汁をいただきます。この豆腐がやたらとコシがあってすんげえうまいんですよね。この日は昨年と違ってギリギリ半袖でも走れそうなくらいには温暖でしたが、それでも温かい汁物は疲れが取れます。

緩徐な登りの大町-鹿島槍区間

昨年のAACRで振り返って一番きつかったのがこの区間でした。この感じの道で地味に常に斜度1-3%くらいなのでじわじわと脚を使います。覚悟していましたがやはり私は強くなったようで去年ほどの疲れは感じずあっけなく鹿島槍エイドまでたどり着きました。嘘です、追い風のおかげです、いいいいイキってすみません…

alu.jp

常念岳〜大天井岳の稜線を望む橋の上。こちらは多くの方が脚を止めて写真を撮っていました。

こんな感じです。ただし車の通行も比較的あるので要注意。

田園地帯を抜け国道に合流すると鹿島槍エイドは目前!

鹿島槍エイド(往路)

斜度7%くらいのプチクライムを経て鹿島槍。今年は悪魔おじさんはいませんでしたが、スタッフの方が応援してくれているので頑張れました。

なんて気色悪いポーズなんだ

こういうのがバズるんだ

鹿島槍エイドは伝説のねぎ味噌おにぎりと漬物。このおにぎりは唯一おかわりが出来るご褒美エイドです。今回終盤でハンガーノックになりかけたんですが、心なしかこの先のエイドは炭水化物の絶対量が減る印象なのでしっかり補給しておくと良いです。

下りと市街地の鹿島槍-白馬区間

鹿島槍以降は白馬まで思い切り下って市街地(白馬村中心部)を周回します。ここは一気に下る快走路。

またまた皆が撮影している橋にて。ここを超えると川沿いにしばらく進んで折り返しになります。

tada車フレームからアルプスチラリズム

この景色、晴天の状態で見てみたいですね。2回参加したことだし次回は緑のAACRにするのもアリですね、どちらが晴天率高いのでしょうか。

白馬エイド

待ってましたピザエイド!

このやたらとモチモチで最高に美味いピザ。課金するんで1枚まるまる食べさせてくださいって感じです。いやー今年も美味かった!

ニキもこの笑顔。

そしてこのエイドでようやくTyrellを発見しました。今年はTyrell参加者が増えたと聞きつつまだ見かけていなかったのですがだいぶ先行していたようです。設計思想とフレームの造形美に惹かれて購入した身なのでいくらでも見ていられます。特に桜の花びらがあしらわれたこちらのバイクはもう最高でした。眼福。

白馬から鹿島槍エイド区間は14.5kmと全区間の中で最短距離。代わりに割としっかりした登りがある、という区間です。だいたい7,8%くらいの斜度の登りですが、今年も昨年AACRで体得(自称)した休むダンシングで乗り切りました。なんか今年はさらにフレームのしなりを感じられた気がしたのでここに関してはちょっとだけ成長した気はします。自称。

鹿島槍エイド(復路)

復路の鹿島槍エイド。私の知っているおやきは扁平なんですがここのおやきは結構まんまるです。栗まんじゅうのような佇まい。

ここから安曇野エイドまでは下り基調平坦ですが33.7km、最長区間です。加えてこの日は向かい風になるという試練のコンディション。前述の通りここの終盤でハンガーノックになりかけて著しく失速したのですが、ここでもっと補給しておけば良かったなと後悔。やはり保険の行動食は必要でした。

予想よりは風速が落ち着いていたのでなんとかなりましたが、この川沿いの道くらいから視界が霞んでいました。一瞬ジャンダルム以来の天使が見えました。昨年は自前の補給食は手を付けずエイド食だけで済んだんですけどね…やはり備えは必要でした。

安曇野エイド

さすがに皆さん疲労のピークのようで、芝生の上に寝そべっていたり座り込んでいたり…さすがに若干の空気の重さすら感じるレベルでしたが、一方で円陣を組んで気合を入れているパーティも。

りんごジュースにドロ甘いエネルギー補給食。ろんぐらいだぁす!序盤でハンガーノックで動けなくなった亜美ちゃんが雛子先輩に飲まされるアレ系のやつです。奇しくもまさにその状況の私でした。確かに即効性はありましたが、お菓子としての「甘いもの」のカテゴリーの天井をぶち抜いている甘さ

知らずに飲むとこんな顔になります。

そしてゴール!

安曇野エイドから先、20kmちょっとですがじみーに登るんですよね。ヒルクライムと認識するような坂はありませんが、2%くらいの斜度の農道を走るという感じ。ここで思いっきり向かい風を浴び、時に横風に煽られディープリムホイールの弱点をフルで攻撃されたりしながら…

ゴール!!!!!

改めて走行データを。今年最初の100kmオーバーライドとしては怪我なく完走できたので満足です。この貧脚もまだ捨てたもんじゃねえと思えました。

表彰台的なところで写真を撮るのは長蛇の列だったので

ゴールゲートを望むここで完走記念写真を撮りました。

強くなったと思ってたけど去年と同じだったな

機材アップグレードしたのに

大信州酒造エイド

158号線沿いに佇む大信州酒造、松本は何度も来ている割にここは意外と寄れるタイミングがないので久々に訪ねました。

四合瓶も積載可能なMy tada車。ボトルケージたくさん付けてて良かった瞬間でした。

AACR完走後の虚無

このあとはいつもの厨十兵衛でしこたま日本酒を浴びて帰る予定でした。

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しかしまさかのお休み。光の速さで思考を切り替え、それなら大信州酒造と中島酒店でたくさん買い込んだ日本酒でおうち居酒屋だ!1本早いあずさに変更して帰ろう!なんてポジティブで臨機応変な男なんだと自画自賛したものの、1本早いあずさも満席で変更不可。ただでさえ最近の週末のあずさは人気な上にAACRの日なんで予想はしていましたけども!けっ!

せめて日本酒を飲める店を…と松本の街を彷徨うもどこもかしこも予約でいっぱいなんですよね。日曜に営業していないお店、夜を迎える前に終わるお店が多くゴールデンタイムに飛び込める店が少ない。松本の数少ない欠点です。その結果「信州料理と沖縄料理、長野の地酒に泡盛!」という秩序も節操もない店で時間を潰すことになりました。駅前のつなぐ横丁の入ってすぐのところです。全くおすすめはしませんけども最終手段的に知っておいて損はないかもしれません。全然人気ない感じだったんでいつでも入れます。

おまけに雨も降ってきたし、完全にAACRで運を使い果たしたようです本当にありがとうございました。

まとめ:AACRはいいぞ

最後はバッドエンドでしたが今年もとても楽しく素晴らしい体験ができました。コースデータトータルで見るとそれなりに高強度なルートですが、車通りを気にせず走れる区間が長いことや発狂しない程度のアップダウン、絶妙なエイドの間隔など本当に良く考えられたコースだなと思いました。

最近Twitter(現X)でレースなどの競技志向の人とポタリングその他エンジョイ志向の人とでギスギスしているのを見かけましたが、そんなの関係なく誰でも(最低限走りきれる基礎体力は必要ですが)楽しめるのがこのイベントの良いところなので、興味があったら尻込みせず参加してみるのをおすすめします!

AACRではめちゃくちゃ速いロードレーサーな人もいればグループでワイワイ走っている人も居ます。頻繁に脚を止めて写真撮影にこだわっている人もいます。自分が競技志向であってもエンジョイ志向であってもあるいはどちらでもなくても、疎外感を感じたり怒られたりすることなく、自転車好きが集まっているという一体感を楽しめます。

ということで今年も最高でしたAACR!